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貴族になろう
第190話
神薙さんが現れた事で屋台街が凄い盛り上がりを見せ、その熱狂でシャムスも目が覚めたみたい。
『ぴょえ?』
「シャムス起きた? 涎拭こうね」
「涎拭きどうぞ」
「ありがとう」
『みゅぅ』
さっと布を取り出してくれたマシュー君、受け取ってシャムスの口元を拭いて気付いた。
「マシュー君は貴族の養子になったから、こういう事してもらっちゃまずいよね」
貴族の子を使うって何様だよってなっちゃう。
いや、でもシャムスやアー君の為に働くなら特に問題ない?
「問題ありません、貴族になろうが所詮人間なので」
「ざっくり言うと確かにそうだけど」
「イツキ、イツキ、見てこれ新作だって、イカの丸焼き、中にお好み焼きの具が入ってるの」
「斬新」
「ドリちゃん作れるかな?」
「イカ買って帰りましょうね」
もっと食べたいから自宅でも作れって事ですね、問題ないです。
「あ、あの、神薙様!」
「マシューどうしたの?」
「これ、俺の今日のおやつです、鱗と交換してください! 足りないなら――」
「いいよー」
今日のマシュー君はベル君並みに幸運値が高いね。
「え、あ? えぇ?」
差し出した本日のおやつ、フルーツサンド三段重ねが手から消えたと同時にマシュー君の手には光を吸い込むような闇色の鱗が一枚。
鱗をマシュー君に渡した神薙さんは、お好み焼きを丸呑みしてまた料理を捧げる店主達の群れに消えて行った。
「これで全部だね、おめでとうマシュー君」
「あれ?」
「揃えてしまった今、言っても仕方がないのですが……」
前に出て来たママさんが言いにくそうに口ごもっている。
「このクエストは全て揃える必要はないんです」
「早く言って欲しかった! です!」
「言う前に全て揃ってしまったので」
そりゃね、クエストを受けた報告をした直後に揃うとは誰も思わないよね。
「全部揃えた今、マシューのランクはAかまたはSになる可能性があります」
「無理ですから! 俺、そんな高ランクいらない!」
「黒龍の牙と邪神の鱗どちらかを手に入れた時点で最低Bランク、全て揃えたのだからその上のランクになるのは当然です」
「そんなぁ、牙なんてうっかり欠けたのを貰っただけで、鱗はおやつと引き換えなのに……」
「運も実力のうちです」
牙欠けた事あるんだ、一体何を食べたんだろうか、まさかあのたこ焼き? 異世界料理怖い。
『牙欲しいの? これあげる』
『ならば俺は爪をやろう、魔力ぎっちりだぞ』
「きゃるるきゃぅ」
シャムスとアー君に牙と爪を貰って完全に固まってしまったマシュー君の掌の上に、おやつを食べ終えたもふもふズが次々と自分の牙や爪、鱗などを乗せている。
愛されてるねマシュー君!
「っは! 意識飛んでた……って、なにこれぇぇ」
「いつもお世話しているお礼だと思うよ」
「ギルドに行ってきましょう、これ以上ここにいると大変な事になります」
受け取った素材を鞄に詰めさせると、ママさんはマシュー君を連れて再びギルドに向かった。
「ってシャムス、さっき上げた牙ってまさか乳歯!?」
『そーよ』
「そうだと言っている」
「通訳ありがとうアー君、ってそうじゃない、ちょっとお口開けて」
『いーやー』
「歯抜けシャムス…………可愛いぃぃぃ!!」
いーってやってるシャムスが可愛さ無限大!
前歯一本足りないのがまた、ああああんもうかわゆいなぁぁぁ!!
「シャムスがちょっと大人になったー! 獅皇さんや刀雲にも報告しようね」
そしてこの愛らしさを共有しよう、よし今日は騎士様に獅皇さんを呼んでもらって宴会だ!
『ぴょえ?』
「シャムス起きた? 涎拭こうね」
「涎拭きどうぞ」
「ありがとう」
『みゅぅ』
さっと布を取り出してくれたマシュー君、受け取ってシャムスの口元を拭いて気付いた。
「マシュー君は貴族の養子になったから、こういう事してもらっちゃまずいよね」
貴族の子を使うって何様だよってなっちゃう。
いや、でもシャムスやアー君の為に働くなら特に問題ない?
「問題ありません、貴族になろうが所詮人間なので」
「ざっくり言うと確かにそうだけど」
「イツキ、イツキ、見てこれ新作だって、イカの丸焼き、中にお好み焼きの具が入ってるの」
「斬新」
「ドリちゃん作れるかな?」
「イカ買って帰りましょうね」
もっと食べたいから自宅でも作れって事ですね、問題ないです。
「あ、あの、神薙様!」
「マシューどうしたの?」
「これ、俺の今日のおやつです、鱗と交換してください! 足りないなら――」
「いいよー」
今日のマシュー君はベル君並みに幸運値が高いね。
「え、あ? えぇ?」
差し出した本日のおやつ、フルーツサンド三段重ねが手から消えたと同時にマシュー君の手には光を吸い込むような闇色の鱗が一枚。
鱗をマシュー君に渡した神薙さんは、お好み焼きを丸呑みしてまた料理を捧げる店主達の群れに消えて行った。
「これで全部だね、おめでとうマシュー君」
「あれ?」
「揃えてしまった今、言っても仕方がないのですが……」
前に出て来たママさんが言いにくそうに口ごもっている。
「このクエストは全て揃える必要はないんです」
「早く言って欲しかった! です!」
「言う前に全て揃ってしまったので」
そりゃね、クエストを受けた報告をした直後に揃うとは誰も思わないよね。
「全部揃えた今、マシューのランクはAかまたはSになる可能性があります」
「無理ですから! 俺、そんな高ランクいらない!」
「黒龍の牙と邪神の鱗どちらかを手に入れた時点で最低Bランク、全て揃えたのだからその上のランクになるのは当然です」
「そんなぁ、牙なんてうっかり欠けたのを貰っただけで、鱗はおやつと引き換えなのに……」
「運も実力のうちです」
牙欠けた事あるんだ、一体何を食べたんだろうか、まさかあのたこ焼き? 異世界料理怖い。
『牙欲しいの? これあげる』
『ならば俺は爪をやろう、魔力ぎっちりだぞ』
「きゃるるきゃぅ」
シャムスとアー君に牙と爪を貰って完全に固まってしまったマシュー君の掌の上に、おやつを食べ終えたもふもふズが次々と自分の牙や爪、鱗などを乗せている。
愛されてるねマシュー君!
「っは! 意識飛んでた……って、なにこれぇぇ」
「いつもお世話しているお礼だと思うよ」
「ギルドに行ってきましょう、これ以上ここにいると大変な事になります」
受け取った素材を鞄に詰めさせると、ママさんはマシュー君を連れて再びギルドに向かった。
「ってシャムス、さっき上げた牙ってまさか乳歯!?」
『そーよ』
「そうだと言っている」
「通訳ありがとうアー君、ってそうじゃない、ちょっとお口開けて」
『いーやー』
「歯抜けシャムス…………可愛いぃぃぃ!!」
いーってやってるシャムスが可愛さ無限大!
前歯一本足りないのがまた、ああああんもうかわゆいなぁぁぁ!!
「シャムスがちょっと大人になったー! 獅皇さんや刀雲にも報告しようね」
そしてこの愛らしさを共有しよう、よし今日は騎士様に獅皇さんを呼んでもらって宴会だ!
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