【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音

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「ポレット、ロバート、わたしは大丈夫だから、辺境伯邸に帰りなさい」

家令は馬車を貸してくれたが、侍女にポレット、そして護衛にロバートまで着けて来た。
二人が一緒では、とっても困るのよ!!『実家の母を見舞いに帰る』なんて嘘が早々にバレてしまうわ!
だが、若い二人は忠義も篤い…

「いいえ、奥様のお世話をするのが私の仕事ですので、辺境伯邸に戻られるまでお傍は離れません!」
「私も光栄にも奥様の護衛役を預かりましたので、必ずや無事を護ってみせます!」
「でも、実家までは遠いわよ?」
「「遠いからこそです!!」」

真面目な使用人たちでとても幸せだけど、喜べない…

「実は、路銀も乏しくて、二人には不便を強いるかもしれないし…」
「路銀でしたら、私が十分にお預かりしておりますのでご安心下さい!」

家令はわたしに渡す分とは別に、ポレットに渡していたらしい。
全く、抜け目のない家令だこと!!
わたしはもう、反対する材料が無くなってしまい、降参する事にした。

「ありがとう、それじゃ、よろしくね」
「「はい!!」」

二人の声が揃い、わたしは苦笑した。


わたしはシリルを救う為に、奥の手を使う事にした。
奥の手…つまりは、小説【聖なる乙女と七人の騎士】の知識を利用する事だ!

シリルは七歳、となれば、七人の騎士たちも六、七、八歳という処だ。
七人の騎士の内、フレミー侯爵子息のダニエルは、子供の頃に誘拐された過去を持つ。
人身売買の摘発で助け出されるも、記憶を失っていた為、孤児院に入れられてしまい、侯爵家から迎えが来るまで、数年過ごす事になるのだ。

ダニエルが侯爵家に戻るのは八歳の年…
ダニエルとシリルは同年だ、六、七歳の今、迎えは来ていない筈…

まず、ダニエルを保護して、フレミー侯爵家に連れて行き、謝礼を貰う!
それを資金にして、《聖なる石》を買うのだ!

わたしの持ち金、宝飾品とドレスを売ってもあまりお金になりそうにないのよね…
それに、フレミー侯爵家は宝石鉱山を保有しているから、宝石にも詳しいと思うの!

完璧な計画だ。

「ドートゥリシュ領へ向かって」

わたしはダニエルが保護されている孤児院のある領地へと馬車を向かわせた。



「奥様、お尋ねする事をお許し下さい」
「ええ、何かしら?」
「ご実家に急がれなくてよろしいのですか?」

ポレットがおずおずと聞いて来た。
いつ聞かれるかとこちらも待っていた所だ。
わたしは広げた地図に印を付け終わると、顔を上げた。

「実家の母の見舞いの話は、実は嘘なの、騙してしまってごめんなさい」
「ええ!??」
「実は、ドートゥリシュ領の孤児院を周って、人を探さなくてはいけないの」
「人探しですか?それなら、旦那様にお願いした方がよろしいかと…」
「私事なの、だから旦那様や皆には迷惑を掛けたくなかったのよ」

これで話の辻褄は合ったかしら??

「探していらっしゃるのは、もしかして…奥様の隠し子でしょうか?」
「まさか、団長の隠し子…!?」

ポレットとロバートがこの世の終わりの様な顔をしている。若者の純真さが眩しいわ…

「安心して、わたしもカルヴァンも隠し子はいないから。
まだ詳しくは話せないのだけど、その子を見付けて家に送ってあげたいのよ」

ポレットとロバートは《事件絡み》と推測したらしい、表情を引き締めて頷いた。
だが、これで二人の協力者を得られた。
またカルヴァンに叱られるかもしれないけど、その辺は辺境伯邸に帰ってから考えればいいわ。
今、大事なのは、一刻も早くダニエルを見付け、侯爵家に届けてあげる事だ!


ドートゥリシュ領に入り、わたしたちは孤児院を周り、ダニエル探しを始めた。
《ダニエル》という名では見つけられない、記憶喪失なので、恐らく違う名で呼ばれているからだ。
ダニエルの特徴は、茶髪、渋い緑色の瞳、そして、左肩にあるハート型の痣だ。

「年齢は六、七歳、シリルと一緒よ、賢そうな美少年だと思うわ」

《小説》の主要人物の一人だもの、美形である事は確かよね!
それに、ダニエルは学園の生徒会長だから、賢いに決まっている。

だが、各地の孤児院で、特徴を伝えたが、該当する者はいなかった。

「んーー、いませんねぇ」
「こちらも該当する者はいませんでした」
「本当に美少年なんですか?」
「ええ、絶対に、オーラで分かる筈よ!」
「美少年…美少年…」

真剣な顔で凝視していた所為か、孤児たちが蜘蛛の子を散らした様に逃げて行った。

「おかしいわね…絶対にドートゥリシュ領の孤児院なのに…」
「奥様、宿を取りました」
「ありがとう、もう何日か探してもいいかしら?」
「我々は奥様のご意志に従います、何でもお命じ下さい」
「ありがとう」

宿に馬車を預け、わたしたちは腹ごしらえに適当な店に入った。
店の客は仕事帰りの男たちが多く、酒を片手に盛り上がっていた。声が大きく、煩い。
「他の店にしましょう」とロバートが言ってくれて安堵した。だが、店を出ようとした時だ、奥の方で騒々しい音がし、反射的に振り返った。

「このガキが!何でもすると言うから置いてやったんだ!仕事をしないなら、追い出すぞ!」

大男が小さな少年の胸倉を掴み、揺さぶっている。

「止めなさい!子供相手に何をしているの!」

わたしは人混みを分け、大男の方へ向かった。
大男は人相の悪い顔を更に険悪にし、ギロリとわたしを見た。
ふん!そんな事で怯えるとでも思ってるのかしら?こっちには、つよーーーい、護衛が付いてるんだから!

「その手をお放しなさい!その子が死んでしまうわよ」
「フン!こんな薄汚いガキの一人や二人死んだ処で痛くも痒くもねー」

成程、簡単に人を殺しそうだ。

「ロバート!」わたしの声に、ロバートが凄い速さで前に出ると大男の腕を掴み、力を入れた。
「いいいい、だだだだあああ――!!」大男は情けなくも、直ぐに少年を離したのだった。

「大丈夫!?
大変です奥様!酷い怪我をしています!」

ポレットが少年を支え、訴える。少年は気を失っている、顔に殴られた痕があり、酷く痛々しかった。
わたしは腕組をして蔑む様に大男を見た。

「先程聞こえたけど、あなたはこの子の雇い人かしら?」
「ああ、そうだ!」
「この子は奴隷ではないわね、何処かで拾って来たのかしら?」
「フン、宿なしなんて珍しくもねーだろ、おれらはそういうヤツ等に仕事をやってるんだ」

少なくとも、カルヴァンの領地では珍しいわよ!と言ってやりたかったが、我慢した。
ああ!旦那様を自慢したいわ!!
カルヴァンは《呪術アレルギー》が無ければ、とても優秀な領主であり、尊敬される騎士団長であり、良い父親だ。
旦那様の領地では、浮浪者なんてほとんどいないんだから!

「それなら、話は早いわね、この子はわたくしが貰って行きます」
「何を勝手な事を!!」
「この子はここの仕事を嫌がったんでしょう?仕事をする代わりに、置いてやるという条件は満たされていない。
従って、あなたがこの子をここに置き留める事は出来ません、そうよね?」
「あ?ああ??」

大男は頭を捻る、このまま屁理屈で押し切ろう。

「仕事をしない子供を置いていても、あなたに得は無いでしょう?わたくしが負債を負いましょう。
それでは、ご機嫌よう」

わたしたちは皆がポカンとする中、少年を抱えて店を出た。
急いで宿に行き、ベッドに寝かせると、ロバートに医師を呼んで来て貰った。
少年の顔は腫れ、体も殴られたか打撲痕があり、熱まで出していた。
医師が手当をし、薬を出してくれて、安堵した。
シリルと同じ年頃なので、わたしは余計に親身になっていた。

ロバートが食料を買って来てくれたので、わたしたちは漸く食事にあり付けた。
その後は、交代で子供の様子を診たが、薬のお陰か良く眠っていた。
子供が目を覚ましたのは、翌朝になってからだった。

「ひっ!!」

酷い目に遭った所為で、少年は酷く怯えていた。

「安心して、怖い人はいなくなったから、誰もあなたを傷つけたりしないわ」

安心させる様に、なるべく笑顔で優しい声を出した。

「お腹は空いている?」

コクリと頷く。
最初の頃のシリルを思い出し、わたしは微笑んだ。

「口を切っているから、ゆっくりね…あ~ん」

パン粥を掬って、冷まし、小さな口に運んでやる。
片方の頬を膨らませて、もごもごとさせて食べる姿は、ハムスターの様で可愛い。


「おなまえは?家はある?家族は?」

知っておくべき事柄だったが、少年は碌に答える事が出来なかった。

「13番って呼ばれてた、孤児院で…親は知らない、孤児ってそういうものだって」
「そう、孤児院にいたのね…どうして、孤児院を出たの?」
「孤児院のシスターが、変なことしてくるのが嫌だったから…」
「変な事?」
「ベタベタさわってくるから…孤児院を出た子は、外ではたらいてるって聞いたから…
だけど、やっぱり、変なことされて…」

この世界には、小児愛者が多いの??

「そう、でも、もう大丈夫よ、わたしたちと一緒に来るといいわ。わたしの息子の従者なんかどうかしら?」
「従者?」
「身の回りの世話をする人の事よ、わたしの息子は七歳なの、あなたも同じ位じゃないかしら?」
「年は知らない」
「そうね、それじゃ、今日から七歳にしましょう!」

少年が初めて笑みを見せた。
痣だらけで腫れてもいたが、やはり、笑っていた方がいい。
「いたたっ」と本人はダメージを受けていたけど。

「数日はここに居るつもりなの、人を探しているのよ。あなたを危険な目に遭わせたりしないから、安心してね。
あなたを何と呼ぼうかしら…」

茶色い髪、鈍い緑色の目…

「どんな名がいいかしら?」

わたしがロバートとポレットを見ると、二人はじっと、少年を見つめ…

「ダニエル…?」
「ダニエルだ…」

ポレットとロバートは思考が似ている時があるが、まさか、こんな時まで合うとは驚きだ。

「ダニエル?ややこしくならないかしら?」

探している子も《ダニエル》なのに…

「違いますよ、奥様!彼じゃないですか?」
「こちらの方が奥様の探されていた、ダニエルではないかと…」

え???わたしは思わず体を乗り出して少年を見た。

殴られて腫れているから、美少年かどうかは分からないけど…
髪の色、目の色は確かに同じだ。

「あなた、肩に痣がある?」
「うん、女みたいだって、いじめられて…」

少年が恥ずかしそうに肩を出した。
そこには、ハート型の痣があった。

「ダニエル!?あなたが、ダニエルだったのね!??」
「え、わかんない…」
「前言撤回よ!直ぐに出発するわ!ああ、その前にあなたに服を買わなくちゃ!」

盛り上がっていると、ダニエルがもじもじとして言った。

「あの…あなたは、ぼくのお母さんですか?」

その目には期待が見え、わたしは胸がキュっとした。

「いいえ、残念だけど違うの。
でも、わたしはあなたの家を知っているわ、あなたを家に帰してあげる為に、ここに来たのよ!」

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