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24・犯人は、おまえだぁぁあ!
しおりを挟む何気に、忙しいのです。
施工部から届けられた『商品開発室及び、執務室の防壁計画、予算案』の書類を拝読させて頂いて、ため息をついたり、同じ施工部、修繕課からの『内壁修繕見積書』に途方にくれたり、資材管理課からの『商品開発部執務室、什器備品、請求書』に眩暈がしたり、食材管理課や、酒類貯蔵管理課からの『商品開発部宛請求書』に気絶しそうになりながらも、帳簿付けしていって『業務日報』に、まとめます。
『魔王軍兵站部携帯食開発依頼書』は、後回しですね。
『開発室防壁の防臭効果付加に関する見積依頼』を作成しなければいけません。いちいち書類提出をしなければならない、縦割り行政の煩瑣なお役所仕事は、魔界も人間界も変わりありません。予算制限がないとはいえ、もの凄い金額ですから、各担当責任者が怒鳴り込んでくるのは必定で、頭を悩ませていると……。
あれれ? 何だコレ? 造園課の請求書? 納品明細には『観葉植物二種』と書いてありますね。確かにマリの丸まっちい文字で受領サインがしてあり……何だ! この金額は! 私が意識を失いかけた時です。
浮きたつようにリズミカルな扉の音が響きました。
『どうぞ!』
先ほどのマリの態度に、請求書の山が拍車をかけて、つい、不機嫌さを隠しきれず、はすっぱな口調になってしまいました。
ウルちゃんが、満面の笑みで、尻尾をブンブン振りながら、勢いよく入って来たのですが、
『ロキエル様~!……ピィー!!』
私の顔を見るなり、尻尾が総毛立ち、三倍ぐらいに膨らんで、ピンと天を衝きました。
い、いけません! 我知らずのうちに、不機嫌オーラ全開にしていたようです。大慌てで、固まっているウルちゃんの傍に駆け寄り、優しく抱きしめて、
『ごめん、ごめん、ウルちゃん。ちょっと嫌な事があったものだから。安心してちょうだい』
『グスッ……ほ、本当っスか? ウル、絶対に殺されると思ったっス』
大袈裟すぎるでしょうと思ったのですが、ウルちゃんはプルプル震えて、涙目で私を見ています。可愛すぎます。
『大好きなウルちゃんに、そんなことするはず無いでしょう』
『本当っスか? 確かめてもいいっスか?』
確かめる? 何を、どうやって?
『い、良いわよ』
取り敢えず、訳も分からず返事をすると、
『では、っス』
と、言うなり、ウルちゃんはペロンと、私をひと舐めするではありませんか。
『よかった~、大丈夫っス』
え! 今ので何が分かったのでしょうか? 獣っ娘は不思議すぎます。
『それで、ウルちゃん、ご用件は?』
『マリ様が、マリ様がっスよ。ウルが言う訳ではないっスよ。ロキエル様に『カカッテキヤガレ、ヘナチョコヤロウ!』と、お伝えしろと』
冷静に成れよ! ロキエル。
また、ウルちゃんを怖がらせてしまうぞ。
ウルちゃんは何も悪くありません。マリが……悪い訳でも……ないです。
悪いのは、勇者だ!
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