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女神の呪い

第806話

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 夢の中なり祈りなりして助けを求めない理由を正直に言います、説教回避したい。
 全責任を召喚決行した人達に押し付け、それで足りなきゃ女神様にも押し付けて、僕はあくまで被害者ポジションを死守したいのです。

 最初の頃に真面目に考えていればいいものを、スローライフ満喫して忘れました。
 日を重ねるごとに言い訳できない状況が積み重なっていきますね、七色の羊とかドラゴニュートとかどう説明するんだよっていうか、獣人の毛並みと健康状態で日々を満喫しているの一発でバレますね!

 知らず知らずに強化された獣人集団、この子達を前面に出して、いかにも自分の身を守るために身辺を強化してました――とか言い訳にどうだろうか。

「ひゃっほーー!」
「アイツ飛ぶの上手くなったなぁ」
「めぇー」
「部下が俺より強くなっちまった」
「俺も飛びたい、翼って気合で生える?」
「とりあえずイツキに祈ってみる?」

 ドラゴニュートに進化したトカゲ君、幸いな事に本人は好評なんだよね。
 陽気な子たちばかりで良かった。

 陽気すぎて僕を含め、悲壮感が一切ない。

「あぁ胃がいてぇ」

 ただしボスを抜いて。

「ボス、諦めて楽になるっすよ!」
「めぇめぇ」
「死ぬのを待つばかりだと思ってたし、こんなダラダラしてたら体が鈍るはずなんだがなぁ」
「鈍るどころか以前より俊敏に動けますよね!」

 それ、僕の謎効果の影響です。
 なんかただいるだけで獣族が強化される不思議仕様、僕を守ろうとすればするほど能力が天元突破に向けて一直線。凄いチートだと思う。

「みんな見てー!」
「ひょー!」
「うおおおお!!」

 どこかへ飛んで行ったと思ってたドラゴニュートが何やら巨大な獲物を抱えて戻ってきた。
 あの形は亀?
 体長10mぐらい、重量もありそうなトゲトゲの亀を片腕で持ってるのですが。

「砂漠ガニ……お前っ、ケガは!!」
「大丈夫です! なんか突撃食らったけどコイツが自爆したんで持ってきました!」

 攻撃力もさることながら防御力も爆上がりしたみたいです、ケガがなくて何よりです。

「鍋やりましょうよ、鍋!」
「解体すっぞー!」
「イツキー、酒くれー、血と混ぜると美味いんだよ!」
「はいはい」

 今夜は宴会かな。
 それにしても最初は人間の監視もあるかと思ったけど、ボス曰く初日で姿を消したらしい、戦況が悪化して僕らに割く人員がないのかもしれないね。

「甲羅割れない」
「ちょっと殴ってみて」
「いいけど、そだれだと血がどばーって出ない?」
「出るよなぁ」
「ボスー、こんなでっかい獲物どうやって解体すればいいのー?」

 我が家ではあのサイズはよく見るけれど、解体作業はドリアンとスラちゃん集団がやってくれるんだよね。
 見て解体の勉強しようとしたことは一応ある、でも皮を剥ぐ作業や首を落とす辺りで視界にモザイクが入るから何も分からなかった。

 一度アカーシャが試しに口頭で説明してくれたことある。
 言葉を理解できないオチがつきました。

「解体も何も、解体に使う道具ねぇだろ」
「あーー」

 いろいろな種族の耳がぺったりとなって可愛い……じゃなくて、可哀想。
 メニュー画面で出せるのは調理済みばっかりだしなぁ、何かアイテムボックスに入ってないかなぁ?

「あっ、果物ナイフならあったよ」

 タイガ特製だからよく切れるよ、僕の手に合わせてあるから獣人さんには小さいかもしれない。

「うわぁ」
「うっわぁ」

 なぜか一斉にドン引きされた。
 なんで?
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