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異変
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「失礼します。カルミアです。」
「入れ」
コランに一通りの話を終えた後、私はお父様から呼び出され、お父様の仕事部屋へ向かった。
入って来た私をチラリ少しだけ見たと思ったら何事も無かったかのように、書類へ目を落とし、ぶっきらぼうに
「お前へ婚姻の申し込みが来た一か月後だ、式の準備は私の方で整えておく」
何のまえぶれもなく、私の結婚話を持ち込んできたため流石に少し動揺したが、姫と言う立場上政略結婚は当たり前、さらに式の準備と言う事は断る権利は私には無いと言う事だろう、私はいろいろ聞きたい事があるが、まず第一に、
「どなたですか?」
「相手はモクレン帝国の第5皇子だモーリス・エル・モクレン殿だ、こちらに婿養子として来る事になる、まぁ婿養子とっても相手はΩらしいい」
モクレン帝国、近年発展が目覚ましい帝国で、主に魔法技術に長けている事で知られている。
元々、我が国は魔法をそこまで重視していなかったのだが、近年諸外国では、魔法を使った産業が盛んになりつつあり、我が国は出遅れてしまっているので、今回の見合い話は、国にとって渡りに船なのだろう。
「かしこまりました、国王陛下仰せのままに」
と深くお辞儀をした後、私は部屋を後にした。
正直この結婚話は、少しほっとしていた、コランのお母様の件があってから、私は他国からきた要人の接待を任されており、この仕事は正直気に入っているので、今嫁いでしまうとその仕事が出来なくってしまうのは出来るだけ避けたかった。
なので、自分の都合のいいように事が進んでいるので小躍りしそうになるが、これは政略結婚、私情を挟んではいけない。
だが、嬉しさでニヤけそうな顔を手で隠しながら、自室に戻ろうとしていると
「姉様?」
コランが、私の部屋の前で待っていた。
「コランどうしたの?こんな所で?」
「姉様とのお話もっとしたくて、ダメでしたか?」
「いいえ、私もコランとお話したかったの」
私がそう言うと嬉しそうに私の部屋に入ってきた。
私は、コランを自分のベットに座らせると、不思議そうな目で
「姉様、何かいい事あったのですか?」
「え?どうしてそう思うの?」
「いえ、嬉しそうな表情をしていたので」
無意識に顔に出てしまったのかと思い恥ずかしくなるが、弟には嘘をつきたくは無いので正直に話す事にした。
「実はね、私結婚が決まったのよ」
コランは一瞬驚いた表情を見せた後、
「……姉様の嘘つき」
「え?」
コランは俯きながら、何かを呟いたが聞き取れず私は聞き返すと
「姉様は僕を置いて行かないって言ったのに!」
「こ、コラン!?」
コランの目に大粒の涙が頬を伝う、その涙を見て私は動揺し、どう声をかけていいか分からなくなり混乱した。
「姉様!ずっと僕の側にいるって約束したのに!」
「だ、大丈夫よ、嫁ぐ訳でも無いから、いつでも会えるわよ?」
「嘘だ、姉様は僕を置いて行くんだ……そうやって僕を一人にするんだ!」
コランの様子が明らかにおかしい、私はどう声をかけていいか分からず右往左往していると、
「嘘つきの姉様なんて知らない!!」
「ッ、……コラン!」
そう言って、コランは私の部屋から飛び出して行った。
私は呆然としてしまったが、ハッと我に返り、コランの後を追って私も部屋を後にした。
「入れ」
コランに一通りの話を終えた後、私はお父様から呼び出され、お父様の仕事部屋へ向かった。
入って来た私をチラリ少しだけ見たと思ったら何事も無かったかのように、書類へ目を落とし、ぶっきらぼうに
「お前へ婚姻の申し込みが来た一か月後だ、式の準備は私の方で整えておく」
何のまえぶれもなく、私の結婚話を持ち込んできたため流石に少し動揺したが、姫と言う立場上政略結婚は当たり前、さらに式の準備と言う事は断る権利は私には無いと言う事だろう、私はいろいろ聞きたい事があるが、まず第一に、
「どなたですか?」
「相手はモクレン帝国の第5皇子だモーリス・エル・モクレン殿だ、こちらに婿養子として来る事になる、まぁ婿養子とっても相手はΩらしいい」
モクレン帝国、近年発展が目覚ましい帝国で、主に魔法技術に長けている事で知られている。
元々、我が国は魔法をそこまで重視していなかったのだが、近年諸外国では、魔法を使った産業が盛んになりつつあり、我が国は出遅れてしまっているので、今回の見合い話は、国にとって渡りに船なのだろう。
「かしこまりました、国王陛下仰せのままに」
と深くお辞儀をした後、私は部屋を後にした。
正直この結婚話は、少しほっとしていた、コランのお母様の件があってから、私は他国からきた要人の接待を任されており、この仕事は正直気に入っているので、今嫁いでしまうとその仕事が出来なくってしまうのは出来るだけ避けたかった。
なので、自分の都合のいいように事が進んでいるので小躍りしそうになるが、これは政略結婚、私情を挟んではいけない。
だが、嬉しさでニヤけそうな顔を手で隠しながら、自室に戻ろうとしていると
「姉様?」
コランが、私の部屋の前で待っていた。
「コランどうしたの?こんな所で?」
「姉様とのお話もっとしたくて、ダメでしたか?」
「いいえ、私もコランとお話したかったの」
私がそう言うと嬉しそうに私の部屋に入ってきた。
私は、コランを自分のベットに座らせると、不思議そうな目で
「姉様、何かいい事あったのですか?」
「え?どうしてそう思うの?」
「いえ、嬉しそうな表情をしていたので」
無意識に顔に出てしまったのかと思い恥ずかしくなるが、弟には嘘をつきたくは無いので正直に話す事にした。
「実はね、私結婚が決まったのよ」
コランは一瞬驚いた表情を見せた後、
「……姉様の嘘つき」
「え?」
コランは俯きながら、何かを呟いたが聞き取れず私は聞き返すと
「姉様は僕を置いて行かないって言ったのに!」
「こ、コラン!?」
コランの目に大粒の涙が頬を伝う、その涙を見て私は動揺し、どう声をかけていいか分からなくなり混乱した。
「姉様!ずっと僕の側にいるって約束したのに!」
「だ、大丈夫よ、嫁ぐ訳でも無いから、いつでも会えるわよ?」
「嘘だ、姉様は僕を置いて行くんだ……そうやって僕を一人にするんだ!」
コランの様子が明らかにおかしい、私はどう声をかけていいか分からず右往左往していると、
「嘘つきの姉様なんて知らない!!」
「ッ、……コラン!」
そう言って、コランは私の部屋から飛び出して行った。
私は呆然としてしまったが、ハッと我に返り、コランの後を追って私も部屋を後にした。
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