Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

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第三章:スキルの覚醒

32.ドワーフ娘のまっすぐな気持ち

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 大した大会でも無く、実力を伴う戦いでも無かった。
 強さのほとんどはその場しのぎのソードスキル習得と、フィーサの力によるもの。

 それなのに……、
『アック様、ご主人様!! わたしの為に戦って頂けたのですね! わたし、すごく嬉しいです!!』

 いつも賑やかで感情をさらけ出す娘ではあった。
 しかしこんなにも喜びに溢れ、おれに対して近づいて来ることが無かったルティが――!

「ち、近い近い……」

 剣闘場にはすでに人の姿は無く、大したイベントでは無かったことが一目で分かる。
 残っているのは、おれと宝剣フィーサそして、ルティだけだ。

 フィーサは人の姿には戻らず、沈黙を続けているが……。

「ルティは決めました!」
「何を……?」
「アック様を一生支えて行きます!! こんなわたしの為に、責任を果たして頂けるなんて……わたしだけのご主人様に出会えたってことなんです~!」

 責任を果たす……そんなことを彼女に言った覚えなんて。
 正確には、騎士連中に対するけじめのようなものを、勝手につけただけ。

 ルティの為にとは、一言も伝えてはいなかった。
 確かにルティを守るための戦いだったのだが……まさかそういうことか?

「アック様! わたし、ご主人様にわたしを全て~……」
「お~っと……誰もいなくなったことだし、宿に戻るとしようか」
「駄目ですよ~! こんな時間はあまり出来ないのです。ですから、アック様!」
「な、何かな」
「ず~っと、ずっと! ルティシアのお傍にいてくださいっ!! 約束ですよ!」
「……約束」

 何をされるかと思っていたら、素直な気持ちを告白されただけだった。
 ルティとはレア確定で約束された出会い。

 彼女の秘めた飲み物やら何やらで、おれは着々と強くなっている。
 今回の問題は、ルティだけでも片付いたかもしれない。

 しかしやはり彼女を率いる人間としては、そういう意味で責任がある。
 それに気付いたからこその気持ちが、ルティの中に芽生えたのだろう。

「ど、どうですか~?」

 押し黙るフィーサが怖い気もするが、おれに抱きついて来ているルティに返事をせねば。
 純粋な気持ちと感謝の返事をするだけだ。

「も、もちろんだ。ルティとは、そういう出会いをしたからな。一緒にいてもらわないと困――」
「――約束! ですよ~!! ではではっ、お先に失礼します~! アック様」

 えっ……!? 何やら頬に触れた!?
 指で頬をなぞると、口づけされたような……。

 深い意味じゃないと思うが、ご褒美みたいなものかもしれないな。
 あのルティが素直な気持ちを、初めて出した……か。

 も、戻るか。

「ふーん……? イスティさまは、あんな小娘がいいんだ?」
「フィーサ!? え、あれ……」
「鞘に収まってないままで、あんなことを見せるなんて!!」
「あ、後で後で!」
「うん、期待するの~! そうじゃないと、もっと厳しくするんだもん!!」
「は、ははは……も、戻ろう」

 アグエスタで馬車を調達して、次に進むことになるか。
 スキュラが取引しているあの男も気にはなるが、まずはスキル上げをしないと駄目だ。
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