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【第四章】王子様は記憶を辿る
(4)王子様は何を願う?
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「フランツ。どうかしたのかい?」
優しげな微笑みを浮かべて僕に語りかけるのはフランベルク兄上だ。
きれいに撫で付けられた金髪と空色の瞳は僕と同じ色なのに、その瞳は僕にはない優しい光を灯している。
五歳年上の頼れる第一王子だ。
「いえ、べつに」
「そうか。私は長く王城から離れていたから変わりないようで安心したよ」
目を細める兄上を見上げたまま、僕はぎこちない笑顔を浮かべた。
第一王子の兄上は第二王子である僕にも一人の家族として接してくれる。
政治や王権が関わる立場であっても、弟である僕を大事にしてくれているのだ。
長旅から帰ってきて、本人も疲れているはずなのにこうして暇な時間を僕との時間に割り当ててくれた。
(とはいえ…)
フランベルク兄上の横にはベリルがいた。
この数日間の交流で兄上の懐に潜り込んだらしい。
もうひとり弟が出来たかのように、兄上はベリルの世話を焼いていた。
ベリルもそんな兄上を受け入れている。
兄上に対して特に媚びているようにも見えないが、この容姿で近づいてくる美少年なら満更でもないのかもしれない。
(騙されないでくださいフランベルク兄上…そいつは)
そこでベリルと僕の目線が合った。
だが、すぐに興味を失ったかのようにベリルは目線を外して兄上を見上げた。
…僕の中で何かがくすぶっている。
もやもやとしたものが胸の中に残った。
それは弟として兄上を取られそうになっている事なのか、兄上がベリルの毒牙にかかる不安なのかわからなかった。
「そういえば聞いたよフランツ、最近は剣の稽古に力を入れているのかい?」
「はい。日々の鍛錬で体力をつけながら剣の稽古をつけてもらっています」
実際のところ、ベリルの魔法の反動で動けなくなるのが辛くて体力作りを強化していただけなのだが。
僕が身体を鍛えていると、騎士団長と教育係がいつもの稽古にもっと力を入れるようになってしまったのだった。
それ自体は特に悪い事ではないが、気弱だった僕は喧嘩や一対一の打ち合いには弱かった。
まだまだ実力も経験も身についていない。
「騎士団長は筋がいいと褒めていたよ。私は戦いに向いていないからフランツが正直うらやましい」
そんなことを言う兄上だが、騎士団たちの打ち合いで団長を相手にする腕を持っていることを僕は知っていた。
退屈そうに話を聞いているベリルに気がつくと、兄上は話を振る。
「そういえば、ベリルは剣の稽古をつけてもらっているのかな?」
「いいえ。フェリスト公爵家は魔導の家柄なので、体力作りとして剣の素振りはさせられますが、打ち合いは経験がありません」
ベリルがさらりと答える。
「それならフランツの相手をぜひお願いしたいな。王城には歳が近い子供も少ないから良い経験になるよ」
僕はその言葉を聞いた瞬間にぎくりとした。
嫌な予感がする。
そして、その予感は的中した。
僕とベリルが剣の稽古を行うことになったのだ。
しかも、目の前にはフランベルク兄上がいる。
中庭の芝生に僕とベリルと兄上がやってくると、持ってきた子供用の木剣を一本ずつ握らされた。
騎士団の修練場に向かうこともできるのだが、この場所のほうが落ち着くという兄上の言葉に従った。
実際は、突然王族と公爵家の子供たちが練習場にやって来ることで現場の人間に気を使わせないようにする配慮だったのだが。
僕は木剣を手に取り、ベリルと向き合い、背中に冷や汗を流していた。
どうしてこうなった。
対するベリルは涼しい表情で木剣を握り、何度か空に向かって素振りを行っていた。
対人戦は初めてだと言っていたが、正直…疑わしい。
余裕たっぷりの強者というところだ。
「そうだ。どうせなら、フランツとベリルのやる気を出すために何か賭けないかい?」
兄上が追い打ちをかける。
僕はびっくりして兄上の方を振り返った。
とても温和な笑顔を浮かべた兄上がにこにこと僕たちを見つめていた。
「とっ、当然どうしたのですか!?なぜそのようなことを!?」
「私はあまりにも剣の上達が遅かったものだから「それならば」と、父上とある約束を交わして試合を行ったんだ。父上に僕が勝つと願い事を一つ聞いてくれるというものだった。おかげで僕は父上に勝って願い事を叶えることが出来たよ」
「…その、フランベルク兄上が叶えた願いとは何だったのでしょうか?」
僕が問いかけると兄上はクスリと笑った。
「僕の願いは『二度と剣の稽古も試合も行いたくない』というものだった。その願いを聞き届けた父上は今も僕には強要していないよ」
ぽかんと口を開けたまま呆然とする僕を放ったまま、兄上は話を続ける。
「父上を倒すために剣技を磨いたのは僕の目標を達成するための行動だった。そこまでの剣の鍛錬は未来永劫、僕が剣を手放すための投資だったというそれだけのことさ」
「そ、そんな…」
せっかく腕を磨いたというのに手放したのですか?
…などと、その問いを投げかけることは出来なかった。
「フランツは優しいね。私よりもずっと優しいよ」
フランベルク兄上は目を細め、口元を吊り上げると微笑む。
これから一国の王になる人物が剣を捨てるという行為がどれほど強情なものなのか、その時の僕には理解できなかった。
「…僕は」
兄上ほど優しくない。
そう言う前に兄上はふふっと笑って話を閉じると、両手を打ち鳴らす。
パンっ!と乾いた音が響くと、僕のもやもやとした思考を打ち消した。
「フランツ。目の前の相手に集中するんだ」
僕ははっとする。
目の前には木剣を構えたベリルがいる。
僕と兄上の会話が終わるのを待っていたようだった。
「…。」
ベリルは無言で木剣を構えた。
彼の覇気に圧された僕は生唾を飲み込む。
「ベリル、フランツ、賭けるものは決まったかい?」
兄上は先程と変わらないにこやかな笑みを浮かべて問いかける。
「俺は決まったよ」
ベリルはさらりと答えた。
「ぼ、僕はっ!」
僕は…僕は。
…僕は…
(…。)
何も浮かばなかった。
頭の中は真っ白だった。
ベリルは鼻先で笑う。
「俺は一日、フランベルク様を借りよう」
「!?」
その宣戦布告に僕は固まった。
そして、ベリルが剣を構えて足を踏み出し、無情にも試合が開始した。
僕は願いを口にしていなかった。
優しげな微笑みを浮かべて僕に語りかけるのはフランベルク兄上だ。
きれいに撫で付けられた金髪と空色の瞳は僕と同じ色なのに、その瞳は僕にはない優しい光を灯している。
五歳年上の頼れる第一王子だ。
「いえ、べつに」
「そうか。私は長く王城から離れていたから変わりないようで安心したよ」
目を細める兄上を見上げたまま、僕はぎこちない笑顔を浮かべた。
第一王子の兄上は第二王子である僕にも一人の家族として接してくれる。
政治や王権が関わる立場であっても、弟である僕を大事にしてくれているのだ。
長旅から帰ってきて、本人も疲れているはずなのにこうして暇な時間を僕との時間に割り当ててくれた。
(とはいえ…)
フランベルク兄上の横にはベリルがいた。
この数日間の交流で兄上の懐に潜り込んだらしい。
もうひとり弟が出来たかのように、兄上はベリルの世話を焼いていた。
ベリルもそんな兄上を受け入れている。
兄上に対して特に媚びているようにも見えないが、この容姿で近づいてくる美少年なら満更でもないのかもしれない。
(騙されないでくださいフランベルク兄上…そいつは)
そこでベリルと僕の目線が合った。
だが、すぐに興味を失ったかのようにベリルは目線を外して兄上を見上げた。
…僕の中で何かがくすぶっている。
もやもやとしたものが胸の中に残った。
それは弟として兄上を取られそうになっている事なのか、兄上がベリルの毒牙にかかる不安なのかわからなかった。
「そういえば聞いたよフランツ、最近は剣の稽古に力を入れているのかい?」
「はい。日々の鍛錬で体力をつけながら剣の稽古をつけてもらっています」
実際のところ、ベリルの魔法の反動で動けなくなるのが辛くて体力作りを強化していただけなのだが。
僕が身体を鍛えていると、騎士団長と教育係がいつもの稽古にもっと力を入れるようになってしまったのだった。
それ自体は特に悪い事ではないが、気弱だった僕は喧嘩や一対一の打ち合いには弱かった。
まだまだ実力も経験も身についていない。
「騎士団長は筋がいいと褒めていたよ。私は戦いに向いていないからフランツが正直うらやましい」
そんなことを言う兄上だが、騎士団たちの打ち合いで団長を相手にする腕を持っていることを僕は知っていた。
退屈そうに話を聞いているベリルに気がつくと、兄上は話を振る。
「そういえば、ベリルは剣の稽古をつけてもらっているのかな?」
「いいえ。フェリスト公爵家は魔導の家柄なので、体力作りとして剣の素振りはさせられますが、打ち合いは経験がありません」
ベリルがさらりと答える。
「それならフランツの相手をぜひお願いしたいな。王城には歳が近い子供も少ないから良い経験になるよ」
僕はその言葉を聞いた瞬間にぎくりとした。
嫌な予感がする。
そして、その予感は的中した。
僕とベリルが剣の稽古を行うことになったのだ。
しかも、目の前にはフランベルク兄上がいる。
中庭の芝生に僕とベリルと兄上がやってくると、持ってきた子供用の木剣を一本ずつ握らされた。
騎士団の修練場に向かうこともできるのだが、この場所のほうが落ち着くという兄上の言葉に従った。
実際は、突然王族と公爵家の子供たちが練習場にやって来ることで現場の人間に気を使わせないようにする配慮だったのだが。
僕は木剣を手に取り、ベリルと向き合い、背中に冷や汗を流していた。
どうしてこうなった。
対するベリルは涼しい表情で木剣を握り、何度か空に向かって素振りを行っていた。
対人戦は初めてだと言っていたが、正直…疑わしい。
余裕たっぷりの強者というところだ。
「そうだ。どうせなら、フランツとベリルのやる気を出すために何か賭けないかい?」
兄上が追い打ちをかける。
僕はびっくりして兄上の方を振り返った。
とても温和な笑顔を浮かべた兄上がにこにこと僕たちを見つめていた。
「とっ、当然どうしたのですか!?なぜそのようなことを!?」
「私はあまりにも剣の上達が遅かったものだから「それならば」と、父上とある約束を交わして試合を行ったんだ。父上に僕が勝つと願い事を一つ聞いてくれるというものだった。おかげで僕は父上に勝って願い事を叶えることが出来たよ」
「…その、フランベルク兄上が叶えた願いとは何だったのでしょうか?」
僕が問いかけると兄上はクスリと笑った。
「僕の願いは『二度と剣の稽古も試合も行いたくない』というものだった。その願いを聞き届けた父上は今も僕には強要していないよ」
ぽかんと口を開けたまま呆然とする僕を放ったまま、兄上は話を続ける。
「父上を倒すために剣技を磨いたのは僕の目標を達成するための行動だった。そこまでの剣の鍛錬は未来永劫、僕が剣を手放すための投資だったというそれだけのことさ」
「そ、そんな…」
せっかく腕を磨いたというのに手放したのですか?
…などと、その問いを投げかけることは出来なかった。
「フランツは優しいね。私よりもずっと優しいよ」
フランベルク兄上は目を細め、口元を吊り上げると微笑む。
これから一国の王になる人物が剣を捨てるという行為がどれほど強情なものなのか、その時の僕には理解できなかった。
「…僕は」
兄上ほど優しくない。
そう言う前に兄上はふふっと笑って話を閉じると、両手を打ち鳴らす。
パンっ!と乾いた音が響くと、僕のもやもやとした思考を打ち消した。
「フランツ。目の前の相手に集中するんだ」
僕ははっとする。
目の前には木剣を構えたベリルがいる。
僕と兄上の会話が終わるのを待っていたようだった。
「…。」
ベリルは無言で木剣を構えた。
彼の覇気に圧された僕は生唾を飲み込む。
「ベリル、フランツ、賭けるものは決まったかい?」
兄上は先程と変わらないにこやかな笑みを浮かべて問いかける。
「俺は決まったよ」
ベリルはさらりと答えた。
「ぼ、僕はっ!」
僕は…僕は。
…僕は…
(…。)
何も浮かばなかった。
頭の中は真っ白だった。
ベリルは鼻先で笑う。
「俺は一日、フランベルク様を借りよう」
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僕は願いを口にしていなかった。
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