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序章
復讐の刻
夏の初め、伯爵だった父が領地視察に向かう途中で賊の襲撃に遭い亡くなると、遺言通りに養子である義弟のルシアンが爵位を継いだ。
ルシアンが最初に行った事は、使用人の選別、解雇で、ほとんどの使用人が紹介状も無く館を出された。
紹介状が無いという事は、何か問題があるという事で、次の仕事を見付ける事は難しく、当然ルシアンに抗議した。
「これまで誠心誠意お仕えして来たというのに、あんまりな仕打ちではありませんか!」
「あまりに突然過ぎます!」
「次の働き場を紹介するか、紹介状を出すべきだ!当主としてあまりに無責任ではないか!」
大声を上げたり、責め立てたりしたが、ルシアンは表情を変える事無く切り捨てた。
「横領、怠惰、仕える家の者に対する非道な行い…
紹介状が欲しければ書いてやるが、おまえたちを雇う貴族はいないだろう。
速やかに出て行けば訴えずにおくつもりだったが、おまえたちはどうして欲しいんだ?」
皆、顔色を悪くし、逃げる様に館を出て行った。
入れ替わる様に新しい使用人がやって来た、人数はこれまでの半分程だったが、特に支障は無かった。
次に、親族たちへの援助の打ち切り。
続いて、わたしの母である伯爵夫人アベラに、僻地での隠居を言い渡した。
母は裕福な暮らし以外した事が無く、大暴れし抗議した。
「私は伯爵夫人ですよ!伯爵家の血も入っていない養子如きが、私に命令するなんて身の程を弁えなさい!
あなたを追い出すなんて簡単ですよ!」
母は自分付きの侍女や家令を呼んだが、この時には既に解雇されていた為、駆けつけて来る者はいなかった。
「当主である僕の命には従って貰います、それがお嫌でしたら、修道院に放り込みますが?」
ルシアンの合図と共に、屈強な男たちが現れ、母を拘束した。この時になり、母は顔色を失くしたが、遅かった。
「い、嫌よ!修道院なんて、あんな薄汚い所、絶対に行きませんからね___!!」
母は口を塞がれ、抱えられる様にして部屋を出された。わたしは「お母様!乱暴は止めて!」と追い駆けたが、人攫いの様にあっという間に馬車に押し込まれ、出発した為、取り付く島もなかった。
母には僅かな生活費と世話係としてメイドが二人付けられるそう。
父が亡くなり、使用人たちのほとんどが代わり、母まで館を出され、わたしの心労は計り知れなかった。だが、ここで弱気になってはいけない…それがルシアンの狙いだ!わたしは気を引き締め、ルシアンの元に向かった。
「あなたが最後です、義姉上」
ルシアンが大きな机の上で肘を付き、白い手袋の指を組む、その口元には何処か楽しんでいる様な笑みがあり、わたしはぞっとした。
分かっていた、これらはルシアンが待ち続けた、楽しい復讐の時間だと___
「まずは、あなたとベラミー伯爵子息ハワードの婚約破棄が無事処理されました」
え?
わたしは考えもしなかった事に、一瞬頭が真っ白になった。
そして、手がブルブルと震え始めた。
「わたしとハワードは、三ヵ月後に結婚するのよ?」
三ヵ月後の為に、準備は着々と進んでいた。何が起ころうと、式が中止される事は無いという程に。
「婚約を破棄したのですから、当然、結婚式もありません、その位分かりますよね?
ああ、ご心配には及びません、ハワードはアリアナ嬢と結婚するそうですよ」
「アリアナ?まさか!彼女はわたしの親友よ!?」
アリアナ=トンプソン男爵令嬢、彼女とは貴族令嬢が通う学校で出会い、今でも仲良くしている。
勿論、わたしとハワードの事は知っていて、話を聞いてくれ、相談にも乗ってくれていた。わたしを通してハワードとも仲良くしていたけど…
「アハハハ!」嫌な笑いに、わたしは「はっ」と顔を上げた。ルシアンの冗談だと思ったのだ。だが、そこには軽蔑を浮かべた薄い笑みがあった。
「義姉上はおめでたい人ですね、あの二人は随分前から浮気をしていたんですよ?
まぁ、こうなってみれば、義姉上の方が浮気相手だったのかもしれませんが…くっく」
「そんなの嘘よ!わたしを苦しめる為に嘘を吐いているんでしょう!」
「義姉上らしいですね、あなたは見たいものしか見ない人だ。
でも、そう思いたいのでしたら、そう思っていても構いません、弱い義姉上には耐えられないのでしょう?
そんな義姉上にとっておきの救済をご用意致しました」
ルシアンの言葉は一々わたしを挑発してくる。
それに救済なんて、する気も無い癖に___!
「義姉上には、ドブロイ伯爵に嫁いで頂きます。
マルクス=ドブロイ、年は五十歳、結婚歴は五回、妻は何れも結婚後三年以内に亡くなっていますし、子もいませんので、気を遣う必要はありません。それに、ドブロイ伯爵家は大変裕福ですよ、良かったですね、義姉上」
わたしは酸欠の様に、口をパクパクとさせていた。
マルクス=ドブロイ、彼は社交界でも有名だ。良く肥えた体でいやらしい顔つきをしていて、生理的に嫌悪する令嬢たちは多い。
だが、見目だけではない、若い女が好きで、サディストで加虐趣味があり、妻や妾は虐待の末に亡くなり、その体には目を覆う様な傷や跡があったという…
「い、嫌よ!」
わたしは叫んでいた。
「お願いよ、ルシアン!これまでの事は謝るわ、わたしたちがした事、全部謝るから!ドブロイ伯爵との結婚だけは…」
恐怖でガクガクと震えるわたしに、ルシアンはスッと冷たい表情になった。
「薄っぺらい謝罪ですね、反省なんて微塵もしていないんでしょう?
それに、幾ら謝られた処で、僕の苦しみは消えませんよ、だからあなた方には、僕と同じ地獄を味わって貰います。
義姉上、これは復讐です」
分かっていた。
いや、分かっていると思っていた。
でも、わたしはこれ程の罪を犯したというの?わたしが何をしたというの!?
確かに、わたしはルシアンが嫌いだ。
だが、それは仕方のない事だ、好きになれという方が無理だ。
わたしの父は、妻と娘に対し無関心で、愛情を持てない人だった。
見掛ける父は常に不機嫌そうな顔をしており、話し掛けようものならば恐ろしい目で睨まれる。わたしは気付くと父が苦手になっていた。
忘れもしない十二歳の冬、一月ばかり家を空けていた父が、銀髪の物憂げな美しい少年を連れて帰って来た。
「ルシアンだ、我が伯爵家の跡継ぎにする!」
誇らしげに宣言した父の目には、今まで見た事の無い光があった。
この時だ、わたしは強い危機感を持った、『こんな子消えてしまえばいい!』そう強く願った。そして、それは母も同じだった。
母は使用人を使い、ルシアンを虐待した。暴言、侮辱は勿論、物を投げつけたり、折檻だと言い、殴る蹴る、鞭打ちもしていた。
二月程経った頃だったか、父がルシアンの傷に気付いた。
「これは何だ!おまえを傷付けたのは誰だ!」
父は激高していた、使用人たちが一列に並ばされ、ルシアンは無言で使用人数名を指差した。
彼等は保身に走り、「奥様の命で逆らえませんでした!」と言い訳したが、「たかが伯爵夫人と次期当主、どちらが上かも分からぬ愚か者は必要無い!」と一蹴され、鞭打ちになり、着の身着のままで館から放り出された。
母も殴られ、「この大馬鹿者!同じ事をしてみろ、おまえなど魚の餌にしてくれる!」と脅された。
以降、母は暴力を止めた、だが、嫌がらせや誹謗中傷は止む事は無かった。
ルシアンの食事に小動物の死骸や虫を入れたり、靴に針を入れたり、部屋の掃除や風呂の用意等を放棄したり、呼び出しを無視したり…
「旦那様に取り入って家に入り込むなんて、流石娼婦の子だね!」
「旦那様に可愛がられてるんだろう?将来は伯爵処か、男娼じゃないか!」
「下男のニックもあんたを抱きたいってさ!」
「早く出て行きなさいよ!ここはあんたみたいな卑しいヤツがいて良い所じゃないんだよ!」
「薄汚い泥棒猫め!」
これは、ルシアンが十四歳になり、全寮制の王立貴族学院に入るまで続いた。
ルシアンがいない間、父も旅に出る事が多かったが、それでも館内は平穏だった。
わたしは近くにある貴族令嬢の通う学校に入り、二年間学んだ。
卒業した年にはデビュタントを済ませ、以前から家同士の約束があったハワードと婚約、正に順風満帆だった。
それが狂い始めたのは、五年制の学校をたった三年で、しかも優秀な成績で卒業したルシアンが館に帰って来てからだ。
館の内は常にピリピリと張り詰め、母の機嫌は悪く、使用人たちは陰口を惜しまなかった。
だが、成長したルシアンはそれを避ける術も身に付けており、全く相手にする事は無く、父の仕事を引き継ぐまでになっていた。
ただ、父のルシアンへの態度は変わった、以前であればルシアンを近くに置きたがる処だが、あまり顔を合わせず、家を空ける事も多かった。
父がルシアンに興味を失くした様で、わたし、母や使用人たちも喜んでいた。
「漸く旦那様も目が覚めたみたいですね!」
「旦那様の気を惹こうと、三年で帰って来たんでしょうけど、残念だったわね!」
「ああ、早く追い出してしまえばよろしいのに!」
父が亡くなるまでそれは続いた___
母や使用人たちが復讐されるのは当然だと思った。
だけど、わたしは内心でルシアンを嫌っていただけだ、常に無視はしていたが、害は与えていない。
心の中では『もっと酷い目に遭えばいい』と呪ったが、それがルシアンに分かる筈はない。
「わたしが、何をしたというの?」
つい、恨みがましく睨んでいた。ルシアンは呆れた笑いを漏らした。
「ほら、あなたは何も分かっていない、そういう所ですよ。
僕が助けを求めた時、あなたは無視をした、だから次は、あなたが助けを求め、無視をされる番です。
同じ立場になれば、きっとあの時の僕の気持ちも分かるでしょう」
ヒュっ
吸い込んだ空気が変に喉を鳴らした。
ルシアンは無言で席を立つと背面にある本棚を動かした、すると奥に部屋が現れた。
「こちらに」
白い手袋の手が優雅にわたしを促した。
行ってはいけない気がした、だが、断る理由が思いつかず、わたしは恐る恐る足を踏み入れた。
「っ!?」
部屋の壁一面、額に入った絵で埋め尽くされていた。
そのどれもが、同じ人物、長い銀髪に青灰色の瞳の美少女だった。
綺麗に着飾った姿もあれば、裸体のものもある…悍ましく、生理的に吐き気がした。
お父様はなんて事を!これ程父に嫌悪感を持った事は無かった。
目を反らそうとしたが、ふと、それに気付いた。
絵の被写体はルシアンの女装である筈だが、性別は完全に女性として描かれている。それに、年齢も少女だけでなく、成人女性のものもある…一体、どういう事なのか…?
「あなたの父親は、以前から僕の母に異常な執着を持っていた様ですよ。
母が駆け落ちした事で縁も切れましたが、どうやって調べたのか、父の葬儀に訪れましてね、母は酷く怯えていました。
母は僕を連れて姿を消そうとしましたが、馬車事故で亡くなりました。
行く当てもなく男に引き取られましたが、男の目当ては母に似たこの《顔》でした。
最初こそ、区別出来ていた様ですが、いつしか僕を通して母を見る様になり、女装をさせ絵を描かせました。ああ、女体は想像の産物ですよ、顔以外僕は理想からかけ離れていましたから、それでも求めて来るのですから病気ですね」
残忍な響きに心臓が締め付けられた。
血の繋がった父親がした事が恐ろしく、そして、悍ましい、無意識に耳を塞いでいた。
「昔話はお気に召さなかった様ですね、自分は関係無いと思っているのでしょう?」
そうだ、わたしは関係無い、全て父がした事だ___
「好きでもない男に組み敷かれるのは、どんな気持ちでしょうね?
想像してみて下さい、巨漢に押さえ込まれ、抵抗も出来ないまま唇を奪われ続ける…
その男を愛していれば羨ましいと思うのでしょうが、愛していなければそれと同じ分、憎しみが沸くかもしれませんね?」
わたしの脳裏に、長い銀髪の少女が見えた。
父が覆い被さりキスをしている、怯える様な瞳と目が合い、わたしは踵を返したのだ___!
「分からなくても大丈夫ですよ、義姉上はこれから嫌という程経験なさるのですから___」
「ルシアン!お願いよ!謝るから!」
わたしは恥も外聞も無く縋ったが、母の時と同じ様に屈強な男たちが現れ、抵抗も出来ないまま馬車に押し込められた。
わたしに持たされた荷物は無く、5日間着替えも出来ず、髪を梳かす事すら出来ず、目的の場所に着いた。
こんなみすぼらしい姿を見たら、ドブロイ伯爵はどんな顔をするだろう?どんな目に遭わされるか…!
恐怖で動けないわたしを、監視役の侍女が急かし馬車から降ろした。絶望に顔を上げたわたしの前には、古い城が聳え建っていた。
「ここは…?」
ドブロイ伯爵の館で無い事は分かった。
「シュレーネ修道院です」
「ドブロイ伯爵との婚儀は…?」
「存じ上げません、オフェリー様をこちらに送る様、申し付かりました」
訳が分からないまま、迎えに来た修道女に付いて行き、思い出して振り返ると、監視役の侍女と馬車は消えていた。
ドブロイ伯爵との結婚は無くなったのだろうか?
それとも、最初から修道院に入れるつもりだったのか?
ルシアンの御情けだろうか?
それでも、いい…
ドブロイ伯爵の妻になる位なら、修道院に入った方が百万倍マシだと思えた。
そう思えば思う程に、過去の自分の罪が重く圧し掛かった。
ルシアンはこんな思いをしていたのね…
わたしはルシアンが嫌いだった。
父の愛情を奪ったルシアンが。
だけど、もう、ルシアンを憎む気にはなれなかった。
◇◇
修道院に入り、二年が過ぎた。
最初は辛い事も多かったし、ハワードの気持ちを聞きたいと願い、泣いて過ごした夜もあったが、それも次第に薄らぎ、『これも運命だったのだ』と受け入れられるようになり、今ではすっかりこの生活に馴染んでいた。
早朝に起き出し、掃除をし、礼拝をする。
食事の支度、洗濯、孤児院での孤児の世話や奉仕活動等々、礼拝、晩餐、早い時間の就寝。
最近、ふとした時、義弟ルシアンを思い出す。
銀髪に青灰色の物憂げな眼をした美青年だったり、長い銀髪の儚げな美少女だったり…
思い出す度に、己の罪で胸が締め付けられる。
ああ、どうか、ルシアンが幸せを掴めますように…
そうでなければ、わたしたちに復讐した意味が無くなってしまう。
やり直せたら、どんなに良いだろう…
ルシアンが引き取られて来た日に戻れたら…
「都合が良いわよね?」
自分でも自嘲してしまう。
ルシアンが聞いたら、きっと『義姉上らしいですね』と嘲るだろう。
何もかも、もう遅い。
わたしたちの罪は、罪のまま残り続ける。
でも、もし願いが叶うのなら、わたしはやり直しの時間を、ルシアンの幸せの為に使うわ___
「シスター・オフェリー、12時の鐘をお願いします」
わたしは鐘楼に向かい、階段を上り、踊り場の様な場所に着いた。上を見上げると高い場所に鐘があり、鳴らす為のロープが垂れ下がっていた。
わたしはロープを握り締め、それを強く引いた。
カラン…カラン…
音色は心地良く、自身の内から浄化されていく気がする。
今日の鐘の音は殊更素晴らしく聞こえた。
カラン…カラン…
鳴らし終わり、「ふうっ」と息を吐いた時、軽く眩暈がした。収まるのを待とうと目を閉じたが、酷くぐらぐらとしてきた。
気持ちが悪い…立っていられない程で、わたしは支えを探し手を彷徨わせたが、崩れ落ちる方が早かった。
意識がプツリと途切れ、次に意識を取り戻した時には、綺麗な部屋のふかふかとしたベッドに寝かされていた。
何故だか見覚えがあり、懐かしい。
「ここは…?」
額に手をやり、わたしはそれに気付いた。
手が…
綺麗だわ…
修道院での生活で、わたしの肌は酷く痛んでいたし、痩せていた。それがどういう訳だか、すべすべとし、美しさを取り戻している。
「どうして?ここが修道院でない事は確かよね?
それに、この部屋は…」
ダントリク伯爵家のわたし、オフェリーが使っていた部屋だ___
序章終わり
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甘めな話になるのは20話以降です。