水の兎

木佐優士

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喪失

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 昼まえ、僕は入口付近のゲーム機を拭いていた。店内は客もまばらなうえ、今日はあまりやることもない。台拭きは暇つぶしと言ってもいい作業だ。
 ドアが開いた。いらっしゃいませ、と言おうと顔を向けると水兎だった。
「近くを通ったから寄ってみたよ」
「いらっしゃい」
 そう声をかけると、続けざまに客が入ってきた。
 いや、社長だ。ほとんど店に来ることがないし、まともに話したこともない。恰幅のいい体をゆらしながら入店する。
 社長はちらりとこちらを見た。目が合ったので、どうも、と僕は目を見たまま頭を軽く下げる。
 社長の目が大きく開いた。え、なにかまずいことを言ったかな、と思っていると、社長は口を開ける。
「水兎ちゃんじゃないか。大きくなったなあ」
 あっけにとられていると、水兎も「横山さん!」と返していた。
「え、二人は知り合いですか?」
「知り合いもなにも、水兎ちゃんのお父さんとは古いつき合いだからな」
「そうだったんですね。意外でした」
 けっして広い地域ではないから、こういうつながりもあるのかもしれない。ただ、水兎のお父さんはすなわち和泉組の人ということになる。そのことも当然知っているのだろう。
「むしろ、君が水兎ちゃんとここで話していることのほうが不思議だがね。たまたまかね?」
「ええと……」
「私のライブに来てくれたの。私ね、今アイドルやってるんだよ!」
 答えに困った僕の代わりに水兎が話してくれた。
「ほう。わしの息子も昔はキャンディーズとやらに熱中していたが、そうかいそうかい、水兎ちゃんがねえ」
「キャンディーズみたいにグループではやっていないんだけどね」
「一人で頑張っているなんて偉いじゃないか。泣き虫の水兎ちゃんがねえ。その姿をお母さんにも見せてあげたかったな」
 社長は少し悲しげな表情になった。
「すまん。この時期になると旅立っていった者たちの顔がよみがえってくるようで、どうもいけない。感傷に浸るような年でもないというのに」
「事故にあう運命だったんですよ。私はちゃんと生きていますから、お母さんも見てくれているはずです」
「そうか、なにも聞かされておらんのか」
 ――神田くん、休憩入っていいよ。
 話をさえぎるように小川さんの声がした。
「ああ、昌平くんか。ご苦労さん」
 社長は小川さんを見るなり言った。小川さんが下の名前で呼ばれるのを初めて聞く。この二人のやりとりを見たことがないため関係の深さがわからない。
「お疲れ様です」
「まあ、わしは奥に行くから、あとはよろしく頼むよ。水兎ちゃんのこともな」
 社長は小川さんの肩をポンポンと叩きながら事務所へ向かう。
 水兎のことを頼むと、たしかに言った。小川さんも水兎の歴史に関わってきたのだろうか。この店の常連になったことがきっかけで水兎を知ったのではなかった……?
 小川さんが水兎のことを以前から知っているような口ぶりで社長は言っていた。
「神田くん、休憩行ってくるといいよ。掃除の続きは俺がやっておく」
「休憩のじゃまをしたらいけないから、私、帰るね」
 水兎はまた来るねと言って去っていった。
 僕は休憩室に入る。テーブルには美倉が買ってきた末広亭の弁当が置かれていた。
 弁当のふたを開ける。心模様みたいに、ご飯の白をのりの黒が覆っている。いつもののり弁を食べながら、僕をとりまくあらゆる人たちのことに思いをめぐらせた。
 ひとの内情に首を突っ込むようなことをすべきではないと思うけれど、一人一人がどのような関わりを持ち、どの程度まで互いを知っているのか気になる。知らないのは僕だけのような気がしてきた。
 もし小川さんが水兎と以前からつながっていたとしたら、店長もそのことを知っているのだろうか。美倉はさすがに水兎のただのファンだろう。いや、それも思い違いかもしれない。
 いつまでも変わらないはずの周囲が別の色を持っているように思えてくる。見方を変えるだけで、色はいつでも変わるのだろうか。末広亭の味は変わらないでほしい。
 小川さんが置いてくれている漫画を手に取ってみたけど、ストーリーが頭に入らない。久しぶりにオススメ本が更新されたというのに。
 たばこの残り香に染まる一時間の休憩を終えた。
 僕と入れ違いに小川さんが休憩に入った。美倉と二人でカウンターに立つ。
「咲馬、最近水兎ちゃんのライブに行ってないだろ?」
「まあ、なんだかいろいろあって」
「今夜あるけど行くか?」
「そうだね。撮影のほうもたまには休もうかな。撮り続けてきたし」
 ツイッターでその都度、撮影の進捗状況をつぶいやいてきた。毎日少しずつしか進まない作業も視聴者は楽しみにしてくれているらしい。
 協力者はまた増えている。音楽もあったほうがいいんじゃないかと「サイボーグ」と名乗る人物から作曲を提案された。音楽にうとい僕には考えが及ばない領域だったため、むしろこちらからお願いした。白と黒の道にそれぞれ進んだ兄弟の命運に合わせた曲を作ってくれるという。
 前回の動画からつき合いのあるCGクリエイターの「ガンボーイ」は今回も協力してくれている。
「よし、バイト後いつもの会場に向かうぞ」

 いつもの男性による受付を済ませると会場には龍崎さんと駿河さんがいた。
 龍崎さんはもぐらたちのなかで浮いている。まっすぐ伸びた高い背と、明らかにアイドルの応援で来たという装いではないうえに、この整った顔立ちが影響している。
「あ、こんにちは」
 僕があいさつすると二人もこちらに気づいた。
「来てくれたんですね」
 龍崎さんが言う。
「そちらは?」
「バイト先のやつです」
「ああ、横山さんのところの」
「どうも。美倉です」
 美倉が珍しくやや警戒している。そうか、バイト中、駿河さんのことを水兎につきまとう怪しい男と言っていた。ただ、駿河さんがうちの店先でごたごたを起こしたときに美倉はいなかった。あの現場を見ていたら、この場でわめき立てていたかもしれない。よけいな一悶着(もんちゃく)はごめんだ。
「龍崎です。水兎の世話役を、この駿河としています」
「ああ! 駿河さんのことをお店で見たと思っていたら、そうですか、マネージャーさんですか!」
「まあ、そんなような感じですね」
 美倉の問いに龍崎さんは曖昧にうなずいた。美倉は勝手に納得したようだ。
 予想外の誤解のとけ方をして、ある意味よかった。美倉の警戒心はすっかりとれている様子だ。
 アイドルたちのステージを龍崎さんたちは冷静に見ていた。美倉だけはいつもの感じで盛り上がっている。
 ライブの後半、水兎は夏らしい水色のワンピースを身にまとって登場した。
 一曲目はテレビでも活躍しているアイドルユニットのカバーだった。僕も原曲をどこかで耳にしたことがある。母さんが口ずさんでいたのを覚えている。子どもからお年寄りまで幅広い世代に認知されている曲のはずだ。
 カバー曲も水兎自身の曲のように歌いこなしている。振りつけも完璧だ。
 彼女に声援を送る男性も少なからずいる。いつの間にか注目を集め始めたのかもしれない。
 二曲目は『夏風ステップ』という曲を披露した。最近できたばかりだという。
 スカートの裾をひるがえしながら軽快なステップを踏んでいて、夏風が通り抜けるような清涼感のある曲だった。清涼飲料水のCMで起用されていそうなイメージを受ける。水兎が青空の砂浜でこの曲と共に駆け抜けたらきっと絵になる。
 男性たちは「ミト」の名前を声高らかにさけんでいた。
「マネージャーさん」
 美倉が龍崎さんに話しかけた。やはり勘違いしているらしい。
「ミトちゃんはCDを出さないんですか?」
「じつは今スタジオ入りしています。もう少ししたら完成すると思います。ジャケットはうちのスタジオで撮影しました」
「龍崎さん、スタジオ持ってるんですか?」思わず僕はきいてしまう。
 はい、と龍崎さんはうなずいた。
「スタジオを事務所のそばに持っています。一般の方も使えるスタジオです。今のところうちの事務所に所属しているのは水兎だけですから、ふだんは一般の方の使用がほとんどです」
 水兎が龍崎さんにお世話になっていることは知っていたけど、事務所に所属していることまでは知らなかった。水兎のために作った事務所だろう。このまえ行ったオフィスはそのためにも活用されているのかもしれない。
ということは「マネージャー」の呼び名はあながち間違っていないことになる。
「ミトちゃんのCD出たら買います!」
 美倉は力強く言った。きっと僕も買う。
「私はこれから店に行きますが、お二人もあとでいらっしゃいますか?」
「お店?」
 美倉が首をかしげたので僕は代わりに答えた。
「龍崎さんのバーだよ」
「おお、ぜひ!」
 本当に調子のいいやつだ。美倉が行くなら行かないわけにはいかない。僕も行くことを告げた。
「ダイ、あとは任せたよ」
 龍崎さんは駿河さんにさっと伝えて店を出た。
「え、俺?」
「永大じゃなくて代さんのこと」
 僕は美倉に声をひそめて言う。
「駿河代さんっていうんだよ」
「代さん、そうですか!」
 美倉はなかば無理やり駿河さんと握手をした。
「俺、永大っていうんです。奇遇ですね。気が合いそうですね!」
 駿河さんについてなにも情報を知らないくせに。どこまでも調子がいい。フレンドリーということにしておこう。
「おお、そうか! エイダイ、ということは、おれはビーダイか。なんてな」
「面白い!」
 いや、もう二人がよくわからない。
 名前にダイがつくというだけで、どうしてそこまで距離を縮められるものなのか。
 理解はできないけど、まあ、楽しいならそれでいいや。とりあえず自分にそう言い聞かせる。
 そうじゃないと、この二人にはついていけそうもない。
 すべての組が終わり、物販が始まった。
 駿河さんは水兎のそばへ向かったので僕たちもついていく。
 ほかの客とのやりとりを見送ったあと、僕たちは水兎にあいさつをした。

 美倉と一緒にアラバヒカ・スタジオを出る。
 階段を上がると男たちが同じビルから出てくるところだった。
 先頭を歩いている男と目が合ってしまった。見覚えがある。バーに乗り込んできた男に間違いない。
 なんでこんなところに。僕はたまらず目をそらす。
「おまえ、龍崎のところにいたやつだろ。このあいだは世話になったな」
 男がにじり寄ってくる。否定できない。いたことは事実だから。でも肯定もできない。
 ちょっとなんだよこいつ。美倉が小声で僕に言う。返事をする余裕がない。
「最近和泉んとこの娘が出入りしてると聞いたが、そうかおまえらも関わっていたか」
「よくわかんねえけど、ライブをしてるだけだろ」
 美倉が強い口調で言う。制止するにはもう遅い。
「あんたらには関係ないだろうが」
「ここらは俺らの管轄シマだ。大目に見てきたが、もう見逃すわけにはいかねえな」
「くそ、なんなんだよ。意味わかんねえ」
 美倉が舌打ちをする。
 駿河さんの一件が大きく響いているのだろう。美倉も巻き込まれてしまうのか。
 いや、さすがに外で荒いことはできないはずだ。そんなことを妙に冷静に考えられる。不測のできごとばかりで感覚がおかしくなっているのだろうか。
 会場から客が次々に出てきた。横目にこちらを見ては足早に去っていく。
「もう会場には入らせねえ。龍崎にも言っておくんだな」
 にらみつけながら吐き捨てるように言うと、男たちは僕の脇を抜けていった。男たちの暴力的な視線のなか、息が詰まりそうだった。
「水兎ちゃんなにも悪いことしていないのに、なんで出禁を食らわきゃなんねえんだよ」
「アイドル界にもいろいろ大人の事情ってのがあるんだろうね」
 美倉は深いことを察していないようで助かる。不満は残っているだろうが、水兎に直接的な被害がなかっただけよかったと捉えるべきだ。きっと長年となり合うシマをまもってきた組どうしだから、抗争へ発展させるには至らなかったのだろう。
 美倉の男たちへの文句を聞きながら〈Lounge Bar RYU〉へ向かった。
 店内に入ってすぐに店長さんのほかに若い女性に出迎えられた。
「いらっしゃいませ」
 女性のポニーテールが軽やかにゆれた。
 店長さんもにこやかにあいさつをしてくれる。
「おお、大人の世界って感じだ」
 美倉がはしゃぎそうになるのを僕は止める。
 龍崎さんも僕たちに気づいてやってきた。
「先ほどはありがとうございました」
「こちらこそ楽しいライブでした」
「ミトちゃんのライブはいつ見ても最高っす!」
「それは安心しました。本人にも伝えてあげてください。さあ、こちらへどうぞ」
 前回座ったテーブル席へ案内された。
 ポニーテールの女性が水を持ってきてくれる。
「先日からこの店で働くことになったんですよ。神田さんはもしかしたらお見かけしたことがあるかもしれませんね」
「え?」
「あかりです。代さんのおかげで、こちらでお世話になることになりました」
「駿河さん、ですか?」
 はい、と女性は答える。
「助けてもらって」
「ああ! もしかしてあのときの!」
 パトカーのサイレンや先ほどの男たちのことが一瞬にして脳内を駆けめぐる。
「神田さんがいなかったら、わたしどうなっていたかわからないって代さんが」
「そんな僕はなにも……」
 本当に特別なことはしていない。近づく勇気もなくて、警察に電話を入れただけだ。
 またサイレンのけたたましい音がよみがえってくる。
「咲馬がなにしたって?」
 美倉が僕にきく。僕が見た当時の様子をざっと話した。駿河さんがあかりさんに一目惚れしたことは秘密にしておく。
「もしかしてさっきのおっさんか。こんなうら若き乙女を……。最低な野郎だな」
 最後の一言を駿河さんも言っていた気がする。気が合うというのは本当なのかもしれない。
「駿河さんは、手遅れになるまえに行動したんだって」
「やっぱりダイの名のつく者は勇気があるな! どこかの誰かと違って」
 悪かったね、どうせ僕は勇気がないよ。心のなかで開き直る。
「次の日、ダイは彼女が入院していた病院に見舞いに行ったそうです」
 龍崎さんが言う。知らなかった。
 でも、言動からの印象とは違って一図な面のある駿河さんならそれくらいのことはしそうだ。
「薬の影響があって、まだ十分に話すことができなかったんですけど、ひどくなるまえに助けてもらってなんとか復活できました」
「現在はここで社会復帰を図っているところです」
 そんな背景があったなんて、普通の客なら気がつかないだろう。 
「ダイから頭を下げられました」
「代さん、そこまでしてくれていたなんて……」
「これはあかりさんにも話していませんでしたが、ダイから『あの子にこれからもベースを弾かせてやりたいんです』と言われまして」
 あかりさんは、はっとした表情をする。
「立ち話で話したことを覚えてくれていたんですね……。わたし、バンドをしているんです。その活動を続けるために、まえの職場で働いていて……」
「女性ベース! かっこいい!」
 美倉はバンドものもいけるのか。たしかにあかりさんが演奏していたら注目されそうだ。僕もちょっと気になってきいてみる。
「どんなバンドですか?」
「ボーカル、ギター、そしてベースのわたしが女性で、ドラムが男性です。アンクールという名前で活動しています」
 スペルを紙ナプキンにボールペンで書いてくれた。「Uncool」と書かれている。
「ダサいっていう意味のバンド名です」
 あかりさんは笑いながら言った。
「ダサくてもいいから聴いてみたいなぁ」
 美倉がつぶやく。失礼なことを言っている気がするが、僕も聴いてみたい。
「アラバヒカで演奏できる機会を設けてもいいかもしれませんね」
「え!」
 あかりさんが飛び跳ねるようにして喜んでいる。
 でも僕は、先ほどの男の声を思い出してしまった。
「龍崎さん」
 僕は声のトーンを下げて呼びかける。
「さっき会場を出たあと、この店に乗り込んできた人たちに遭遇しました」
 龍崎さんは一瞬、険しい表情をした。
「神田さんに手を出したということはありませんか」
「いえ、それは大丈夫です。でも……」
「ミトちゃんが会場に出入りするのを認めないって」
 美倉がふたたび不満を吐き出す。
「納得いかない!」
「そんなことを言っていましたか――」
「はい……。龍崎さんに言うようにと」
「私も思うところがないわけではないのですが」
 龍崎さんが静かな口調で言う。その言葉の奥にはどのような思いが込められているのだろう。
「水兎やあかりさんも含め、みなさんの身をまもることが第一優先です」
「ミトちゃんを危険な目にあわせることのほうが辛いもんな……」
「僕もそう思います」
 美倉と僕の意見に龍崎さんはうなずいた。
「それって、もとはわたしのせいですよね。本当にすみません!」
 あかりさんは大きく頭を下げた。そんなことする必要なんてない。僕は心から伝える。
「あかりさんのせいでは絶対にありません」
「ライブ会場は神田駅のほうや渋谷、池袋、いろいろな場所にあります。現に水兎はアラバヒカ以外でもやっているんですから。一つ居場所を失ったくらいで活動が終わりになることはありません」
「俺はこれからもあちこちついていきますよ!」
 美倉の言葉に龍崎さんは「ありがとうございます」と言った。
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