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永遠の命
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白樺が生い茂る森の中。
宿敵を前にして、気持ちが昂るのを感じた。
ついにこの時が来たのだ。
ここまで10年かかったが、今日で全てが終わる。
俺は10年かけて、1人の人物を探してきた。
名前は 神崎創山。
ある宗教団体の指導者だ。
俺の両親は神崎の唱える<永遠の命>とかいう宗教にハマり、33年前、幼い俺を残してこの世を去った。
両親の死について調べていくうちにわかったことだが、<永遠の命>には鉄の三原則というものがあり、もしもそのルールを破ってしまった場合、制裁として殺されることもあるらしい。
そして、両親はおそらくその三原則を破ってしまったために神崎に殺されたのではないかと、俺は踏んでいる。
俺には<永遠の命>への信仰心なんてない。鉄の三原則なんて知るものか。両親を殺されて泣き寝入りなんてまっぴらごめんだ。
俺は神崎に復讐を果たすことを決めた。
「神崎、俺のことがわかるか。今日俺は、お前を殺すために来た」
「もちろん知っているとも。芦屋純一君だね。君のご両親は本当に素晴らしい方々だったよ」
平然と話す神崎に、怒りで拳が震える。
「ああ、まるで昨日のことのように思い出す。33年前、この場所で、君のご両親は永遠の命となったんだ」
プツリ。一気に感情の糸が切れた。
「黙れ! 何が永遠の命だ! 両親そろってお前が殺したんだろう!? お前だけは絶対に許さないからな!!」
俺はポケットからナイフを取り出した。
「いいね。いい表情だ。永遠の命が近いよ」
「…!? どういうことだ! 俺は永遠の命なんか望んじゃいない!」
「純一くん、君に永遠の命の本当の意味を教えてあげよう。」
そう言うと神崎は自分の服を脱ぎ、腹を見せた。
神崎の身体は、信じられないほど傷だらけだった。
俺は驚きすぎて声も出ない。
「私はね、今まで何度も殺されてきた。しかし今、こうして生きている。そう、まさに"永遠の命"を手に入れたから。そして殺されれば殺されるほど、私の寿命は延びていく。だから私はあえて人に殺意を抱かせ、自分が殺されるように仕向けているんだ。
<永遠の命>は実は宗教団体なんかじゃない。私を殺したい人たちの集まりなんだよ。君のご両親もそうだった。私を殺しにきたから、代わりに私も彼らを殺したよ。
何故かって?
それはね、人に殺意を向けさせるのに一番いい方法は、復讐の連鎖を起こすことだからだよ。
現に君の両親を殺したら今度は君が私を殺しに来た。
こうして君たちは何代にも渡って復讐を繰り返し、私の"永遠の命"の糧となるんだ。
純一君、君が死ぬことで悲しむ人はいるかい?もしいるならその人物は君の死を知り、いずれ私のもとにたどり着いてまた私を殺すだろう。そうして私は永遠の命を手に入れ続けるんだよ。」
神崎の説明はもはや頭に入っていなかった。
あまりに衝撃的な事実を受け入れきれなかった俺は、自暴自棄になりナイフを握った腕を神崎の腹目がけて突き出した。
神崎はにんまりと笑い、腹から血を流しながら、俺のこめかみに銃口を当て言った。
「おめでとう純一くん。これで君も私の"永遠の命"の仲間入りだね。」
パンッ と銃声が響く。
白樺の木に止まっていた鳥たちが一斉に飛び立った。
宿敵を前にして、気持ちが昂るのを感じた。
ついにこの時が来たのだ。
ここまで10年かかったが、今日で全てが終わる。
俺は10年かけて、1人の人物を探してきた。
名前は 神崎創山。
ある宗教団体の指導者だ。
俺の両親は神崎の唱える<永遠の命>とかいう宗教にハマり、33年前、幼い俺を残してこの世を去った。
両親の死について調べていくうちにわかったことだが、<永遠の命>には鉄の三原則というものがあり、もしもそのルールを破ってしまった場合、制裁として殺されることもあるらしい。
そして、両親はおそらくその三原則を破ってしまったために神崎に殺されたのではないかと、俺は踏んでいる。
俺には<永遠の命>への信仰心なんてない。鉄の三原則なんて知るものか。両親を殺されて泣き寝入りなんてまっぴらごめんだ。
俺は神崎に復讐を果たすことを決めた。
「神崎、俺のことがわかるか。今日俺は、お前を殺すために来た」
「もちろん知っているとも。芦屋純一君だね。君のご両親は本当に素晴らしい方々だったよ」
平然と話す神崎に、怒りで拳が震える。
「ああ、まるで昨日のことのように思い出す。33年前、この場所で、君のご両親は永遠の命となったんだ」
プツリ。一気に感情の糸が切れた。
「黙れ! 何が永遠の命だ! 両親そろってお前が殺したんだろう!? お前だけは絶対に許さないからな!!」
俺はポケットからナイフを取り出した。
「いいね。いい表情だ。永遠の命が近いよ」
「…!? どういうことだ! 俺は永遠の命なんか望んじゃいない!」
「純一くん、君に永遠の命の本当の意味を教えてあげよう。」
そう言うと神崎は自分の服を脱ぎ、腹を見せた。
神崎の身体は、信じられないほど傷だらけだった。
俺は驚きすぎて声も出ない。
「私はね、今まで何度も殺されてきた。しかし今、こうして生きている。そう、まさに"永遠の命"を手に入れたから。そして殺されれば殺されるほど、私の寿命は延びていく。だから私はあえて人に殺意を抱かせ、自分が殺されるように仕向けているんだ。
<永遠の命>は実は宗教団体なんかじゃない。私を殺したい人たちの集まりなんだよ。君のご両親もそうだった。私を殺しにきたから、代わりに私も彼らを殺したよ。
何故かって?
それはね、人に殺意を向けさせるのに一番いい方法は、復讐の連鎖を起こすことだからだよ。
現に君の両親を殺したら今度は君が私を殺しに来た。
こうして君たちは何代にも渡って復讐を繰り返し、私の"永遠の命"の糧となるんだ。
純一君、君が死ぬことで悲しむ人はいるかい?もしいるならその人物は君の死を知り、いずれ私のもとにたどり着いてまた私を殺すだろう。そうして私は永遠の命を手に入れ続けるんだよ。」
神崎の説明はもはや頭に入っていなかった。
あまりに衝撃的な事実を受け入れきれなかった俺は、自暴自棄になりナイフを握った腕を神崎の腹目がけて突き出した。
神崎はにんまりと笑い、腹から血を流しながら、俺のこめかみに銃口を当て言った。
「おめでとう純一くん。これで君も私の"永遠の命"の仲間入りだね。」
パンッ と銃声が響く。
白樺の木に止まっていた鳥たちが一斉に飛び立った。
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