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人相の悪い三人組 1-5

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 俺たちはギルドの食堂に集まっておやつを食べていた。
 ちなみにおやつというのはドーナツみたいなものだった。
 甘くて美味しいのですぐに食べ終わってしまった。

「ああ、食った、食った」
「満足じゃ~」
「お腹いっぱい」
「俺もだ」

 俺たちはお腹をさすりながら幸せを噛み締めている。

「まさかおやつが出るとは思わなかったな」
「ほんまやで」
「ウチもびっくりだよ」
「俺も驚いた」

 講習が終わった後、ギルマズ補佐に聞いたら用意してくれているとのことだったので遠慮なく頂くことにしたのだ。

「まあでも、勉強になったな!」
「そうだな」
「うん」
「確かに」

 俺たちはあの講習を受けて、護衛の大変さと難しさを知った。
 正直、舐めてたところもあったんだけど、それは間違いだと気付かされた。
 だからこれからは今まで以上に真剣に取り組もうと思う。
 それにしても――

「講習を受けに来てよかったな」
「まったくだ」
「うん」
「せやなぁ」 

 俺たちが受けた講習は護衛依頼を受けるために必要なものだけど、それ以外にも学ぶべきことがあった。
 真面目に頑張れば旨いものが食える。
 しかも無料でだ。

「護衛依頼を成功させるために大事なこと、か」
「護衛依頼は目的地まで送り届ける仕事。依頼主がいる以上、失敗は許されない」
「依頼主の安全を守りつつ、依頼を達成させる。それが護衛の依頼」
「つまり、護衛対象に何かあった時点で護衛依頼は失敗する」
「そういうことだ」
「護衛依頼は責任重大や」
「護衛依頼は命懸けの戦い」
「だからこそ、依頼主のことを考える必要がある」
「護衛依頼は絶対に成功させないといけない」
「「はっ!!!おやつ!!」」
「「「……」」」

 俺たちは一瞬の沈黙の後、笑い合った。

「やっぱ俺たち最高だな!」
「おう!」
「当たり前だ!」
「当然だよね!」

 俺たちの息はぴったりだ。だって俺たちは仲間なんだから。

「また一緒に頑張ろうな!」
「おう!」
「もちろん」
「任せて!」

 俺たちはお互いの顔を見て決意を新たにする。

「それじゃあ、明日は朝から出発だし、そろそろ帰るとするか」
「せやな」
「早く帰って寝よう」

 俺たちは席から立ち上がって帰ろうとしたところで――

「お待ちください」

 呼び止められてしまった。
 振り返るとそこにはギルマズ補佐の姿があった。
 なんだろう?

「どうかしましたか?」
「いえ、あなたたち、宿に泊まるお金はありますか?」
「そういえやねぇわ!」

 忘れてたけど俺ら一文無しだった!

「やっぱりですか。あなた達は依頼を受ける前に初心者講習を受ける必要がありそうですね。とりあえず今日はギルドに泊まりなさい」
「いいんですか!?」
「構いませんよ。その代わり、明日から働いてもらいますがね」
「全然大丈夫です!」
「むしろ働かしてください!」
「お願いします!」

 こうして俺はギルドの大部屋に泊まることになった。
 雑魚寝だけど野宿よりはマシだぜ!
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