1 / 21
1 カルヴァン/アマンディーヌ
しおりを挟む◇◇ カルヴァン ◇◇
華やかで賑やかな夜会の中、混じる事無く壁の花となる男がいた。
彼の名はカルヴァン=トラバース辺境伯。
長身で筋肉質の体は、部下に命令する時の様にピンと伸び、揺るがない。
苦労の所為か、その精悍な顔は実年齢の三十五歳よりも格段に老けて見える。その上うんざりとした色まで滲んでいたが、深い碧色の半眼は、油断なく鋭く周囲を観察していた。
警備か護衛か、将又秘密の任務中か?深読みしたくなるが、何れも違っている。
『無駄だな』カルヴァンは内心で嘆息すると、その場を離れた。
テラスに出ると夜風がカルヴァンの体を撫でていった。
中に居るよりも余程気持ちが良い___
普段であれば、パーティ嫌いのカルヴァンがこの様な場にのこのこと来る事はなかった。
カルヴァンを動かしたのは、三年前に隠居した父、前辺境伯の言葉に他ならない。
『カルヴァン、あの子は《まとも》ではないぞ』
『シリルは《まとも》ですよ、今は母親を亡くしたショックが大きいんです』
『それ以前から《まとも》ではないだろう、母親の方が目立っていたから見えなかっただけだ』
『兎に角、シリルはまだ六歳です、そういう子供もいると聞きますよ』
『カルヴァン、いいから早い内に再婚しろ、手遅れになる前に《まとも》な女性に育てさせるんだ』
再婚などするものか!
カルヴァンは拳を石造りの手摺に打ち付けた。立派な造りの為、ビクともしなかったのが救いだ。
女など、もうごめんだ…
カルヴァンの脳裏に浮かぶのは、艶やかでありながら、線の細い女性だった。美しく微笑んだかと思えば、化け物の様に醜い顔になり自分を襲ってくる…
彼女は生前も死後も、自分を苦しめる。
再婚はしたくない、だが、確かにシリルには《母親役》が必要だ。
《父親役》が不甲斐ないからな…と自嘲する。
だが、そんな都合の良い存在がいるとは思えない。鬱々としていた時だ、下から何やら耳障りな声が聞こえてきた。
「シャルリーヌ!わたしがいつ、会場に入って良いって言ったの?」
怒気を含む、キンキンとした声だ。
作法も礼儀も重んじない、若い令嬢はカルヴァンの苦手とする処だった。
避ける為にもどんな令嬢か見てやろうと覗くと、一人の令嬢が突き飛ばされた処だった。
「あんたって、本当に愚図でみっともないんだから!馬車で靴磨きでもして待ってなさい!」
「戯曲の《灰かぶり姫》って、シャルリーヌみたいじゃない?」
「じゃ、帰ったらしっかり灰を被せてあげなきゃ!おーほほほ!」
意地の悪い笑い声が上がり、やがて遠くなった。
「君、大丈夫か?」
カルヴァンは咄嗟に声を掛けていた。
彼女はパッと顔を上げた、薄暗い中でははっきりとは見えない。
「怪我はないか?」
「は、はい…」
弱々しく何とか耳に届く声だ。彼女は俯き、庭の方へ走って行った。
馬車がどうとか言っていたので、馬車置き場だろう。
「シャルリーヌか…」
カルヴァンの周囲には図々しく気の強い女性が多く、彼女の様な慎ましい令嬢は新鮮だった。
戯曲を観ない為、《灰かぶり姫》はピンと来なかったが、想像は付いた。家族から冷遇されているなら、家から出たいだろう。
自己肯定感の低い若い女性ならば扱いやすい、息子も懐くかもしれない、自分にとっても邪魔にはならない…
カルヴァンは素早く計算し、答えを引き出した。
「よし、彼女にしよう___!」
夜空に似たその目に、星が瞬いた。
◇◇ アマンディーヌ ◇◇
「今朝、カルヴァン=トラバース辺境伯から結婚の打診が届いた!」
父のアルマン=グラディエ子爵が興奮を隠さずに告げた。
それも仕方がない、トラバース辺境伯と言えば、先の戦いの功績で王から勲章を贈られた英雄の一人だ。
社交界にはあまり顔を出さないが、騎士らしく逞しい体をし、彫刻の如く男らしく整った顔立ちで、女性たちは皆虜になると噂される人物だ。
その上、辺境伯はかなりの財力を持っているらしい。
少し年は上だが、完璧な結婚相手と言えよう。
「まぁ!素晴らしいじゃない!流石、アマンディーヌね!」
「トラバース辺境伯と縁続きになれるとは、我が子爵家も安泰だな、でかした!妹よ!」
母と兄の喜び様に、わたしはついと顎を上げた。
どうぞ、どうぞ、遠慮なく称賛なさって!その価値はありますもの!
妹のシャルリーヌはさぞ惨めな思いをしているだろうと流し目で見ると、案の定、シャルリーヌは部屋の隅で身を小さくし、俯いていた。残念ながら真直ぐに下りた薄い茶色の髪で顔は見えない。相変らず陰気臭いこと!
わたしとシャルリーヌは一歳しか違わない為、何かと比べられてきた。
わたしは赤毛のくせ毛、シャルリーヌは薄茶色のストレートの髪をしていて、それ以外、容姿に然程違いはない。背格好も同じだ。
だけど、わたしにはそれが気に食わない。わたしが唯一無二のオリジナルだというのに、シャルリーヌがいる事でその価値が下がってしまう。
影の様に付きまとってくるあの子を振り切る為、わたしは日々努力してきた。
わたしはシャルリーヌよりも早く生まれたので、わたしの方が尊重されるべきだ。
部屋は姉であるわたしの方が大きくあるべきで、家具も勿論新品、妹にはわたしが飽きた物を使わせるべきだ。
明るい色合いの派手な服はわたし、渋めの色合いで慎ましい服はシャルリーヌ…これらを周囲に徹底させた。
幸い、わたしはシャルリーヌと違い、カリスマ性があった為、全て聞き入れられた。
成長する程にわたしは美しくなり、反対にシャルリーヌは萎れた花の様に埋もれていった。
年頃になると、結婚相手を考える様になったが、わたしは自分と釣り合う格上の相手が現れるまで待つ事にした。
それが、今日、結実したのだ___!
父を凝視するわたしの緑色の瞳は、さぞ輝いていただろう。
だが、当の父は渋い顔で何やらもごもごと言い、咳払いをした。
「いや…トラバース辺境伯の望む相手は、シャルリーヌだ」
部屋が音を消した。そして、直ぐに、「まさか!」と悲鳴の様な声が上がった。
「アマンディーヌではなく、シャルリーヌですって?」
「辺境伯は名前を間違えているか、人違いじゃないか?」
「いや、パーティでのシャルリーヌの慎ましい姿に好感を持ったそうだ、アマンディーヌではなかろう」
失礼ね!!
だけど、慎ましいなんて、確かにわたしの辞書にはない。
「シャルリーヌは慎ましいんじゃなくて、根暗なだけだわ!辺境伯も直ぐに後悔なさるわよ!」
悔し紛れに言ったが、父は聞き流した様だ。
「シャルリーヌ、おまえにはトラバース辺境伯に嫁いで貰う、用意しなさい」
「はい、お父様…」
シャルリーヌが静かに部屋を出て行くのを、わたしは歯軋りして見ていた。
「あなた!本当にシャルリーヌを嫁がせる気なの?碌に会話も出来ないっていうのに恥を掻くだけだわ!」
「ああ、だが仕方がないだろう、辺境伯のご指名だ」
「全く、酔狂な人だな、辺境伯って」
「何でもいいさ、トラバース辺境伯は王家とも繋がりがある、我が一族にとって願ってもない幸運だ!」
「しかし、シャルリーヌがねぇ…おい、おまえもシャルリーヌを見習って、良い相手を見つけて来いよ、行き遅れるぞ!」
「余計なお世話よ!!」
「そうよ、アマンディーヌには私が良い相手を見つけてあげますからね」
母の言葉は何の慰めにもならなかった。
『シャルリーヌを見習え』なんて言われたのは、生まれて初めてだ、屈辱で怒りの炎が燃え上がった。
わたしは友達も多いし、男性の友人だって多い、そのわたしが、何故、シャルリーヌに負けると言うの!?
「許さない…絶対に許さないんだから!!」
ふと、わたしはそれを思い付いた。
わたしがシャルリーヌとして、トラバース辺境伯に嫁げばいいんじゃない?
わたしとシャルリーヌは背格好が似ている、シャルリーヌの方が少々痩せ型だが、そんなの並んでいなければ分からない。
髪色は少々違うが、しっかり伸ばせばストレートに見せる事も出来る。
パーティで見初めただけで、親しい間柄という訳でも無さそうだし、わたしの話術があれば幾らでも誤魔化す事は出来る…
「そう言えば、お兄様、マリエットが終わったら部屋に来て欲しいと仰っていたわよ」
「マリエットが!そういう事は早く言えよ、父上私はこれで失礼します」
兄が慌ただしく出て行くのを見て、わたしはニヤリとした。兄が居ては邪魔だ、ここは兄嫁のマリエットに惹き付けておいて貰おう。
わたしは両親に向き直り、今立てたばかりの計画を話した。
「シャルリーヌ、わたしが《シャルリーヌ》として、トラバース辺境伯に嫁ぐ事になったわ。
お父様がね、あなたでは《辺境伯夫人》は荷が重い、任せられないと言うの、まぁ、当然よね!あなたってばまともに社交も出来ないのだから。
わたしが上手くやってあげるから、あなたはアマンディーヌとして好きに過ごすといいわ、本を読むなり、花を摘むなりしてね」
シャルリーヌの部屋に突撃し、言ってやると、胸がスッとした。
シャルリーヌは相変わらず陰気臭く俯いていたが、部屋は荷造りの最中で、辺境伯に嫁ぐ気満々だった事が分かる。
案外、こういう子の方が強かなのよね…ああ、嫌だ嫌だ!
どうせ、内心でわたしを嘲笑っていたんだわ!だけど、お生憎様!わたしはあんた如きに負けたりしないんだから!
「わたしだって、本当は辺境伯夫人なんて荷が重いけど、可愛い妹の為なら仕方ないわよね~。
辺境伯は随分お金持ちで王族との繋がりもあるし、男前だと噂だもの、ああ、困ってしまうわ~。
時々戻って来てあげるわね、その時は《辺境伯夫人》だけど、傅かなくて良いわよ、わたしはあなたの姉だもの。
ああ、もう、妹かしらね?おーほほほ!」
最高の気分に酔いしれていると、シャルリーヌが何か呟いた。
「え?何ですって?」
「いえ、《シャルリーヌ》として行くのでしたら、私の服を…」
「ああ、そうね、幾つか貰って行くわ、まぁ、向こうで用意してくれるでしょうけど。
わたしの服は要らないし、あなたにあげるわ、優しいでしょう?」
わたしはシャルリーヌの服を何枚かトランクに詰め、部屋を出た。
◇◇
欲しい物があれば辺境伯が買ってくれるだろうとの算段で、わたしはお気に入りの物だけを荷造りし、シャルリーヌの服を着てトラバース辺境伯領に向かった。
辺境伯領までは馬車で二週間の長旅だ。父から十分に小遣いを持たせて貰っていたので、不便は無かったが、何といっても退屈で日が経つ程にうんざりとしてきた。
「ぐぬぬ…退屈で死にそうー!」
シャルリーヌに成り代わった事を少々後悔したが、これからの悠々自適の生活を思い描き、何とか気持ちを奮い立たせた。
そうして苦労の果てに辿り着いたトラバース辺境伯領は、山脈を背に造られていた。
山手には田園や牧場地が広がっているが、下の方には街もあり、賑わっている様なので安心した。
「田舎じゃなくて良かったー」
わたし的には王都に住みたかったが、贅沢は言えない。それに、王族と繋がりがあるなら王都にも別邸を持っているかもしれない。期待大だわ!
トラバース辺境伯の館は山手の方に建っていた。敷地は広く、館は古いが大きく威厳があった。
「流石、辺境伯の館ね…」馬車を降りて、つい見上げてしまい、『いけない、いけない!使用人に舐められるわ!』と口を引き締めた。
「シャルリーヌ=グラディエ嬢、お待ちしておりました」
執事が扉を開くと使用人たちが並び、迎えてくれた。
子爵家とは規模が違う!わたしは大変気持ち良くなり、ツンと顎を上げて通った。
「旦那様の所へ、ご案内致します」
大きな階段を上がり、広い廊下を進み、案内されたのは書斎だった。
大柄な男が机で何やら書き物をしていたが、ペンを置き立ち上がった。やはり、大きい。身長も大きいが、体もしっかりとしている。そして、噂に違わず…イイ男!!
彫りの深い顔立ち、碧色の目は鋭く、愛想の欠片も無いが、美しさが損なわれる事はない。少し老けて見えるが、父なんかとは違って、ダンディだ。
「カルヴァン=トラバース辺境伯だ。
シャルリーヌ=グラディエ子爵令嬢、良く来てくれた、こちらで話そう」
応接用のソファに促され、わたしたちは向かい合う様にして座った。すると、見ていたかの様に、お茶とケーキスタンドが運ばれて来た。
流石、辺境伯の使用人ね!卒がない、子爵家とはレベルが違うわ…
「君に話しておく事がある」
そんな前置きで始まる話は碌な事が無い…
来て早々に破談になったとか言わないでしょうね?
シャルリーヌを意識して俯き加減でいたわたしは、前髪から恨みがましい目を向けた。
「この結婚は正式なものではない、私が望むのは形だけの妻であり、息子の母親役だ。
白い結婚とし、長くとも六、七年後には結婚の無効を申し出るつもりだ、必要ならば嫁ぎ先を用意しよう。
君が私の期待に応えてくれるなら、相応の対価を約束する、詳しくは書類を見てくれ」
出された書類は一枚では収まらず、三枚に渡っていた。
要約すると、これは契約結婚であり、他に口外しない事、悟られない事。
辺境伯夫人の仕事は最低限必要なもののみで良い、表向きは良き妻を演じ、主には母親として息子シリルの世話と教育をする事。
辺境伯夫人に相応しくない言動、遊び、賭け事、男性関係は控える事、反した場合は違約金が発生する。
婚姻期間中の衣食住の保証、経費は含まない手当の額、婚姻解消に伴う補償金の額…
途中から金額しか見えていなかったわたしは、内心で小躍りしていた。
お飾りの辺境伯夫人をするだけで、こんなに貰えるの!?子爵家での小遣いとは桁が違うわ!
こんな豪邸で贅沢に暮らして、財産まで貰えるなんて、最高じゃない!!
最も美しい二十代を犠牲にする訳だけど、そんな事よりお金よね!それに、彼の紹介なら王族との婚姻だって夢ではないわ!
笑い出さない様に我慢したが、彼はそれを誤解した様だ。
「君に期待をさせてしまって申し訳ない。
君が誠心誠意務めてくれるのであれば、必ず良い相手を見つけると約束しよう」
ええ、あなたには期待しているわ!旦那様♪
「ご期待に沿える様、努めます」
わたしは震える口元を手で隠し、声を落として答えた。
《シャルリーヌ》の真似なんて、簡単よ!
シャルリーヌの存在はずっと目障りだったが、その分、彼女の言動は想像が容易い。
「それでは、息子に会って貰おう」
カルヴァンが手を叩くと扉が開き、年配の乳母が小さな子供を連れて入って来た。
サラサラボブの銀髪、美しい人形の様な顔…美形の父を持つとやはり子も美しいらしい。尤も、父親同様、無表情で愛嬌は無さそうだ。
その美しさよりも目を惹いたのが、彼の瞳だ。長めの前髪から覗く、灰色の右目と赤色の左目…
こういうのを何と言ったかしら?確か、オッドアイ?希少な筈だ。
だけど、他にも呼び名があったような…それを思い出そうと赤色の瞳を見ていた時だ、瞳の奥から黒い靄みたいなものが出て来た。
「んん?」
「どうかしたか?」
カルヴァンは怪訝そうにわたしを見る。
彼には見えていないの?
赤色の瞳から出て来た黒い靄は、今や床に流れ、こちらに向かって来ている。
ギョッとして立ち上がったが、黒い靄は容赦なくわたしの足元を覆い、這い上がってきた。
振り払おうとするも、頭がぐらりとし、体が制御出来なくなり、その場に崩れ落ちた。
「シャルリーヌ!突然倒れるとは、彼女には何か病があるのか?」
人を病人扱いしないでよ!
叫びたいが、どんどん意識が遠くなっていく。
「長旅でお疲れなのでしょう…」
「仕方がない、部屋に…」
そんな言葉を最後に、わたしは完全に意識を失ったのだった。
521
あなたにおすすめの小説
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
【完結】確かにモブ…私モブのはずなんです!
水江 蓮
恋愛
前世の記憶を持つミュリエルは、自分の好きだった乙女ゲームに転生していることに気がついた。
しかもモブに!
自分は第三者から推しを愛でれると思っていたのに…
あれ?
何か様子がおかしいな…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる