Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

文字の大きさ
286 / 577
第十六章:エンシェント・エリア

286.覚醒解放者からの伝授 後編

しおりを挟む

 伝授ということは、ルティたちに課した試練のようなものをおれにもするのか。
 今のおれに、今さら別の覚醒を授けるというのはどうなのだろう。

「その考えには疑問を浮かべますよ、アック様」
「――えっ?」
「強くなり、最強となったからといって、自分だけよければいい……その考えに同意出来ません」

 まさか、心でも読まれたのか。
 エルフの中にはそういう能力がある者もいると聞くが、迂闊に考えられなくなりそうだ。

 ネローマさんの隣に立つリリーナさんも油断出来ないし、ルシナさんもそんな感じがある。
 要するにネーヴェル村と関わりがある者には、特別な力が備わっているということなのだろう。

「そんなつもりじゃ……」
「アック様に試練を受けさせたのには、そういう側面もあるのです。お心当たりがあるのでは?」

 ルティやシーニャのことを言っていそうだな。
 彼女たちには、何度か危ない目に遭わせたことがある。

 しかしいずれも救い出せているし、大きな問題にはなっていないはずだ。
 
 ただ、これから戦う敵に関しては危機的状況に陥るかも不明だし、そうならない場合の戦い方もまだはっきりとは決めていない。

 恐らく長期的に見てのことを言っている。

「まぁ、それなりに……」
「今回、ネーヴェルが手を貸した覚醒についてですが、今後はアック様の方からして頂ければと思っています」
「――! 魔石では無く、彼女たちの覚醒を?」
「そうです」

 これはまた、何とも突拍子も無いことを言われたものだ。

 魔石に関しては使った分だけ成長することが分かっているが、彼女たちとなると勝手が違う。
 そんなスキルは備わっていないし、魔石支配でさせるやり方も気に入らない。

「おれにそんな特別な力はありませんよ?」
「ええ、今は確かにそうです。ですが、それを今から伝授致します。アック様にそのご覚悟がありましたら、いつでも始めたいと思います」

 これがおれへの試練ってやつか。
 そしてこの村に来させた最大の目的がこれらしい。

 現状、ルティとシーニャは眠っている。
 サンフィアは恐らく、戦いの基本を身に着けている最中なのだろう。

 ミルシェはこの場にいるが、特に何かをされるわけでも無い。
 そうなると、おれしか出来ないことが待ち受けている。

 強くなる以上に覚醒をも施せるようになるとか、とんでもないことになりそうだ。

 しかしそれをすることによって、ルティが敵の手に落ちることが無くなるのであれば、受ける必要は十分にある。

「おれはいつでも構いませんよ」
「……頼もしいお言葉です。それと力を目覚めさせた時には、アック様が持つ"錆びた剣"も覚醒を果たすことになるでしょう」
「錆びた剣? それって、ガチャで出した――」
「使い道に困っているあの剣のことです。お忘れですか?」

 そういえばすっかり忘れていた。
 捨ててはいなかったが、どこにやっただろうか。

 そもそも両手剣であるフィーサがいるし、片手剣でしかも錆びている剣をどう使えばいいのか、ずっと分からない状態で来ていた。

 まさかそれが覚醒によって使えるようになるなんて。

「そ、そんなはずはありませんよ。それで、覚醒する為の伝授というのは?」
「ではこれをどうぞ!」
「はっ? えーと、これって……」
「特製ドリンクです。ルティシアから、いつも飲まされていますよね? それと似たものです」

 ネローマさんから手渡されたのは、いつもルティに渡されていた大きめの瓶そのものだった。
 そういえばここは薬師の村だったか。

 つまり、ルティにとっては第二の故郷のような村になる。
 ルティが作る特製ドリンクは全体的に甘い味が多かったが、これはどんな味になるのか。

「じゃ、じゃあ、遠慮なく……」
「わたしたちはアック様のご無事を祈っております。お戻りになるまで、洞穴で待つとしましょう」

 いつもはルティが無理やり流し込んで来るが、今回は自ら飲まなければならない。
 どうせ甘いものだろう、そう思って一気飲みをしたが――。

「無事を? どういう意味で――うっ!?」

 これは何だ――。
 劇毒いや、毒よりも禍々しい感じがする。

 とてもじゃないが、一気飲みをして後悔するほど、恐ろしく不味くて激痛が走る液体だ。
 魔法や近接物理ではダメージは受けないが、これは体内から来る痛みになる。

「がぁっ――!!! うぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ……じょ、冗談だろ……く、くぅぅぅぅ――」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

処理中です...