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15・以前から気付いていましたが、これ程とは。
しおりを挟む驚きません。
マリちゃんがいつの間にか忍び込んでいたのに間違いありません。
ゆっくりと厨房に向かいます。
驚きました。
業務用の大きな冷蔵庫から、お尻が生えていました。
頭を冷蔵庫に突っ込んで、何やら探しているようです。
驚いて壁際で固まっている咲ちゃんに『大丈夫よ』と、ひと声かけて肩を叩いて冷蔵庫の所へと。
「マリちゃん、何をしているのですか?」
お尻振るな!
冷蔵庫に頭を突っ込んだまま、お尻を振って返事をしているつもりのようですが、勿論、何が言いたいのかさっぱり分かりませんのでお尻を突いてやりました。
「ひぇあ!」
妙な声を上げて振り向くマリちゃんの顔に、今度は本当に驚かされました。
な、な、涙目です。
大きく真ん丸な青い瞳が潤んで、今にも涙が溢れそうではありませんか。
「どうしたの!?」
「日向、おなかすいた」
私に抱き付いてきました。
聞きたい事は山の様にありますが、あの顔を見せられたら、何はともあれ食事にしない訳にもいきません。
「咲ちゃん、食事の用意して貰える?」
「は、はい。あの~その前にお願いがあるのですが」
「何?」
「私も、その子、抱きしめても良いですか?」
どーぞ、ご勝手に。
「洋風の何か別の物を作りますか?」
マリちゃんを撫で繰り回しながら、咲ちゃんが尋ねてきます。
まあ、見た目に騙されるのも仕方の無い事ですが、『ほーじちゃ、と、しおこんぶ』がお好みですから、和風の食事でも何の問題も無いでしょうが、念の為聞いておきますか。
「マリちゃん、今日の朝ご飯、アジのツミレ汁と青菜のお浸しだけど、他に何か食べたいものがあるかしら?」
「あさは、なっとー!」
「え! マリちゃん納豆すきなの。へー。びっくりだよ」
咲ちゃんは驚いていますが、私に言わせれば何の捻りも無いですね、どうせ『しおじゃけー!』とか『だしまきたまごー!』とか『しらすおろしー!』とか言ってくると思っていましたよ。
「咲ちゃん、コンビニで納豆買って来てくれる」
「マリが、いくー!」
「コンビニまで遠いわよ」
「だいじょうぶ!」
「じゃあ、お願いね」
「いってくる!」
マリちゃんに千円渡すと、厨房の裏口から駆け出して行きました。
おや? そういえばマリちゃんは裏口から入って来たのでしょうか、鍵を閉め忘れたなんて事は無い筈ですが。
「ただいま!」
え! 早すぎませんか。
「ねえ、マリちゃん、その納豆何処で買って来たの?」
咲ちゃんが尋ねます。
よくよく見れば確かに、この辺りで売っているとは思えない、有名メーカーの藁苞納豆です。
「じぇーあーる、みとのばいてん!」
「JR水戸の売店!」
「そー!」
「おー! 凄い、凄い、マリちゃん良く分かっているねー。納豆と言えばやっぱりこれだよね」
いやいや、驚くところが違うでしょ!
咲ちゃん、アンタもか―!
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