Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

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第十四章:鳴動の大陸

239.末裔ドワーフ、心酔する

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「あわわわわわ!! ア、アック様っ、やばいですよ! サラマンダーですよぉぉ!?」

 シーニャを抱えながら離れた所でルティが慌てている。
 おれよりも熱耐性がある彼女が焦りだすとは、あれが高位の精霊だということを理解しているようだ。

「ルティシア! おれの心配をしないで、シーニャを頼むぞ!!」
「は、はいっっ!」

 ルティの場合、おれの強さに関係無く焦りと戸惑いを見せる。
 それだけ心配してくれているのだろうが、最早どんな幻獣が現れても問題無い。

 幻獣として召喚された魔神フォルネウスを完全に屈させたことで、さらに獣に対する支配力が上がった感覚を覚えた。

 まして火の精霊竜となれば、なおさら支配しやすい。
 それでもまずは、幻獣自身に気付かせるためにも、まともに攻撃を受けてやることにする。

「小さき人間め、喰らえっ! 『バーストフレア』!!」
「――うっ!? 爆発火炎か!」
「今さら焦っても、もう許さない!! 全て焼き尽くすからな~!」

 小さな女の子にしか見えない召喚ドワーフは、精霊竜サラマンダーに命令を出し、こちらに向けて攻撃を開始した。

 サラマンダーが吐き出した炎は、おれが放てる爆発魔法とは別の炎だ。
 
 これに対し一応は動揺を見せまともに喰らったが、火神アグニの力を有しているおれには、熱くも痛くも無い。

 精霊竜の炎は魔法とは異なるが、それに限らず攻撃そのものが意味を為さなくなった。
 だがドワーフから見れば、焼き尽くしたように見えているはず。

 それなら、サラマンダーにもどちらが主人なのかを示すために、この炎をさらに高めることにする。

 ◇◇

「……や、やった!! フォル、ルピ! やっつけたよ~! 見てみて、炎が消えることなく燃え上がっているよ~!!」
「す、すごい……やっぱりサラの幻獣はすごいや!」
「ボクのフォルネウスがぁ~……」
「いつまでもめそめそしない! 今のうちにフォルネウスを帰還させようよ~」
「「そうだ、そうだよ!」」

 五人の召喚ドワーフたちは、爆発火炎がしずまるのを待ちながら、炎を前に喜びを露わにしている。

 フィーサが突き刺さったフォルネウスを帰還させる。
 そう思ってその場から離れようとした時、ドワーフたちは火炎の様子がおかしいことに気付く。
 
「ね、ねぇねぇ、サラマンダーを帰還させないの?」
「ボクもそう思ってた。ねえ、サラ……早く帰還させようよ。そうしないと森が無くなっちゃうよ」
「――命令……言うことを聞いてくれない。何で、何で……」
「「早く、早く!」」
「そ、そんなこと言われても、どんどん火の勢いが強くなって……」

 ◇◇

 瞬間的反応で、幻獣サラマンダーはおれの火力の勢いに屈する。
 その時点でおれへの攻撃を収めようとしていたが、意思に反応した精霊は炎を乗じさせてくれた。

 これもリングの効果のおかげらしい。
 ガチャで出したシンヴォレオリングの効果には契約効果アップがあり、幻獣効果アップが含まれている。

 強さを示したうえでの効果だとすれば、ガチャ装備によるところが大きいと言える。

 それにしても、水装備の恩恵があるとはいえ、全く熱くない。
 外側から見れば、何もかも燃えてしまったように見えるのだが。
 
 ドワーフたちからは、完全におれの全てを燃やし尽くしたと判断して気を抜くことだろう。
 案の定、おれから見える光景は、炎が鎮まるのを待っていたドワーフの姿だ。

「はぇぇ~……アック様、アック様~? まさか炎に包まれたまま出て来られないんですかぁぁ?」

 森を全て焼き尽くしかねない爆炎の中、熱に強いルティが近くをうろうろしている。
 それもシーニャを抱えたままで。

 シーニャには影響を与えたくないのだが、心配が過ぎたルティには気付けないようだ。
 そろそろ頃合いか。

 おれは上空にまで上がらせた炎の柱を見せつけながら、ドワーフたちが立ち尽くす所に近づいた。

「えっえぇぇぇ!? ど、どうしてサラマンダーが言うことを聞かないの……」
「わーわーわー!! 炎の壁が迫って来る、迫って来るよぉぉぉ!」
「「「どうしよ、どうしよう~!!」」」

 召喚末裔ドワーフたちは、見た目通り子供のようで慌てふためいている。
 そんな状態の中で姿を現わせば反抗心を高めそうだが、そうすることにした。

「――悪いが、サラマンダーも炎も制した。どんな抵抗も、おれには及ばないぞ。警戒を解け!」

 ドワーフの子供相手に言うことでも無かったが、炎を打ち消しながらおれは姿を見せた。
 精霊サラマンダーはおれの肩に乗り、フォルネウスとケルピーは、両脇に存在を示している。

 ドワーフの幻獣を全て支配して奪ったと思われても不思議はないが、反応は意外なものだった。

「ス、スゲー! 小さな人間、小さくない!! もしかして大召喚術師?」
「「「「大召喚術師! 大召喚術師!!」」」」

 怖がっていたドワーフたちの目の色が変わり、急におれを心酔し始めた、
 大召喚術師でも何でもないんだが。

「……アック様って、大召喚術師だったんですねぇ~」
「いや、違うんだが……まぁ、いいか」
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