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4章
61-1. ルピス・フィス・レーベン ロイド
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騎士らしき集団が麓のほうから近づきつつある――。
周辺警戒していた忍者からその報告を受けた俺は、近くにいた別のゴブリンに河原で訓練している連中を呼んでくるように頼んだ。
すぐにでも確認しに行きたくはあったけれど、俺が見たところで相手が何者かを判別する知識がない。制圧するなら尚のこと、俺だけが先行しても無意味だ。何があってもいいように、忍者たちの手が必要だった。
ラヴィニエは俺よりも山歩きが苦手で、忍者たちの全速についていこうとすると木々の枝葉を騒がせずには歩けないのだけど、騎士らしいという相手を見定めるにはラヴィニエに同行してもらうのが手っ取り早かった。
「ラヴィニエ、相手の素性に心当たりがあるかを確認してもらいたい。俺たちを後追いする形でいいから、ついてきてくれ」
「了解いたしました」
俺の命令に、ラヴィニエは神妙な顔で頷いた。
俺がラヴィニエの尻を叩いたり罵倒したりしながら犯したてからまだ二時間経ったかどうかで、俺から謝罪してもいないのに、まるでそんな事実がなかったかのような鉄面皮だ。スイッチを捻ったような公私の切り替えは、伊達に本物の宮仕えをやっていたわけではない、というところか。
……いま手早く謝るべきかと一瞬思ったけれど、謝罪を事務的にするのは違うよな、と思い直した。この件は、後で落ち着いてから改めて考えることにしよう。
「よし――じゃあ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい。気をつけて」
「無茶すんなよ」
「無事に帰ってきてくださいね」
有瓜に続いて、ダイチを抱いたシャーリーや、ミソラを抱いたアンからも言葉をかけてもらうと、そんな女性陣を守るように居並んでいる戦士たちに頷きかけてから、俺たちは出発した。
●
俺たちが寝起きしている洞窟は、山というか丘というか、とにかく平野部から上り下りしつつも全体的には上ったところに口を開いている。
麓からそこへ行くための一番分りやすい道程は、川を遡ることだ。そうすれば、俺たちがいつも使っている河原に辿り着くことだろう。
ファルケン側からだと、木々の間隔が比較的広いところを上っていけば辿り着くそうだ。ラヴィニエたちが竜探しのときに使ったのが、その道程だったという。
ファルケン国の隣国であり、俺が行きたい図書館のある国でもあるレーベン国からだと、川を挟んだ向こう側の森を抜けてこないといけなくなる。川向こうにはあまり行かないのだけど、小高いところから見ただけでも、木々の間隔が狭くて鬱蒼としている上に、乱杭歯のように激しく起伏している地形が確認できる。件の一団はその一帯を踏破して、俺たちが普段使っている河原よりも南方の地点、つまり川下のほうを渡ってきたようだった。
ただ川を渡ってきただけならいいのだけど、その一団は渡河の後に北上を始めた――つまり、俺たちの塒に近づきつつある。
「目的は俺たちか? いや、竜か? ただ隣国に密入国したいだけなら、川を渡ってから北上してくるわけがないよな」
先導する忍者を追いかけて道なき道を進みながら、俺は独り言ちる。考えをまとめようとすると、どうしても声が出てしまう。森を駆けながらだと口の中に虫が入ってくるので、唇をほとんど開けずにささやく程度の声音でだが。
「……まあ、どこの誰だろうと同じか」
空から見たわけではないので大雑把にしか把握していないけれど、この森は北から南に三角形の楔を打ち込んだように広がっている。いつも使っている川も、幾つかの支流に分れたり蛇行したりしながら、北から南へと流れている。そして放射状に広がっている森の北側は、そのほぼ全てが、俺が危険地帯と呼んでいるのと同様の生態系なのだという。
どうして俺がそんなことを知っているのかと言うと、うちのゴブリンたちが元々、この森の北に住んでいたからだ。北の森には他にもゴブリンの集落があって、うちのゴブリンたちは余所との縄張り争いに負けて南に落ち延びてきた連中なのだった。
さて、いま問題にしている騎士らしき集団は、森の南端であるこの一帯を西から東へ抜けるのではなく、わざわざ川を渡った上で北上してきている。ということは、彼らが盛大な方向音痴だったわけでもないかぎり、この付近に用があるのは明白だ。そして、俺たちはつい先だって騎士に訪ねてこられた実績がある――と来たらもう、この集団は俺たちに用があってやって来たと決めつけてしまっていいだろう。
となれば、放置しておくのはかえって面倒。素性の知れない者に塒を知られるのは気持ちが悪い。そうなる前に、こちらから手勢を引き連れて会いにいくべきだ。会ってどうするかはそのとき次第だけど、荒事も覚悟しておこう。というか、まず間違いなく荒事になると思っているから、みんなを集めたわけだが。
「……」
先導役だった忍者ゴブリンが足を止め、背後の俺たちに手信号で合図を送ってきた。
ここで止まれ、この先に標的有り、音を立てるな――だ。
忍者たちは簡単なハンドサインで意思疎通するようになっていた。ハンドサインの概念は俺が教えたものだけど、俺だってネットのネタ画像でしかハンドサインを知らないので、それっぽいサインをみんなで考えて作ったものだ。
大雑把なところのある戦士は「進め、止まれ、戻れ」くらいしか覚えていないのがほとんどだけど、忍者たちは律儀に全部を覚えて使っているようだった。というか、現在進行形で使いやすいようにサインの手つきや数を更新しているらしい。だから、忍者たちが使っているハンドサインを、俺もたぶん七割くらいしか理解していないと思われる。そのうち現行バージョンを教え直してもらおうと思っているのだけど……さて、暗記できるだろうか?
――余計なことを考えている間に、ハンドサインでの指示伝達を終えた忍者たちが、この場に何人かを残して、その他の数名ずつで左右に散っていく。この先にいる標的の一団を三方向から包囲する作戦だった。
数名の組に分れて獲物を包囲する動きは、普段の狩りが良い訓練になっている。人間相手に仕掛けるのは初めてだが、耳も鼻も獣ほど利かないだろうし、まずもって上手くいくだろう。
……いや、油断はいけない。人間は知識と想像力で感覚を補う。こちらが姿を見せるまで気づかなくとも、第一組が正面に現れた時点で、後背に伏兵があることを想定するかもしれない。だからといって今更、作戦を変えるつもりもないけれど、油断はしないでいこう。
「従者様」
この場に残った忍者が促してくる。時間だ。左右に散った連中が配置に就いているはず。さあ、行こう。
「ラヴィニエ」
一瞥を送ると、ラヴィニエは頷きを返してくる。それを確認して、俺は身体を大きく使うようにして歩き出した。付いてくるのはラヴィニエだけで、忍者は背後の茂みに潜んでもらっている。ゴブリンの姿を見せたら問答無用で戦闘になりかねないと考えたからだ。
がさがさと音を立てた枝葉に、前方から金物の軋む甲高い音と誰何の声が飛んでくる。
「何者か!?」
嗄れた男の声だ。進むにつれて見えてきたのは、声から想像した通りの老人だった。
土埃で汚れた甲冑――というか和風な見た目なので具足と呼びたくなる鎧兜に、鼻から下を分厚く覆った灰色の髭。右手には腰の鞘から抜き放った剣があり、左手には手首の外側に据え付けられた円盤状の盾がある。
「陛下をお守りせよ!」
こちらを睨んでいる老兵の声に、他の似たような出で立ちで剣と盾を構えた男たちが反応し、中心に背中を向けた円陣を作る。
本当に伏兵を警戒してくるのか――という思いと同時に、彼らが円陣の内側に入れて守っているだろう陛下なる相手のことが気になった。
「鎧にはレーベンの国章と家紋が描かれています。着丈も合っていますし、奪ったものではないでしょう」
俺の横に立ったラヴェニエが耳打ちしてきた。つまりは予想通りと言うべきか、彼らはレーベン国の騎士であるようだ。鎧に家紋が入っているのだから、兵士というより騎士と呼んでいいのだろうと思う。
「何者か、答えよ!」
俺たちが内輪でひそひそやっていたら、痺れを切らした老騎士が再度、嗄れた声を張り上げた。
しかし……何者か、か。
「ラヴィニエ、なんて答えたらいいと思う?」
「は……?」
「いや、俺たちってさ……何だ?」
「……この場はとりあえず、竜の従者、でよろしいのでは?」
「おおっ」
さすがラヴィニエだ。尋ねた甲斐があった。というわけで、俺は老騎士に胸を張って告げた。
「俺たちは竜の従者だ」
「嘘を申すな!」
一蹴された。
老騎士は唾を飛ばしながら、さらにがなり立てる。
「竜の従者は森の精霊たちを従えているのだ。そんなことも知らずに、女一人を連れただけで竜の従者を騙るとは、とんだ愚か者めが!」
「……確かに初耳だ」
森の精霊って、なんだよ。ああ、ユタカのことか?
「従者様、おそらくゴブリンのことかと」
「なるほど、そっちか」
それならば、と俺は背後に向けて手招きをする。
「おお……」
茂みから忍者ゴブリンが歩み出てくると、騎士たちは一様に目を瞠った。
「ゴブリンに似た暗い緑色の肌、しかしながら顔立ちは精悍で、眼光には知性が見て取れる。それに一見して分る、武人の如き隙のない佇まい――なるほど、噂通りの姿であるな」
そんな噂が流れているのか、とか。隣国の騎士が聞き及ぶくらい流布されているのか、とか。というかやっぱり、こいつらはもう完全にゴブリンとは見做されない容姿になっているんだな、とか――。
老騎士が感心するように唸ったのを聞いた瞬間、そんな思考が脳裏を去来した。
改めて人伝に自分たちのことを聞かされると、自分たちが何者なのかが気になってくる。だが、いまはそういう自己啓発的なことよりも、彼らの素性を聞き出すほうが先だ。
――と思ったのだけど、納得していた老騎士に他の騎士からの待ったがかかった。
「お待ちください、フッカー卿。まだ、その者が緑の守護者だと決まったわけではありませんぞ」
おっと、また新しい単語だ。緑の守護者というのが、隣国の騎士にまで広まっている噂で語られているゴブリンたちの名称らしい。……いや、言い方からすると、俺やラヴィニエも含めて緑の守護者なのか? 緑の守護者は俺たちのチーム名というわけか。
「ふむ……しかしな、ビズウィー卿。この御仁が竜の従者殿でないとするなら、あれは何とする? 儂は斯様な魔物を見たのは初めてだぞ」
老騎士フッカー卿は豊かな白髭を指で弄びながら、俺の横で所在なげにしている忍者ゴブリンを見やる。その返答を受けて、ビズウィー卿と呼ばれた四十がらみらしき中年、いや高年の騎士は厳めしい顔で忍者を睨んできた。
「確かに、ただのゴブリンとは違うようにも見えますが、ゴブリンには幾つかの亜種が確認されています。これもそうした亜種のひとつというだけで、しょせんはゴブリン。ゴブリンを率いて山賊の真似事をしている程度の輩が竜の従者であるなど!」
高年騎士ビズウィー卿は忍者を睨んでいたかと思ったら、視線をずらして俺のことまで睨んできた。
ふむ、なるほど。竜の従者がゴブリンを連れているのが気に食わない、と。
……って、緑の守護者の話ではなかったのか? いつの間に、竜の従者の話に?
「ひとつ聞きたいんだが、緑の守護者というのはなんだ?」
考えても分りそうにないことは、分かりそうな相手に聞くのが手っ取り早い。
「ほう? ……ああいや、なるほど、そうか。緑の守護者なる呼び方は、噂が語られるなかでいつしか付いたもの。噂の大元である貴殿らが知らぬのも道理よの」
老騎士は何やら愉快げに呵々と笑う。そこまで面白いことか? それよりも、緑の守護者なる呼称についてもっと詳しく――聞くことはできなかった。
ざわり、と老騎士の背後にあった騎士たちの円陣が乱れた。
「陛下」
「女王陛下」
騎士たちの漏らしたそんな単語が、俺の耳にまで届く。
そういえば今更だけど、言葉はきっちり通じているな。ファルケン国の田舎騎士ラヴィニエに比べて、レーベン国の騎士らしき彼らは古めかしい語調を使っているけれど、レーベン国民は全員そうなのか、それとも彼らが古参の騎士だから努めて硬い言いまわしをしているのか――。
由無し事に思いを馳せていたのは数秒のこと。その間に、その人物は自分を守っていた騎士たちの垣根を分けて、俺たちの前に姿を現した。
銀髪の少女……と言うべきなのだろうか?
見たところ十代半ばから後半で、おそらくは俺と同年代。容だけを見ればアンより上でシャーリーより下くらいの年頃にも見えるけれど、まとっている雰囲気というか風格が、彼女を少女と呼んでいいのか迷わせた。
というか銀髪って!
白髪でも灰色でもなく、銀だ。木々を見下ろす日差しを受けて鈍く輝いている銀髪だ。実に異世界している髪色だ。実際のところは銀と言うより鉛のほうが合っている感があるけれど、まあ銀髪でいいだろう。
で、そんな銀髪の彼女が身につけているのは和風というか唐風というか、古事記の神様が着ていそうな上着とズボンだ。周りの騎士たちのように鎧を着込んではいないけれど、間違いようもなく男装している。目を惹く銀髪も生え際までぱっつり撫でつけるようにして、後頭部でお団子にまとめてある。
……男装? 本当に? 女顔のイケメン男子ということはないか?
反射的(本能的)に相手の顔から胸へと視線を下げたけれど、そこに明確な答えを具えた膨らみは見て取れなかった……って、さっき騎士の一人が「女王」と言っていたから女性で当然か。
「陛下、お下がりください!」
どこか芝居がかった身振りで女王(?)を下がらせようとしたのは、四十がらみでまだ髪も黒いほうの騎士ビズウィー卿だ。というか黒髪だ。瞳こそ茶色だが、こちらに来てから黒髪は初めて見たような気がする。他の騎士を見てみると、金寄りの茶髪と黒髪が半々ほどのようだった。
ビズウィー卿は俺を指差して、舞台役者みたいに朗々と声を張り上げる。
「あの小僧をよくご覧ください。いくら黒髪黒目で緑色の精霊を従えているといっても、ただそれだけの――ただの小僧ではありませんか!」
はい小僧ですよ、と頷いてやろうかと思った。そうしたらこいつ、もっと真っ赤になって喚き散らしてくれるかな?
……というかそもそも、竜の従者だと名乗ってやる必要はなかったか。ただの村人のふりをして、こいつらの素性と用件を確かめた上で、名乗るかどうかを考えれば良かったのだ。
ラヴィニエに尋ねた流れでつい名乗ってしまったけれど、もっと考えるべきだった。俺は結局、こういうときに緊張して先走る駄目な男なのだ。
「ほら、どうですか! これだけ悪し様に言われて反論のひとつもないとは、あまりに無様。大方、こやつは近くの村にでも住む小僧ですよ。たまたまゴブリンを一匹飼い慣らしただけの!」
「ゴブリンを飼い慣らせる男が、ただの小僧だとは思えなんだが……」
「ご老体、揚げ足を取らないでいただきたい!」
きっと睨まれた髭もじゃの老騎士は、蚕のような眉をゆさりと持ち上げて苦笑している。
「フッカー、ビズウィー……よい」
女王陛下と呼ばれている銀髪の少女は、幾分か苛立った表情で二人の漫才じみた遣り取りを止めると、ようやっと俺のほうに視線を向けてきた。
その視線を受け止めると自然、彼女の顔を改めて、まじまじと見ることになる。
第一印象の通り、大人びた顔立ちだ。そして整っている。可愛いよりも綺麗が似合う、女子校だったらモテモテだろう涼しげな面立ちだ。ラヴィニエもそういう雰囲気の顔立ちだけど、歳の差のせいか、ラヴィニエよりも妖精めいている――ああ、そう感じるのは銀髪のせいもあるのかも。
とにかく、この若き女王陛下はただそこに佇んでいるだけで演劇的だった。視線を向けられるだけで、自分が物語の世界に入り込んだかのような錯覚を抱かせる存在感を身に纏っていた。
「私が彼の者を求めて此方を訪い、斯くして相見えた。この御方が竜の従者様であるとの証明に、それでは足りぬと申すか?」
女王様のお声は、これまた凜とした鈴を鳴らすような――というか音叉を叩いたような、鼓膜の奥へと直接浸透してくる美声だった。
「は……いえ、しかし……」
「ははぁ! 当に、当にその通りに御座います。竜の巫女たる陛下がお求めになったればこそ、ここにこうして竜の従者殿が現れたのでございましょう!」
四十路騎士は苦々しげだったけれど、老騎士のほうは顔面全部を使って感服を露わにしている。
……さっきまでの印象では、四十路騎士より老騎士のほうが良識派のように思えていたのだけど、いまの発言でひっくり返った。女王様が舞台の一枚目なら、この髭もじゃ爺さんは三枚目でござったか……。
「従者様、お疑い申しましたこと誠に申し訳御座りませんでした。御無礼の段、何卒! 何卒ぉ!」
老騎士フッカーはこちらに向き直ったかと思えば、いきなり地面に額ずいて、腹の底まで響く胴間声で謝ってきた。
「いや、謝られても……」
思わず呟いたら、
「おおっ、お許しいただけるのですな! さすがは音に聞こえし竜の従者殿で在らせられまする。寛大なるお心に、このフライル・エィ・フッカー、感服致しましたぞ!」
勝手に許したことにされた。俺は一体、何に怒って、何を許したというのだろうか……あっ、そうか。これはきっと本気で演劇なのだ。自分たちを主役にした演劇に俺を脇役として巻き込むことで、無意識に格付けしてやろうという魂胆なのだ。そうすることで、これから始める交渉を自分たちの有利に運ばせようとしているのだ。つまり、この連中との対話はこれからが本番ということだ。
老騎士は土下座から片膝を立てて跪く体勢になる。他の騎士たちもすぐ、それに倣って膝を折る。
「従者様、改めてご紹介いたしましょう。これに御座しまするは偉大なるレーベン王国が当代女王、ルピス・フィス・レーベン様に御座いまする」
こうして俺はようやく、彼らの中でただ一人だけ立っている銀髪少女の名前を知ったのだった。
周辺警戒していた忍者からその報告を受けた俺は、近くにいた別のゴブリンに河原で訓練している連中を呼んでくるように頼んだ。
すぐにでも確認しに行きたくはあったけれど、俺が見たところで相手が何者かを判別する知識がない。制圧するなら尚のこと、俺だけが先行しても無意味だ。何があってもいいように、忍者たちの手が必要だった。
ラヴィニエは俺よりも山歩きが苦手で、忍者たちの全速についていこうとすると木々の枝葉を騒がせずには歩けないのだけど、騎士らしいという相手を見定めるにはラヴィニエに同行してもらうのが手っ取り早かった。
「ラヴィニエ、相手の素性に心当たりがあるかを確認してもらいたい。俺たちを後追いする形でいいから、ついてきてくれ」
「了解いたしました」
俺の命令に、ラヴィニエは神妙な顔で頷いた。
俺がラヴィニエの尻を叩いたり罵倒したりしながら犯したてからまだ二時間経ったかどうかで、俺から謝罪してもいないのに、まるでそんな事実がなかったかのような鉄面皮だ。スイッチを捻ったような公私の切り替えは、伊達に本物の宮仕えをやっていたわけではない、というところか。
……いま手早く謝るべきかと一瞬思ったけれど、謝罪を事務的にするのは違うよな、と思い直した。この件は、後で落ち着いてから改めて考えることにしよう。
「よし――じゃあ、行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい。気をつけて」
「無茶すんなよ」
「無事に帰ってきてくださいね」
有瓜に続いて、ダイチを抱いたシャーリーや、ミソラを抱いたアンからも言葉をかけてもらうと、そんな女性陣を守るように居並んでいる戦士たちに頷きかけてから、俺たちは出発した。
●
俺たちが寝起きしている洞窟は、山というか丘というか、とにかく平野部から上り下りしつつも全体的には上ったところに口を開いている。
麓からそこへ行くための一番分りやすい道程は、川を遡ることだ。そうすれば、俺たちがいつも使っている河原に辿り着くことだろう。
ファルケン側からだと、木々の間隔が比較的広いところを上っていけば辿り着くそうだ。ラヴィニエたちが竜探しのときに使ったのが、その道程だったという。
ファルケン国の隣国であり、俺が行きたい図書館のある国でもあるレーベン国からだと、川を挟んだ向こう側の森を抜けてこないといけなくなる。川向こうにはあまり行かないのだけど、小高いところから見ただけでも、木々の間隔が狭くて鬱蒼としている上に、乱杭歯のように激しく起伏している地形が確認できる。件の一団はその一帯を踏破して、俺たちが普段使っている河原よりも南方の地点、つまり川下のほうを渡ってきたようだった。
ただ川を渡ってきただけならいいのだけど、その一団は渡河の後に北上を始めた――つまり、俺たちの塒に近づきつつある。
「目的は俺たちか? いや、竜か? ただ隣国に密入国したいだけなら、川を渡ってから北上してくるわけがないよな」
先導する忍者を追いかけて道なき道を進みながら、俺は独り言ちる。考えをまとめようとすると、どうしても声が出てしまう。森を駆けながらだと口の中に虫が入ってくるので、唇をほとんど開けずにささやく程度の声音でだが。
「……まあ、どこの誰だろうと同じか」
空から見たわけではないので大雑把にしか把握していないけれど、この森は北から南に三角形の楔を打ち込んだように広がっている。いつも使っている川も、幾つかの支流に分れたり蛇行したりしながら、北から南へと流れている。そして放射状に広がっている森の北側は、そのほぼ全てが、俺が危険地帯と呼んでいるのと同様の生態系なのだという。
どうして俺がそんなことを知っているのかと言うと、うちのゴブリンたちが元々、この森の北に住んでいたからだ。北の森には他にもゴブリンの集落があって、うちのゴブリンたちは余所との縄張り争いに負けて南に落ち延びてきた連中なのだった。
さて、いま問題にしている騎士らしき集団は、森の南端であるこの一帯を西から東へ抜けるのではなく、わざわざ川を渡った上で北上してきている。ということは、彼らが盛大な方向音痴だったわけでもないかぎり、この付近に用があるのは明白だ。そして、俺たちはつい先だって騎士に訪ねてこられた実績がある――と来たらもう、この集団は俺たちに用があってやって来たと決めつけてしまっていいだろう。
となれば、放置しておくのはかえって面倒。素性の知れない者に塒を知られるのは気持ちが悪い。そうなる前に、こちらから手勢を引き連れて会いにいくべきだ。会ってどうするかはそのとき次第だけど、荒事も覚悟しておこう。というか、まず間違いなく荒事になると思っているから、みんなを集めたわけだが。
「……」
先導役だった忍者ゴブリンが足を止め、背後の俺たちに手信号で合図を送ってきた。
ここで止まれ、この先に標的有り、音を立てるな――だ。
忍者たちは簡単なハンドサインで意思疎通するようになっていた。ハンドサインの概念は俺が教えたものだけど、俺だってネットのネタ画像でしかハンドサインを知らないので、それっぽいサインをみんなで考えて作ったものだ。
大雑把なところのある戦士は「進め、止まれ、戻れ」くらいしか覚えていないのがほとんどだけど、忍者たちは律儀に全部を覚えて使っているようだった。というか、現在進行形で使いやすいようにサインの手つきや数を更新しているらしい。だから、忍者たちが使っているハンドサインを、俺もたぶん七割くらいしか理解していないと思われる。そのうち現行バージョンを教え直してもらおうと思っているのだけど……さて、暗記できるだろうか?
――余計なことを考えている間に、ハンドサインでの指示伝達を終えた忍者たちが、この場に何人かを残して、その他の数名ずつで左右に散っていく。この先にいる標的の一団を三方向から包囲する作戦だった。
数名の組に分れて獲物を包囲する動きは、普段の狩りが良い訓練になっている。人間相手に仕掛けるのは初めてだが、耳も鼻も獣ほど利かないだろうし、まずもって上手くいくだろう。
……いや、油断はいけない。人間は知識と想像力で感覚を補う。こちらが姿を見せるまで気づかなくとも、第一組が正面に現れた時点で、後背に伏兵があることを想定するかもしれない。だからといって今更、作戦を変えるつもりもないけれど、油断はしないでいこう。
「従者様」
この場に残った忍者が促してくる。時間だ。左右に散った連中が配置に就いているはず。さあ、行こう。
「ラヴィニエ」
一瞥を送ると、ラヴィニエは頷きを返してくる。それを確認して、俺は身体を大きく使うようにして歩き出した。付いてくるのはラヴィニエだけで、忍者は背後の茂みに潜んでもらっている。ゴブリンの姿を見せたら問答無用で戦闘になりかねないと考えたからだ。
がさがさと音を立てた枝葉に、前方から金物の軋む甲高い音と誰何の声が飛んでくる。
「何者か!?」
嗄れた男の声だ。進むにつれて見えてきたのは、声から想像した通りの老人だった。
土埃で汚れた甲冑――というか和風な見た目なので具足と呼びたくなる鎧兜に、鼻から下を分厚く覆った灰色の髭。右手には腰の鞘から抜き放った剣があり、左手には手首の外側に据え付けられた円盤状の盾がある。
「陛下をお守りせよ!」
こちらを睨んでいる老兵の声に、他の似たような出で立ちで剣と盾を構えた男たちが反応し、中心に背中を向けた円陣を作る。
本当に伏兵を警戒してくるのか――という思いと同時に、彼らが円陣の内側に入れて守っているだろう陛下なる相手のことが気になった。
「鎧にはレーベンの国章と家紋が描かれています。着丈も合っていますし、奪ったものではないでしょう」
俺の横に立ったラヴェニエが耳打ちしてきた。つまりは予想通りと言うべきか、彼らはレーベン国の騎士であるようだ。鎧に家紋が入っているのだから、兵士というより騎士と呼んでいいのだろうと思う。
「何者か、答えよ!」
俺たちが内輪でひそひそやっていたら、痺れを切らした老騎士が再度、嗄れた声を張り上げた。
しかし……何者か、か。
「ラヴィニエ、なんて答えたらいいと思う?」
「は……?」
「いや、俺たちってさ……何だ?」
「……この場はとりあえず、竜の従者、でよろしいのでは?」
「おおっ」
さすがラヴィニエだ。尋ねた甲斐があった。というわけで、俺は老騎士に胸を張って告げた。
「俺たちは竜の従者だ」
「嘘を申すな!」
一蹴された。
老騎士は唾を飛ばしながら、さらにがなり立てる。
「竜の従者は森の精霊たちを従えているのだ。そんなことも知らずに、女一人を連れただけで竜の従者を騙るとは、とんだ愚か者めが!」
「……確かに初耳だ」
森の精霊って、なんだよ。ああ、ユタカのことか?
「従者様、おそらくゴブリンのことかと」
「なるほど、そっちか」
それならば、と俺は背後に向けて手招きをする。
「おお……」
茂みから忍者ゴブリンが歩み出てくると、騎士たちは一様に目を瞠った。
「ゴブリンに似た暗い緑色の肌、しかしながら顔立ちは精悍で、眼光には知性が見て取れる。それに一見して分る、武人の如き隙のない佇まい――なるほど、噂通りの姿であるな」
そんな噂が流れているのか、とか。隣国の騎士が聞き及ぶくらい流布されているのか、とか。というかやっぱり、こいつらはもう完全にゴブリンとは見做されない容姿になっているんだな、とか――。
老騎士が感心するように唸ったのを聞いた瞬間、そんな思考が脳裏を去来した。
改めて人伝に自分たちのことを聞かされると、自分たちが何者なのかが気になってくる。だが、いまはそういう自己啓発的なことよりも、彼らの素性を聞き出すほうが先だ。
――と思ったのだけど、納得していた老騎士に他の騎士からの待ったがかかった。
「お待ちください、フッカー卿。まだ、その者が緑の守護者だと決まったわけではありませんぞ」
おっと、また新しい単語だ。緑の守護者というのが、隣国の騎士にまで広まっている噂で語られているゴブリンたちの名称らしい。……いや、言い方からすると、俺やラヴィニエも含めて緑の守護者なのか? 緑の守護者は俺たちのチーム名というわけか。
「ふむ……しかしな、ビズウィー卿。この御仁が竜の従者殿でないとするなら、あれは何とする? 儂は斯様な魔物を見たのは初めてだぞ」
老騎士フッカー卿は豊かな白髭を指で弄びながら、俺の横で所在なげにしている忍者ゴブリンを見やる。その返答を受けて、ビズウィー卿と呼ばれた四十がらみらしき中年、いや高年の騎士は厳めしい顔で忍者を睨んできた。
「確かに、ただのゴブリンとは違うようにも見えますが、ゴブリンには幾つかの亜種が確認されています。これもそうした亜種のひとつというだけで、しょせんはゴブリン。ゴブリンを率いて山賊の真似事をしている程度の輩が竜の従者であるなど!」
高年騎士ビズウィー卿は忍者を睨んでいたかと思ったら、視線をずらして俺のことまで睨んできた。
ふむ、なるほど。竜の従者がゴブリンを連れているのが気に食わない、と。
……って、緑の守護者の話ではなかったのか? いつの間に、竜の従者の話に?
「ひとつ聞きたいんだが、緑の守護者というのはなんだ?」
考えても分りそうにないことは、分かりそうな相手に聞くのが手っ取り早い。
「ほう? ……ああいや、なるほど、そうか。緑の守護者なる呼び方は、噂が語られるなかでいつしか付いたもの。噂の大元である貴殿らが知らぬのも道理よの」
老騎士は何やら愉快げに呵々と笑う。そこまで面白いことか? それよりも、緑の守護者なる呼称についてもっと詳しく――聞くことはできなかった。
ざわり、と老騎士の背後にあった騎士たちの円陣が乱れた。
「陛下」
「女王陛下」
騎士たちの漏らしたそんな単語が、俺の耳にまで届く。
そういえば今更だけど、言葉はきっちり通じているな。ファルケン国の田舎騎士ラヴィニエに比べて、レーベン国の騎士らしき彼らは古めかしい語調を使っているけれど、レーベン国民は全員そうなのか、それとも彼らが古参の騎士だから努めて硬い言いまわしをしているのか――。
由無し事に思いを馳せていたのは数秒のこと。その間に、その人物は自分を守っていた騎士たちの垣根を分けて、俺たちの前に姿を現した。
銀髪の少女……と言うべきなのだろうか?
見たところ十代半ばから後半で、おそらくは俺と同年代。容だけを見ればアンより上でシャーリーより下くらいの年頃にも見えるけれど、まとっている雰囲気というか風格が、彼女を少女と呼んでいいのか迷わせた。
というか銀髪って!
白髪でも灰色でもなく、銀だ。木々を見下ろす日差しを受けて鈍く輝いている銀髪だ。実に異世界している髪色だ。実際のところは銀と言うより鉛のほうが合っている感があるけれど、まあ銀髪でいいだろう。
で、そんな銀髪の彼女が身につけているのは和風というか唐風というか、古事記の神様が着ていそうな上着とズボンだ。周りの騎士たちのように鎧を着込んではいないけれど、間違いようもなく男装している。目を惹く銀髪も生え際までぱっつり撫でつけるようにして、後頭部でお団子にまとめてある。
……男装? 本当に? 女顔のイケメン男子ということはないか?
反射的(本能的)に相手の顔から胸へと視線を下げたけれど、そこに明確な答えを具えた膨らみは見て取れなかった……って、さっき騎士の一人が「女王」と言っていたから女性で当然か。
「陛下、お下がりください!」
どこか芝居がかった身振りで女王(?)を下がらせようとしたのは、四十がらみでまだ髪も黒いほうの騎士ビズウィー卿だ。というか黒髪だ。瞳こそ茶色だが、こちらに来てから黒髪は初めて見たような気がする。他の騎士を見てみると、金寄りの茶髪と黒髪が半々ほどのようだった。
ビズウィー卿は俺を指差して、舞台役者みたいに朗々と声を張り上げる。
「あの小僧をよくご覧ください。いくら黒髪黒目で緑色の精霊を従えているといっても、ただそれだけの――ただの小僧ではありませんか!」
はい小僧ですよ、と頷いてやろうかと思った。そうしたらこいつ、もっと真っ赤になって喚き散らしてくれるかな?
……というかそもそも、竜の従者だと名乗ってやる必要はなかったか。ただの村人のふりをして、こいつらの素性と用件を確かめた上で、名乗るかどうかを考えれば良かったのだ。
ラヴィニエに尋ねた流れでつい名乗ってしまったけれど、もっと考えるべきだった。俺は結局、こういうときに緊張して先走る駄目な男なのだ。
「ほら、どうですか! これだけ悪し様に言われて反論のひとつもないとは、あまりに無様。大方、こやつは近くの村にでも住む小僧ですよ。たまたまゴブリンを一匹飼い慣らしただけの!」
「ゴブリンを飼い慣らせる男が、ただの小僧だとは思えなんだが……」
「ご老体、揚げ足を取らないでいただきたい!」
きっと睨まれた髭もじゃの老騎士は、蚕のような眉をゆさりと持ち上げて苦笑している。
「フッカー、ビズウィー……よい」
女王陛下と呼ばれている銀髪の少女は、幾分か苛立った表情で二人の漫才じみた遣り取りを止めると、ようやっと俺のほうに視線を向けてきた。
その視線を受け止めると自然、彼女の顔を改めて、まじまじと見ることになる。
第一印象の通り、大人びた顔立ちだ。そして整っている。可愛いよりも綺麗が似合う、女子校だったらモテモテだろう涼しげな面立ちだ。ラヴィニエもそういう雰囲気の顔立ちだけど、歳の差のせいか、ラヴィニエよりも妖精めいている――ああ、そう感じるのは銀髪のせいもあるのかも。
とにかく、この若き女王陛下はただそこに佇んでいるだけで演劇的だった。視線を向けられるだけで、自分が物語の世界に入り込んだかのような錯覚を抱かせる存在感を身に纏っていた。
「私が彼の者を求めて此方を訪い、斯くして相見えた。この御方が竜の従者様であるとの証明に、それでは足りぬと申すか?」
女王様のお声は、これまた凜とした鈴を鳴らすような――というか音叉を叩いたような、鼓膜の奥へと直接浸透してくる美声だった。
「は……いえ、しかし……」
「ははぁ! 当に、当にその通りに御座います。竜の巫女たる陛下がお求めになったればこそ、ここにこうして竜の従者殿が現れたのでございましょう!」
四十路騎士は苦々しげだったけれど、老騎士のほうは顔面全部を使って感服を露わにしている。
……さっきまでの印象では、四十路騎士より老騎士のほうが良識派のように思えていたのだけど、いまの発言でひっくり返った。女王様が舞台の一枚目なら、この髭もじゃ爺さんは三枚目でござったか……。
「従者様、お疑い申しましたこと誠に申し訳御座りませんでした。御無礼の段、何卒! 何卒ぉ!」
老騎士フッカーはこちらに向き直ったかと思えば、いきなり地面に額ずいて、腹の底まで響く胴間声で謝ってきた。
「いや、謝られても……」
思わず呟いたら、
「おおっ、お許しいただけるのですな! さすがは音に聞こえし竜の従者殿で在らせられまする。寛大なるお心に、このフライル・エィ・フッカー、感服致しましたぞ!」
勝手に許したことにされた。俺は一体、何に怒って、何を許したというのだろうか……あっ、そうか。これはきっと本気で演劇なのだ。自分たちを主役にした演劇に俺を脇役として巻き込むことで、無意識に格付けしてやろうという魂胆なのだ。そうすることで、これから始める交渉を自分たちの有利に運ばせようとしているのだ。つまり、この連中との対話はこれからが本番ということだ。
老騎士は土下座から片膝を立てて跪く体勢になる。他の騎士たちもすぐ、それに倣って膝を折る。
「従者様、改めてご紹介いたしましょう。これに御座しまするは偉大なるレーベン王国が当代女王、ルピス・フィス・レーベン様に御座いまする」
こうして俺はようやく、彼らの中でただ一人だけ立っている銀髪少女の名前を知ったのだった。
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