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夢の異世界転生 1-5
しおりを挟む2ヶ月ほどたった。
俺は日々スケルトン生活を満喫していた……訳でもなかった。
「おーい、新人くん!」
俺のことをそう呼ぶのはギルド職員のお姉さんだ。名前は忘れた。
オフの日に冒険者としてやってきて以来、会う度に優しく接してくれるお姉さんだが、俺にとっては恐怖の対象でもある。
何故なら、細くてふんわり柔らかそうな女の子なのに、使う武器はトゲが特徴のモーニングスター、しかも伸びるタイプでぶん回して俺の同僚を笑顔でぶち殺すんだよこの子。
女の子に抱いていた夢を見事に粉砕してくれた子です。
俺だっていつか彼女を作るつもりだったんだ! でもこんな出会い方したら夢壊れるじゃん!
「なんでしょうか」
「あのね、君のお兄さんのことなんだけれど……」
俺に兄貴は居ない、生前もいない。
この子が言っている俺のお兄さんとは、俺の先輩で先日スケルトンナイトに進化したイケメン骸骨のこと。
「私のこと、なにか言ってなかったかな?」
もじもじと頬を染める姿が可愛らしいですね。
この世界、魔物と人間でも恋愛OKとか神かよ、ただしイケメンに限るってやつみたいだけど。
「いえ特に」
「そっか」
ガッカリした様子の女性。
彼女はどう見ても人間なのだが先輩に一目惚れして、挙句の果てに俺の目の前で告白するという大胆な行動に出た。
当然振られて終わりだと思っていた。だって先輩もてるから告白なんて日常茶飯事、くそっ、俺だってイケメンスケルトンにさえ生まれていれば!
先輩の答えは「私には心に決めた主人がいますので、申し訳ありません」だったのだ。
そのストレートな答えに対し、ハートに何か突き刺さってしまったようです。それ以来、ストーカー行為を働き、掃除スケルトンを脅しては情報入手しようとしたりと結構ヤンデレな感じだ。
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