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本編
9 魔王城
しおりを挟む先の勇者との闘いにより、魔王軍は壊滅、魔王は力のほとんどを失い、闇に紛れ深い眠りにつく事を余儀なくされた。
それから三千年の時が流れ、魔王は徐々に力を取り戻しつつあった。
魔王の眠る地の地底深く、魔王城が形作られていき、嘗ての魔王軍の主力である配下を蘇生させ、そして地より新たな僕を生み出し始めた。
「魔王様!つい先程、地上で大きな闇の力を感知致しました!
この力は、魔王軍四天王、ファザーブル様のものに違いありませぬ!」
嘗ての側近が驚愕と喜びを持ち、勢い良く捲し立てた。
魔王は闇に包まれ、その姿を見る事は出来ないが、赤い瞳が大きく光った。
「流石、四天王の内でも最強を誇る、ファザーブル様にございます、逸早く蘇生され地上を偵察されるとは…
直ちに、動ける者を向かわせ、ファザーブル様との接触を試みましょう」
【ゴォォ…】
魔王の返事は、空洞を抜ける風を思わせた。赤い目はゆらゆらと揺れ、そして閉じられる。側近には魔王が安心している様に感じた。
「ファザーブル殿が魔王様に最高の舞台を整えて下さるでしょう。
その時こそ、魔王様が世界の覇者となられるのです!」
世界は闇に染まり、闇で結ばれ、全てが魔王の一部となる…
その時を思い描き、側近は恍惚とするのだった。
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