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俺たちの苦悩
しおりを挟む俺たちが『そよ風ふう太・ポン太』として活動し始めて早12年。
この春からホームグラウンドである大阪から満を持して上京してきたが、大阪と東京では笑いの感覚や話し方、価値観さえまるで異なり、今までのやり方は一切通用しなかった。
どうしたら爪痕残せるんやろか…そんなことばかり考えてしまい、最近は自分の好きなお笑いはまったくできていなかった。
「じゃあここはふう太さんお願いします!!」
後輩の威勢のいい声で一気に現実に引き戻される。
そうだ、今はバラエティ番組の収録中だった。
話の流れで、『一番面白い一発ギャグを持っているのは誰か』というテーマになり、各々が発表しているところだった。
東京の芸人たちはそれなりにウケていたが、大阪組は酷い有り様だった。
何をやってもズル滑りという状況で、もはや手を挙げる者は誰もいない。
そんな中、後輩からの無茶ぶり。
一応芸歴的には俺たちが一番上になるので、俺がやるしかないのはわかる。とは言え、こんなのただの生贄やん…
腹をくくり、発言しようと思ったその時、
「ポンポンポーーーン!!EXITでぇす!!シクヨロォ!!」
相方のポン太がまさかの後輩の自己紹介をギャグとしてかましてきた。
案の定周りの空気は凍る。
「…おい、そよ風程度の笑いも起きてへんやないか!!」
俺はなんとか苦し紛れにツッコミを入れた。生贄になってくれてありがとう、相方よ…。
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