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episode4 始まりはいつも唐突に

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「主人公、流れで捕まったことにしたけど何も思い付かない。」
episode3から停滞(低落ともいう)状態のトリ頭筆者(頭脳的な意味で)。
「…主人公、釈放していいかな?(中略)とか使って。」
ダメに決まっているだろ。
「ですよねー。」
読者の方々、筆者にツッコミを入れているのは誰だって?自演だ。
「前回の冒頭の文章回収出来なかった都合上、筆者サイド冒頭に来ました。ふざけてないで本編いきまーす。」
…冒頭無しで良かったのでは?

俺、捕まりました。何がしたのかと言えば自分の墓を荒らすという珍行動をとったからなのだが。いくら私物とはいえ、勝手に取るのはまずかった。まあ、「今の俺」の私物じゃないわけで。
「…で英雄様の剣の鞘をとろうとしたわけですね。」
俺をとらえた少女に事の顛末を話すと納得したようだった。
「でも無断ですよね。」
「…うっ。」
「無許可ですよね。」
「…うぅっ。」
「犯罪ですねー。」
反論の余地もない。
「しかし、英雄様の転生者ですかー。何にしても王様と面会した方がいいのではー?」
この娘、俺より幼く見え、間延びしたように話すが事の運びかたが良く分かっている。…いや、「影人」だった俺が社会に関わらずゲームばかりやっていたせいか。コミュニケーションから行動まで常識はずれな気がしてきた。最初から人生をやり直したい。…あ、これ最初からだわ。
「…とりあえず連絡をですねー、って聞いてますー?」
「ごめんなさい、聞いてないです。」
…俺大丈夫かなぁ?

そんなこんなで(投げやり)王様の目の前に来たのだが、事態は急変した。
不気味な黒い影、暴走する王族兵と護衛、槍に貫かれた王様と思わしき人物、遺された王族の悲鳴、低く響きわたる嗤い声。
状況が理解できず、ただ一つ一つの惨状に視界が歪む。その場に立ち尽くす俺と少女。勇者に気づいた影は告げる。
魔王我が主の復活は近い。復讐と征服の始まりを宣告しよう。」
黒いモノたちは去り、残された白は俺の意識を染めた。

「…こんなところか。」
こんなところじゃないでしょ。まだ名前無いのかよ。本編で主人公の名前すら出てきてないんだけど?てかこれ、またやるの?
「あとがきみたいなものだから。これが無いと文字数が…」
冒頭と最後におふざけやって1000文字って本編薄すぎません?あと自演でこんなのやってて虚しくなりません?
「気にしたら負け。せめて誰かが読んでくれることを全力で祈る。」
結局、虚しいのね。
彼は今日も世界を転がしている。
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