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第3話
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笠置 律。
僕の新しいクラスメイトで、先天性色素欠乏症の美少女である。
本来なら僕とは関わる理由が無いはずなのに何故か、今、この少女は僕の部屋を珍しげに眺めている。
僕の家は結構昔からある古い家で、代々農家をやっている。
米も作れば野菜も作る。
この町では珍しくもない普通の家だ。
木造平屋建ての7SLDKとでも表現したら良いのだろうか。
広いと言えば広いけど掃除が大変なだけでメリットはそんなに無い気がする。
変わっていると言えば敷地の一角に大きな倉がある事くらいかな?
そして僕の部屋はその倉を改装して造られていて、母屋とは渡り廊下で行き来できる。
内装自体は普通の洋間なので笠置さんが珍しがる要素はないと思うのだが・・・。
僕の視線を感じたのか、笠置さんは少し焦った様子で言い訳をしながら座布団に座った。
「ごめんなさい。男の子の部屋って初めてだからつい・・・」
「笠置さん可愛いし、彼氏とかの部屋には・・・?」
ナチュラルに可愛いとか言えるようになってしまったか。
僕はもうダメだ。
僕の問いかけに笠置さんは真っ赤になった。
「こんな見た目だから、友達も居なかったし。なんか冷たい印象を植え付けるみたいでね・・・コミュ障って言うのかしら?それに言い寄ってくる人って私の外見だけ見てて怖かったから彼氏なんて一度も」
おおぅ・・・笠置さんが普通に喋ってくれてるぞ。
何かの地雷を踏み抜いてしまったのかも知れない。
驚いて黙っている僕を見て、更に焦ったのか尚も彼氏が居なかったことを強調している笠置さんは最早、マンガなら目が渦巻きになっていそうなぐらいにテンパっている。
恐ろしく可愛いのだが、話が進まないので宥める事数分。
ようやく冷静になった笠置さんは用意しておいたお茶を一口飲んでおもむろにここに来た理由を話し始めた。
「安倍君。私があなたに声をかけたのはね?あなたから普通じゃない気配を感じたからなの。」
普通ではない気配ってなんだろうか?
幽霊でも取り憑いているのだろうか?
ちなみに僕の名前は安倍である。
男の情報なんて要らないだろうと思って言ってなかったのだ。
「妖怪って言うのかな・・・なんていうかこの世ならざる世界の気配というか・・・とにかく私は昔からそんな良く分らないモノを感じられる体質なの・・・この体質には問題もあるんだけどそれは・・・今は秘密ね?」
笠置さんはそんな事を言っているが僕には良く分らない。
霊感体質ってやつなのか。
素直に笠置さんに聞いてみると、それに近い体質のようだ。
問題とやらには何か心配させられるが、命に関わったりするものではないらしいので今は置いておこう。
それよりも今重要なのは、僕から感じるこの世ならざる気配ってヤツだろうな。
「安倍君もやっぱりこういうこと言い始める女は気持ち悪いとか・・・思う?」
不安そうな笠置さんの顔を見て僕は思う。
アルビノとして生まれてきて苦労があったのだろう。
この国では右に倣えこそが重要視される。
周囲と違う行動をとればそれは個性ではなくて協調性の欠如と捉えられる。
例え、それが本人の自由意志ではどうしようもない、外見に関しても言えること。
黒目黒髪が基本の日本人にとって銀髪紅眼の彼女は異端として映りやすいのだろう。
加えて、特殊な才能を見せる笠置さんの立ち位置は極めて微妙なモノだったのではないだろうか?
・・・僕の家には今時、鉄の掟が存在する。
曰く、男なら命がけで女を守れ。
曰く、女なら男のために頭を使え。
曰く、家族の為には泥でも啜れ。
この家訓を僕は心に刻んで生きている。
そんな僕が不安がっている笠置さんを不気味がることは有り得ない。
でも、人間は言葉にしないと思いを伝えられないから・・・僕はこう言おう。
「結婚を前提に僕の彼女になってください」
「・・・・・・はぇ?」
「気持ち悪いなんて思わないしその髪も瞳も綺麗で正直見た瞬間から可愛いと思ってました。一目惚れしてました」
「・・・・・・・ぇぅ・・・」
笠置さんは真っ赤になり、フリーズした。
とりあえず言っておこう。
ラブコメ+彼女と紡ぐ不思議物語・・・始まります。
僕の新しいクラスメイトで、先天性色素欠乏症の美少女である。
本来なら僕とは関わる理由が無いはずなのに何故か、今、この少女は僕の部屋を珍しげに眺めている。
僕の家は結構昔からある古い家で、代々農家をやっている。
米も作れば野菜も作る。
この町では珍しくもない普通の家だ。
木造平屋建ての7SLDKとでも表現したら良いのだろうか。
広いと言えば広いけど掃除が大変なだけでメリットはそんなに無い気がする。
変わっていると言えば敷地の一角に大きな倉がある事くらいかな?
そして僕の部屋はその倉を改装して造られていて、母屋とは渡り廊下で行き来できる。
内装自体は普通の洋間なので笠置さんが珍しがる要素はないと思うのだが・・・。
僕の視線を感じたのか、笠置さんは少し焦った様子で言い訳をしながら座布団に座った。
「ごめんなさい。男の子の部屋って初めてだからつい・・・」
「笠置さん可愛いし、彼氏とかの部屋には・・・?」
ナチュラルに可愛いとか言えるようになってしまったか。
僕はもうダメだ。
僕の問いかけに笠置さんは真っ赤になった。
「こんな見た目だから、友達も居なかったし。なんか冷たい印象を植え付けるみたいでね・・・コミュ障って言うのかしら?それに言い寄ってくる人って私の外見だけ見てて怖かったから彼氏なんて一度も」
おおぅ・・・笠置さんが普通に喋ってくれてるぞ。
何かの地雷を踏み抜いてしまったのかも知れない。
驚いて黙っている僕を見て、更に焦ったのか尚も彼氏が居なかったことを強調している笠置さんは最早、マンガなら目が渦巻きになっていそうなぐらいにテンパっている。
恐ろしく可愛いのだが、話が進まないので宥める事数分。
ようやく冷静になった笠置さんは用意しておいたお茶を一口飲んでおもむろにここに来た理由を話し始めた。
「安倍君。私があなたに声をかけたのはね?あなたから普通じゃない気配を感じたからなの。」
普通ではない気配ってなんだろうか?
幽霊でも取り憑いているのだろうか?
ちなみに僕の名前は安倍である。
男の情報なんて要らないだろうと思って言ってなかったのだ。
「妖怪って言うのかな・・・なんていうかこの世ならざる世界の気配というか・・・とにかく私は昔からそんな良く分らないモノを感じられる体質なの・・・この体質には問題もあるんだけどそれは・・・今は秘密ね?」
笠置さんはそんな事を言っているが僕には良く分らない。
霊感体質ってやつなのか。
素直に笠置さんに聞いてみると、それに近い体質のようだ。
問題とやらには何か心配させられるが、命に関わったりするものではないらしいので今は置いておこう。
それよりも今重要なのは、僕から感じるこの世ならざる気配ってヤツだろうな。
「安倍君もやっぱりこういうこと言い始める女は気持ち悪いとか・・・思う?」
不安そうな笠置さんの顔を見て僕は思う。
アルビノとして生まれてきて苦労があったのだろう。
この国では右に倣えこそが重要視される。
周囲と違う行動をとればそれは個性ではなくて協調性の欠如と捉えられる。
例え、それが本人の自由意志ではどうしようもない、外見に関しても言えること。
黒目黒髪が基本の日本人にとって銀髪紅眼の彼女は異端として映りやすいのだろう。
加えて、特殊な才能を見せる笠置さんの立ち位置は極めて微妙なモノだったのではないだろうか?
・・・僕の家には今時、鉄の掟が存在する。
曰く、男なら命がけで女を守れ。
曰く、女なら男のために頭を使え。
曰く、家族の為には泥でも啜れ。
この家訓を僕は心に刻んで生きている。
そんな僕が不安がっている笠置さんを不気味がることは有り得ない。
でも、人間は言葉にしないと思いを伝えられないから・・・僕はこう言おう。
「結婚を前提に僕の彼女になってください」
「・・・・・・はぇ?」
「気持ち悪いなんて思わないしその髪も瞳も綺麗で正直見た瞬間から可愛いと思ってました。一目惚れしてました」
「・・・・・・・ぇぅ・・・」
笠置さんは真っ赤になり、フリーズした。
とりあえず言っておこう。
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