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第37話 体温
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ハロルドはタイマツの灯りの中、彼等を捜した――
目の前に広がる、骨の山を掻き分ける。
この山の中から、あるかもわからない彼等の…人間の骨を探し出さねばならない。
薄暗い中で見るせいなのか、まるで枯れ木のようだ。
そう思えば少しは気が紛れた。
(汚い…不潔だ…こんなことやりたくない…見つからなかった事にして、帰ってしまおうか…)
ハロルドは嫌になっていた。それが本音なのだ。
誤魔化すことが出来ない、心の内――
だが、そもそも今回の件は自分から言い出して始めた事。
二人を巻き込んで、死ぬ思いまでして…
弔ってやりたいなどと綺麗ごとを並べておきながら、その実自分の為に始めた事だ。
(僕ってクズ野郎だな…最低な人間だ…)
この期に及んで『見つからなかった事にして、帰ってしまおうか』などと…
そう思ってしまった自分の事が、嫌になった――――
どれくらい経ったのだろうか。
自己嫌悪に陥りながらも、骨の山を崩し終わった頃。ソレを見つけた。
辛うじて形を保っている程度だが、ハロルドにもわかる。
人間の頭蓋骨だ――
彼等のものなのだろうか…
それとも別の誰か…
(死んだら…こうなるんだな…)
ハロルドは、しばらくソレを見つめた――
死んだ彼等の名前も、顔も思い出せない…
いや、違う…最初から知らないのだ。
知ろうとしなかったから。
たった数日、短い間だったが一緒に過ごした彼等のことを…何も知らない。
彼等にも家族が居たはずだ。愛する人が…
彼等の帰りを待ってる人が居るはずだ。
(どんな思いだったんだろう…)
バケモノに喰われて…
死んだ後もずっと…こんな真っ暗な、冷たい場所で…
骨になってしまった彼等を見つめたまま――
ハロルドはいつの間にか、自分が泣いていることに気付いた。
彼等のことを哀れに思ったのか、自分の情け無さに涙が出たのか…自分でもわからない。
「ごめんな…」
その言葉が、自然と口からこぼれる…
すすり泣きながら、ハロルドは彼等の亡骸を探し続けた――――
結局、探し出せたのは最初に見つけたその頭蓋骨と、彼等が身に付けていたのだろう剣を数本だけだった…
動けないアロイとシアンを残してきたままだ、これ以上時間を掛けるわけにもいかない。
剣は腰に差し、亡骸は上着で包んだ。
そして二人の元へと急ぐ。
情けない顔は見せられないと、涙をぬぐいながら――――
帰ってきたハロルドを迎えたのは、立ち上がれるまでに回復したアロイと、未だに眠ったままのシアンだった。
「無理をするな」
「無理しちゃいねぇよ…こんなところ…さっさとおさらばしようぜ…」
ハロルドはアロイに肩を貸してやった。
無理をするなとは言ったが、正直なところ彼も一刻も早くここから出たかったのだ。
シアンは寝かせたままにしておいた。
起こしたところで、どうせ動けないだろうと思ったからだ。
シアンを背中におぶり、アロイに肩を貸し、腰には亡骸を包んだ上着を巻いた。
ハロルドは、なんだか急におかしくなって笑ってしまった。
「どうしたぼっちゃん…?」
「いや、なんでもない。」
三人ともボロボロだ。
傷は塞がってるとはいえ、血を失い過ぎてフラフラ。全身ズタボロで血まみれのハロルド。
アロイは生傷まみれで身体を動かすのもやっと。
シアンに至っては動けない。ぐーすか眠っている。
それでも、ハロルドは嬉しかった。
二人の体温を感じて嬉しくなった。
二人が生きているという事が、嬉しかったのだ。
そんな満身創痍の三人は、ゆっくりと歩みを進める――
こんなところからは、さっさとおさらばするのである。
目の前に広がる、骨の山を掻き分ける。
この山の中から、あるかもわからない彼等の…人間の骨を探し出さねばならない。
薄暗い中で見るせいなのか、まるで枯れ木のようだ。
そう思えば少しは気が紛れた。
(汚い…不潔だ…こんなことやりたくない…見つからなかった事にして、帰ってしまおうか…)
ハロルドは嫌になっていた。それが本音なのだ。
誤魔化すことが出来ない、心の内――
だが、そもそも今回の件は自分から言い出して始めた事。
二人を巻き込んで、死ぬ思いまでして…
弔ってやりたいなどと綺麗ごとを並べておきながら、その実自分の為に始めた事だ。
(僕ってクズ野郎だな…最低な人間だ…)
この期に及んで『見つからなかった事にして、帰ってしまおうか』などと…
そう思ってしまった自分の事が、嫌になった――――
どれくらい経ったのだろうか。
自己嫌悪に陥りながらも、骨の山を崩し終わった頃。ソレを見つけた。
辛うじて形を保っている程度だが、ハロルドにもわかる。
人間の頭蓋骨だ――
彼等のものなのだろうか…
それとも別の誰か…
(死んだら…こうなるんだな…)
ハロルドは、しばらくソレを見つめた――
死んだ彼等の名前も、顔も思い出せない…
いや、違う…最初から知らないのだ。
知ろうとしなかったから。
たった数日、短い間だったが一緒に過ごした彼等のことを…何も知らない。
彼等にも家族が居たはずだ。愛する人が…
彼等の帰りを待ってる人が居るはずだ。
(どんな思いだったんだろう…)
バケモノに喰われて…
死んだ後もずっと…こんな真っ暗な、冷たい場所で…
骨になってしまった彼等を見つめたまま――
ハロルドはいつの間にか、自分が泣いていることに気付いた。
彼等のことを哀れに思ったのか、自分の情け無さに涙が出たのか…自分でもわからない。
「ごめんな…」
その言葉が、自然と口からこぼれる…
すすり泣きながら、ハロルドは彼等の亡骸を探し続けた――――
結局、探し出せたのは最初に見つけたその頭蓋骨と、彼等が身に付けていたのだろう剣を数本だけだった…
動けないアロイとシアンを残してきたままだ、これ以上時間を掛けるわけにもいかない。
剣は腰に差し、亡骸は上着で包んだ。
そして二人の元へと急ぐ。
情けない顔は見せられないと、涙をぬぐいながら――――
帰ってきたハロルドを迎えたのは、立ち上がれるまでに回復したアロイと、未だに眠ったままのシアンだった。
「無理をするな」
「無理しちゃいねぇよ…こんなところ…さっさとおさらばしようぜ…」
ハロルドはアロイに肩を貸してやった。
無理をするなとは言ったが、正直なところ彼も一刻も早くここから出たかったのだ。
シアンは寝かせたままにしておいた。
起こしたところで、どうせ動けないだろうと思ったからだ。
シアンを背中におぶり、アロイに肩を貸し、腰には亡骸を包んだ上着を巻いた。
ハロルドは、なんだか急におかしくなって笑ってしまった。
「どうしたぼっちゃん…?」
「いや、なんでもない。」
三人ともボロボロだ。
傷は塞がってるとはいえ、血を失い過ぎてフラフラ。全身ズタボロで血まみれのハロルド。
アロイは生傷まみれで身体を動かすのもやっと。
シアンに至っては動けない。ぐーすか眠っている。
それでも、ハロルドは嬉しかった。
二人の体温を感じて嬉しくなった。
二人が生きているという事が、嬉しかったのだ。
そんな満身創痍の三人は、ゆっくりと歩みを進める――
こんなところからは、さっさとおさらばするのである。
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