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騎士団は面白くない
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「どっかにいい娘いないかなー」
鍛練のあと、騎士団の連中は大概寄り道をする。食堂に行ったり風呂棟に行ったり。
体力に自信があるので侍女の仕事を手伝ったりもする。下心あってのことだ。
「最近、魔術師に差し入れしてる侍女がいるってさ」
「マジで?あんな根暗野郎に良い顔するってどうなのよ。女として終わってねえ?」
笑い声が響いた。
そして静寂。
「……でもさ、あいつら基本給俺らより高いよな」
「俺ら、貴族はともかく怪我したらクビだし」
「魔術師って定年まで勤めてるな……」
「魔力あるってだけでエリートだからな……」
「女もさ、若いうちは見目で寄ってきても結婚相手となるとシビアなんだよな」
だんだんと小声になる。
騎士団は階級があって上司の愚痴を吐き出すために横の団結も強い。
「あー、早く可愛い嫁さんもらいたい」
「でもさ、この娘よりもうちょっといい娘が居るんじゃないかなー、って思うと」
「一人に決められないんだよな」
「わかる」
日頃の鬱憤も冗談も同列に口にする連中だ。
鍛練のあとの栄養補給。
朝だというのに肉を食らう者もいる。
そのなかで野菜ジュースと丸パンという女子めいた注文をした若い団員が先輩に訊ねる。
「実際、結婚はまだいいかなって思うんすけど、自分、フツーに可愛い感じの子が好きなんです。そういう子って、気がついたら誰かにおとされてるんで……。だから次いいなって思ったらガンガン口説こうと思うんっすよ……どうですかね?」
「おお、いいじゃねーか!そうそう、いい娘だなって思ったらいきなり嫁に行ったりするからな。すれてない子ほど、男の影がわかんねえんだよ」
ゆで卵を貪り食いながら筋肉自慢の数人が笑う。
「ちょっと男に慣れてる女なら、付き合うまで焦らしたり迷ってるふりして他の男の反応見たりするんだよな。実際のガードは固くてもさ、期待くらいはさせてくれるんだ」
「そういうの、先輩達は好きでしょうけど、自分、面倒なんですよね。あんまり熱くなるタイプでもないし、さっさと嫁にしたいです」
「お前、食ってるもんだけじゃなくてそこもあっさりしてんな……」
世代か。
「最近、ちょっといいなって思ってるのが第二王女付きのリーゼちゃんっていう……」
刹那、
壁が砂に戻り、屋根が落ちた。
「うわあああ、なんだこれ」
「失礼する」
ローブを翻して屋根を浮かせたのは、魔術師団長。
「な、何が起こったんだ」
砂まみれの騎士団員たちが呆然とするなか、数人の魔術師たちが走ってくる。
「すみません、防御魔術の暴走による、事故がありました。こちらは魔術師団で片付けますんで、どうぞ避難してください」
副団長が落ちてくる砂を消しながら謝ってくるので、騎士団も驚きながらのろのろと動き出した。
団長は片手で魔力を放出して屋根を支えているらしい。
「なあ、魔術師団長の殺気がすごいんだが」
「しかもものすごい高速転移だよな、あれ」
気付いたのは騎士団の中でもベテランだけ。
「ま、セルジオも大変だな。お疲れ様」
騎士団副団長が、ニヤリと笑って団員を追いやった。
鍛練のあと、騎士団の連中は大概寄り道をする。食堂に行ったり風呂棟に行ったり。
体力に自信があるので侍女の仕事を手伝ったりもする。下心あってのことだ。
「最近、魔術師に差し入れしてる侍女がいるってさ」
「マジで?あんな根暗野郎に良い顔するってどうなのよ。女として終わってねえ?」
笑い声が響いた。
そして静寂。
「……でもさ、あいつら基本給俺らより高いよな」
「俺ら、貴族はともかく怪我したらクビだし」
「魔術師って定年まで勤めてるな……」
「魔力あるってだけでエリートだからな……」
「女もさ、若いうちは見目で寄ってきても結婚相手となるとシビアなんだよな」
だんだんと小声になる。
騎士団は階級があって上司の愚痴を吐き出すために横の団結も強い。
「あー、早く可愛い嫁さんもらいたい」
「でもさ、この娘よりもうちょっといい娘が居るんじゃないかなー、って思うと」
「一人に決められないんだよな」
「わかる」
日頃の鬱憤も冗談も同列に口にする連中だ。
鍛練のあとの栄養補給。
朝だというのに肉を食らう者もいる。
そのなかで野菜ジュースと丸パンという女子めいた注文をした若い団員が先輩に訊ねる。
「実際、結婚はまだいいかなって思うんすけど、自分、フツーに可愛い感じの子が好きなんです。そういう子って、気がついたら誰かにおとされてるんで……。だから次いいなって思ったらガンガン口説こうと思うんっすよ……どうですかね?」
「おお、いいじゃねーか!そうそう、いい娘だなって思ったらいきなり嫁に行ったりするからな。すれてない子ほど、男の影がわかんねえんだよ」
ゆで卵を貪り食いながら筋肉自慢の数人が笑う。
「ちょっと男に慣れてる女なら、付き合うまで焦らしたり迷ってるふりして他の男の反応見たりするんだよな。実際のガードは固くてもさ、期待くらいはさせてくれるんだ」
「そういうの、先輩達は好きでしょうけど、自分、面倒なんですよね。あんまり熱くなるタイプでもないし、さっさと嫁にしたいです」
「お前、食ってるもんだけじゃなくてそこもあっさりしてんな……」
世代か。
「最近、ちょっといいなって思ってるのが第二王女付きのリーゼちゃんっていう……」
刹那、
壁が砂に戻り、屋根が落ちた。
「うわあああ、なんだこれ」
「失礼する」
ローブを翻して屋根を浮かせたのは、魔術師団長。
「な、何が起こったんだ」
砂まみれの騎士団員たちが呆然とするなか、数人の魔術師たちが走ってくる。
「すみません、防御魔術の暴走による、事故がありました。こちらは魔術師団で片付けますんで、どうぞ避難してください」
副団長が落ちてくる砂を消しながら謝ってくるので、騎士団も驚きながらのろのろと動き出した。
団長は片手で魔力を放出して屋根を支えているらしい。
「なあ、魔術師団長の殺気がすごいんだが」
「しかもものすごい高速転移だよな、あれ」
気付いたのは騎士団の中でもベテランだけ。
「ま、セルジオも大変だな。お疲れ様」
騎士団副団長が、ニヤリと笑って団員を追いやった。
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