Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

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第十一章:滅亡公国

183.イデアベルク公国・廃墟住区 ⑤

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 魔力を動力源としたゴーレムは、元が泥人形の割に進化を果たしているように思えた。

 拳でくうを切った時、ブゥンという機械音を鳴らす。
 それ自体は何も問題は無いが、そこから軌道修正させていることに驚く。

 拳による攻撃のほとんどは、胴体や足部分に集中したが魔導兵は全てまともに受けた。
 こちらからの攻撃を避ける程のスピードは、備わっていないらしい。
 
 だが、

「命中率修正……抹殺率低下、低下……魔法攻撃に移行中」
「なるほど、修正能力……いや、学習能力があるわけか」

 貴族を全ていなくさせてからの進化か、あるいは魔物との戦闘で学習したかのどちらかだろう。
 このまま魔法戦闘に移行させても良かったが、遊ぶつもりはなかったので、拳だけでとどめを刺す。

 敏捷性アジリティは高くない魔導兵タイプだったので、懐に入り込んでコアを完全に破壊した。

「ふぅっ……」
「イスティさま、お疲れさま~!」
「大した戦闘をしてないけどな」
「もっと戦うつもりだったの?」
「まぁな。どれくらいのパターンと対応力があるのかを、確かめるつもりだったが……」
「思っていたよりは弱かったんだ?」
「そういうことだな」

 真っ先に近付いてきた魔導兵の実力だけで判断しても、意味がないと感じた。
 恐らく偵察兵だと思われるし、個体数も未知。

 ここで楽しむのは避けるべきだろう。
 
『アックさま、エルフの彼女が気づきましたわ!』

 破壊したタイミングで、サンフィアが目を覚ます。
 時間をかけずに終わらせたのは良かったようだ。

「んぅ……イスティ? 戦いはどうなった? 終えたのか?」
「いや、まだだ」
「我に出来ることがあれば、我に任せろ! 夫の為に動くぞ」

 夫のことはともかく、果たしてこのままサンフィアを連れ歩いていいものかどうか。
 
「イスティさま? 何か気になるの~?」
「……いや、杞憂に過ぎないことだ。それより、フィーサは魔導兵の気配を感じられたか?」
「ううん、ゴーレムだからかもしれないけど、気配は分からなかったよ」
「ふむ……、そうか」
「もしかしたら戦闘に入るまで、気配を感じられないのかなぁ?」
「……」

 おれのスキャンスキルと、フィーサの察知も反応しなかった魔導兵。
 それがあっさり姿を現わし、戦闘に入った。

 こちらから探す手間は省けられたが、何かに反応して近付いて来た可能性がある。
 それが何なのかは不明だし、確かめる手段は無い。

「……アックさま、お耳を――」
「ミルシェ? どうした?」
「お近づけ下さいませ。フフッ、変なことはしませんわよ」

 ミルシェも何かに気付いたのか、小声で話し始めた。

「(サンフィアが怪しいってことか?)」
「(えぇ、正確には彼女が着ているローブにありますわ。何と言っても、バフを得られるレアな防具ですわ。魔導兵が現れたのも、アレに反応したからでは?)」
「(やはりそう思うか。どこで手に入れたのかまでは聞く必要は無いが、彼女を連れ歩くことで魔導兵をおびき寄せることが出来るってことか)」

 おれから離れ、ミルシェは頷いて見せた。

「あ~! ミルシェ、ずる~い!! わたしもイスティさまにフ~フ~したいのに!」
「小娘以下にはまだ早いですわね」
「む~!!」
「何? キサマ! 我というものがありながら、その女とまさぐっていたというのか!?」
「ち、違うぞ! それよりフィア。森林ゲートから出たことがあると言っていたが、居住区のことをどこまで知っていて案内が可能だ?」
「――む? 何だ、道案内が必要だったのか? キサマが先へと進むから、我より知っているものとばかり思っていたぞ!」

 気配を感じられない魔導兵に加え、廃墟エリアを知っているとすれば、彼女に任せるしか無さそうだ。

「おぼろげの記憶だからな。こんな廃墟になった状態の道など、おれには分からないな」
「ならば我が先導してもいいのだな? 魔物が出てきたら何も出来ぬのだぞ?」
「それは心配するな! 魔物がおれたちの所に近づくことは、まず無いはずだ。頼めるか?」
「良かろう! 我の傍を、片時も離れずについて来るがいいぞ!」

 ミルシェは軽く頷いている。
 フィーサは首を傾げているが、サンフィアについて歩けば恐らく中枢にたどり着く。

 魔導兵を殲滅させることが出来れば、魔物がいようと国の再建に一歩近づくはずだ。
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