Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので好き勝手に生きます!

遥風 かずら

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第十九章:帝国の望み

381.シンザ帝国の使者

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 ドワーフの少女を連れて、おれたちは森の外れの教会にやって来た。先にたどり着いていたピティラスの姿は外に無く、中にいる可能性が高い。

 旧グライスエンドにあって、何故か教会だけが朽廃きゅうはいじゃない状態で残っていたのは驚きだ。状態の良さを一目見たことで、ようやくここで起きたことを思い出すことが出来た。

「あの時は確か、フィーサをメインで戦ったんだったか?」
「ですです! わたしとシーニャとで応援していましてですね~」
「ウニャ? 何のことなのか分からないのだ」

 ルティは鮮明に憶えているようだが、シーニャにとってここでの記憶はそれほど重要では無かったようだ。

「とりあえず中に進もう」

 罠かどうかはともかく、仮に仕掛けられていたとしても容赦なく斬るのみ。それはそうと、さすがに錆びついた扉を押した時には、不快な音が響いた。

「遅かったですね。――あぁ、帝国の"証"を見つけられたのですか。それなら話はすぐに済むことでしょう」
「証? どういう意味だ?」

 帝国という言葉も気になるが、証と言った時の視線がドワーフの少女に向けられていたのも妙だ。

 この教会で戦ったことは思い出した。しかし、ドワーフの少女が何に関係しているのかまでは不明なままだ。

「証を連れて来たことを認め、ワタクシが何者かをお教えしましょう」
「ドワーフの少女が何だと言うんだ……」

 ヴィレムとの戦いの最中でも、ピティラスは最後まで姿を晒すことは無かった。それがまさか、ドワーフの少女によって明かされるとは。

 深々とフードを被り視線以外を隠していたピティラスが、正体を現す。

「ワタクシは人間と吸血鬼の混血種、ダンピール。ヴァンピール族を探しヴァンピールを殺せる力を備えておりますが、ワタクシは強化することを特化された存在。そしてシンザ帝国の使者でございます……」

 灰色の長い髪に漆黒の瞳、そして全身を隠すような黒の鎧は者であると認めたようなものだ。

「シンザ帝国? 世界がどれくらい広いのかまでは知らないとはいえ、初めて聞く名だな」
「わたしもさっぱり聞いたことが無いですよ~」
「ドワーフに関わりがありそうなのにか?」
「そう言われましても~」

 ルティの場合、ガチャによる召喚でロキュンテから呼べた娘だ。それが無ければ外に出ることも無かっただけに無理も無いか。

 もっとも母親であるルシナさんは、おれのガチャによって出会うことを予期していたらしいが。

「帝国は広い大地に異なる国々、異種族を支配下に治めた地。支配している皇帝により成り立っているのでございます……ワタクシは皇帝のめいによる使者であり、アック・イスティさまを迎える者でございます」

 帝国の皇帝がおれを迎えるとか、そんなことがあり得るのか。確かヴィレムと初めて戦った時は、そこまで接触をされなかったと記憶している。

 それが何故今になって現れたのか。

「……おれの力が上がるのを待っていたってことか? その為にヴィレムと行動を?」

 ザーム共和国の連中とは別にヒューノストに来ていたとはいえ、随分と遠回りなことをするものだ。煩わしい行動をするのも皇帝の為だったのだろうか。

「ヴァンピール族のヴィレム。あれも初めは人間が大半でございましたが、共和国に心酔後、そこにいた薬師によりアンデッドと化したのでございます」

(そういうことか。少なくとも、ラクル周辺で遭遇した時は人間だった。薬師イルジナが元凶か……)

「共和国では無く、ヴィレムについていただけってわけか。帝国の企みはおれの力か?」

 ヴィレムに強化をしていたが、最後の強化は間違いなく呪術を施していた。そうでなければ、いくらハイブリッドなヴァンピールでも理性を失うことは無かった。

 恐らくあの戦いで、おれを帝国に連れて行くことを認めたうえでの呪術強化だったに違いない。

「ウニャ……アック、どうするつもりなのだ? このままソイツについて行くのだ?」

 イデアベルクからヒューノストに来た時、襲われていた人たちと騎士の救出は想定していなかったが、元々は呪術をかけた奴を探すのが目的だった。

 成り行きとはいえ、ミルシェとフィーサ抜きに先へ進むのは嫌な感じだ。

「アック・イスティさまのお力……満たされたその力を皇帝は望まれておりましょう」
「――なるほどな。だが……」

 未知の大地に行くとなれば、やはりあの二人が必要になるがどうすればいいのか。

「あなたさま次第でありますが……どうやらお仲間が気になるご様子。イデアベルクに戻られますか?」
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