Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

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第七章:見えない戦い

78.緊迫のシーフェル王国

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 巨大タコ、クラーケンを沈めた後、船はようやく王国に入港する。
 港に入ってすぐに賊は縄をかけられ、そのまま牢獄へと連れて行かれたようだ。

「ウニャ~……やっと地面を歩けるのだ」
「イスティさまも小娘も、一体どこに行っているのなの~」
「シーニャ、探しに行くのだ! 王国に行くより、アックを探すのだ」

 シーニャとフィーサのふたりは、元々アックに従ってついて来ただけ。
 それだけにアックのいない王国に進むなど、考えてもいなかった。

 船を降りてすぐに移動しようとすると、リエンスが声をかけて来る。

「お、お待ちください。アックさんを探しに行かれるのは、危険です! 周辺の魔物はとてもレベルが高く、歩けても昼間だけしか――」
「強い魔物がどうだというのだ? シーニャ、魔物怖くない。怖いのは人間なのだ」
「それは……し、しかしまずは国内に入って頂きたく」
「うるさいのだ! アックがいない所に行っても、意味なんてないのだ!!」

 見習い騎士リエンスを押しのけるシーニャだったが、

「あらあら、仕方のない虎娘ですのね。あの方がどこにいるかも分からないのに、やみくもに探すなんて出来るとでもお思いかしらね?」
「お、王女さま、その言い方は……」
「ウゥゥ……! 何なのだ、お前!!」
「口の利き方にお気を付けなさい。ウフフ……どうしても行きたければ、冒険者パーティーに入れてもらうしかないわね」
「ウニャッ?」
「わ、わらわもそう思うなの!」

 元スキュラでもある王女は、船上で協力した冒険者を見ながら微笑んでいる。
 アック以外の人間と初めて共闘したシーニャには、その可能性があると伝えたかったらしい。

「アックに少し似た人間。でも弱い。でも、それでもいい! ウニャ」
「ウフフフ……、それならお早く声をかけて来ないと、行ってしまうわよ?」
「フィーサ、急ぐのだ!!」
「ま、待ってなの!」
「……まだ何かあるかしら?」
「イスティさまに伝えておくなの。何か伝えることは?」
「……どのみち、あの方も王国へ来るはずですわ。その時にでも伝えますわ」

 王女の言葉を聞き、フィーサは急いでシーニャの後を追った。

「さて、リエンス。王国へ参りますわよ?」
「そうしたい所なのですが、まずは近くの村に……」
「――ここまで来て、どうして素直に入ることが出来ないのかしら?」
「それは……」
「港だというのに迎えも無く、それでいて何か緊張が走っているようだけれど?」
「そ、その、王国内の問題もさることながら、共和国がちょっかいを――」
「いいわ。村へ案内して頂くとするわ」
「も、申し訳ございません!」

 何かを隠しているリエンスと共に、王女は近くの村へと向かうことにした。

 ◇

「デミリスが行きたいところって、故郷だっけか?」
「……行きたいわけじゃないけど、帰る場所はあそこしかないから。それに、兄貴にもずっと会っていないんだ。だから……」
「なるほどね。いいぜ? せっかくラクルでパーティーを組んだわけだし、船でも助けてもらったしな! ザーム共和国を通り過ぎても、どうせ戻って来れるだろ?」
「すまないな、ラリー」
「その前に王国に入って、少し休みを――」
『ウニャ~!! 待つのだ~!』

 王国の港から、そのまま王国に入ろうとするデミリスたち。
 彼らの前に、シーニャとフィーサが駆け寄って来た。

「何か俺たちに用かな?」
「ウニャ! シーニャとフィーサ、パーティーに入れて欲しいのだ!」
「妾からも、お願いしたいなの! どうしても、会わなければならないなの!!」
「えぇ? 人探しってことかな? しかし俺らが行くのは、結構危ない場所なんだよ? それにすぐじゃないんだ。見ての通り、魔法を使う彼らを休ませないと大変な目に……」

 魔法を使うのは、ラリーを含めた3人の男女。
 そして剣士デミリスだ。

「ムム……いつ行くのだ?」
「う~ん、魔力が回復しないことにはね」
「船上での魔法を見ていたなの。炎属性以外は使っていなかったなの?」
「使っていないというより、ラリーたちは炎属性に特化してるから……」
「それなら仕方がないなの。王国に入って、さっさと休んで欲しいなの」
「君たちも一緒に来るかい?」
「そうするしかないなの」
「ウニャ」

 パーティーに加わったかはまだ不明としつつも、シーニャとフィーサは彼らの後をついて行くことにした。

 ラリーとデミリスたちが先頭を歩き、王国の門に進もうとすると、突然王国兵が止めて来た。
 
「な、何事です? 俺たちは冒険者パーティーの――」
「冒険者ならば、共和国に行け! 我が王国には立ち入らないことだ」
「どういう――」
「早く去れ! そうでなければ、賊と同じように牢獄行きだ」
「……わ、分かりました」

 緊迫した王国兵に、引き下がるしか無かったデミリスたち。
 王国と共和国に何が起きているのか、シーニャとフィーサには理解することが出来なかった。
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