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第十四章:鳴動の大陸
235.ドワーフ幻獣戦 ②
しおりを挟む「つ、次はボクの番だ! 覚悟しろ、小さき人間め!!」
幻獣ケルピーを呼び出したドワーフが下がり、後ろにいた別のドワーフが前に出て来た。
一人一人で喚べる属性が異なるのか、それとも一人につき幻獣一体なのか。
おれから見てもドワーフたちの方が身体が小さい。
だが彼らは、敵とみなす相手を小さく見ているようだ。
「アックは大きいのだ! お前たちの方が小さすぎるのだ!! ウニャ」
おれに対する文句にシーニャは反論するが、延々とやり取りが続いても困るので教えておく。
「シーニャ! 彼らはドワーフ族だ。身体の大小について返しても無駄だぞ」
「ウニャ? ドワーフ族……ドワーフならここにもいるのだ」
「はえぇっ!? わ、私と同族なんですか?」
「……一応そうだ。まぁ、ドワーフ族は各地にいるから珍しくはないけどな」
「じゃあみんな家族みたいなもの!?」
「さすがにそれは違うだろ」
「どうしてそうなるのだ……ウニャ」
シーニャは呆れてしまっているが、何かしらの繋がりも無くはなさそうだ。
「行くぞ!! 小さき人間!」
シーニャたちと話をしていたら、すでに攻撃の最中だった。
そして、
「ウニャニャニャ!? ここはどこなのだ!? シーニャ、泳げないのだ~!!」
「うぷぷぷ……沈んじゃうぅぅ!?」
「――これは……、幻影? いや、本物の海原か」
「あっぷ、あぷぷ……」
「ルティ、お前は耐水が備わっているだろ。たとえ沈んでも溺れることは無いはずだ」
「そ、そうでした! そうだとしても、うぶぶぶ……」
放っておいてもルティならそのうち上がって来るとして、
「ア、アック、ウニャゥゥ!!」
「シーニャを守れ『霊獣シリュール』!」
「ウニャ!? 何とも無いのだ! ウニャッ!」
「シーニャ、そのまま大人しくしているんだぞ」
防具に潜在する霊獣ではあるが、”守る”ことに関しては言うことを聞く。
シリュールはシーニャを包むように、水の膜で彼女を覆っている。
それにしても見渡す限りの海原だが、これもすでに相手の術中に陥っているということらしい。
恐らくこうでもしなければ、喚べない幻影クラス。
敵のお膳立ては整い、後は幻獣が出るのを期待するだけ。
しかしそうなると、ドワーフたちもこの間は幻獣任せになりそうだが。
「よ、よし、そろそろ戻すぞ!」
どこからか、これを仕掛けたドワーフの声が聞こえる。
声からすると海原から森へ戻すようだが、そうなるとルティはどこかの海に放り出されるのか。
出来ればそれは避けたいが、どこの海か見当がつかない。
そうなればまずはこのドワーフを破って、それからだ。
「……ふぅ、小さな人間が濡れているうちに召喚しないと……」
「随分と大掛かりのようだが、何を喚ぶつもりなんだ? 海という時点でまた水属性の獣のようだが」
「どんどん強くなっていくんだぞ! 小さな人間、覚悟しろ!!」
「……やれやれ」
未熟者の末裔だと、こうも違うのか。
少なくとも今の時点で、派手な男ウルティモのような脅威は感じられない。
「――来い!! え~と、『幻獣フォルネウス』!」
同じ水属性ということもあって、警戒はしていなかった。
だが、
サメかエイに似た巨大な幻獣は、迷わずおれに狙いを定めた。
すでに地面は土に戻っているのにもかかわらず、まるで海原のように向かって来る。
「むっ!?」
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