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13.結婚できない
長いドレスの裾を引きずりながら、廊下を駆け下りると目を丸くして驚く村人たちの間を縫って、外に飛び出した。行き先など頭になくただ限界まで速く走って、できるだけゼノスさんから遠くへ行きたかった。
裸足のままひたすら走って……息を荒く継いで、もうこれ以上は動けない限界まで走り続けてとうとう道は行き止まりになった。
目の前には大きな湖があった。
深い青い水はゼノスさんの瞳を思わせた。
彼はどれだけ驚いただろうか、結婚するつもりのない女が、ウエディングドレスを着て待っているなんて。
彼は私に思わせぶりな事を言ったこともない。好きだとか、一緒にいたいとか……
結婚して欲しいとか……
ゼノスさんと私の間に何の約束も無かった。
初めから分かっていたことなのに、私が村人の言葉に流されて、自分の都合のいいように思いこんだだけ。ゼノスさんは私との結婚なんて望んでなかった。
恥ずかしい……消えてしまいたい。
湖に近づいていくと、水際は泥でぬかるんでいた、そのまま足を進めて浅瀬に入って行く。
なんという馬鹿者なのだろう私は……
「ココ!」
叫び声が聞こえて振り向くと、ゼノスさんが走って近づいてくるのが見えた。
取り乱した様子で何度も私の名前を叫んでいる。あっという間に側までくると、私の腕を力強くつかんだ。
「何をするつもりだココ!」
何をする?
足首が水に浸かっている。自分が今どこにいるのだろうかと考えた。あれ? 私は湖に入ろうとしている。
ゼノスさんが心配そうに顔を覗き込んでくる。大きな固い手が伸びてきて、私の頬をぬぐった。旅の間、傷つくあなたが心配で何度も泣いた、その度にこうしてあなたの手が私の涙を……
私今泣いている? 駄目だ泣いたりしたらゼノスさんを困らせる。
湖から出ようとして、足に水を含んだドレスの裾がからまって上手く歩けなかった。裾を持ち上げようとして、泥を吸って茶色く汚れたスカートに気付いた。
「どうしよう! ドレスが汚れてしまった。これはナッソスさんのお母さんの大切なドレスなのに。皆さんが一つずつ花を付けてくれた特別なドレスなのに、ああ、どうしよう、どうしよう……こんなに泥だらけになって……結婚式ができなくなってしまう……違うそうじゃない、初めからドレスなんて着てはいけなかったのに、こんなにも綺麗なドレスを……ああ、どうしよう、私はなんて馬鹿なことを……」
歩こうとして足が動かず、転びそうになってゼノスさんにしがみついた。抱き止められて、爆発するような情けなさに襲われた。
ゼノスさんに謝らなきゃいけないのに、私は抱き付いてる。早く離れなきゃ、触ってはいけない人なのに、どうしよう。
もうどうしていいか分からない。村中の人が楽しみにしていたのに、あんなに一生懸命に準備してくれたのに、全部無駄にしてしまった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ゼノスさんは私と結婚したいなんて1度も言ったことは無いのに、私が勝手に勘違いしたの」
涙が止まらない、泣きたくないのに、ゼノスさんをこれ以上困らせたくないのに。
泣きながら「ごめんなさい」と叫び続けた。
ゼノスさんから離れようともがくのに、ドレスが重くて動けない。増々強く抱きしめられてしまう。
「ごめんなさいゼノスさん。間違えてしまったの、私が馬鹿だから、どうしようもない馬鹿で、なんて間違いを……ごめんなさい、ごめんなさい、皆さんになんて迷惑を……」
「ココごめん」
彼の胸に顔を押し付けられて、動くこともできずしゃくりあげて泣いていた。駄目だと思うのに、両腕を彼の背に回して、抱き付いてしまった。会いたかった、何度も諦めようと思ったけれど、ずっと会いたくて、そして結婚できると夢見てしまった。
「ココに会いたくて、走っていったら花嫁姿だったからびっくりしたんだ。何が起きているのか分からなくて、思いつくのはナッソスと結婚することだけだった。ごめんよココ、まさか俺との結婚式の準備ができているなんて想像もしていなくて……だから、俺を待っていてくれたココに酷いことを言った」
彼の腕が緩められて、体を少し離して見上げた。目が赤くなっていて驚きに彼の瞳を見つめた。ゼノスさんも泣いていたのだと知った。
「ゼノスさん、アナタシア様と結婚するの?」
彼の目が細められて、困ったように微笑んだ。
「する訳ないだろう? ココを傷つけてきた彼女を俺は憎んでいる、結婚なんて絶対にしない」
胸にずしんと居座っていた重い石がようやく取れた気がした。ほうと息を吐いた。
ぐちゃぐちゃに乱れていた気持ちが少しずつ落ち着いてくる。
「ゼノスさんは私に会いに来てくれたの?」
うんと頷く彼の目はとても優しかった。もう一度彼に抱きつきたかった。彼の腕の中にいて、それはとても簡単なことに思えたけれど、確かめなければならないことがあった。
「私をゼノスさんのお家に連れて行ってくれますか?」
「うん、連れて行くよ。俺の家に住んで欲しい」
「ゼノスさんも一緒に暮らすの?」
彼は寂し気に首を左右に振った。答えはあの時と同じだ。
「俺は……ココと一緒には暮らさない」
目をぎゅっと閉じて泣くのを耐えた。もうゼノスさんを困らせたくない。
持ち上げるよと声が掛けられて、私はゼノスさんに抱きかかえられた。お姫様のように抱っこされて、来た道を戻った。自分でもびっくりするくらいの距離を走ってきたようだ。ドレスから水が滴り落ちて、道に跡をつける。降ろしてくださいと何度もお願いしたけれど彼は聞いてくれなかった。
待ちわびた大好きな人にウエディングドレスで抱かれて運ばれて……まるで幸せな花嫁のようだった。けれど私のウエディングドレスは泥だらけ、花婿のいない、一人ぼっちの花嫁になってしまった。
これから村の皆さんに、私達は結婚しないと告げなければならないのだと覚悟した。
◇◇◇ ◇◇◇
結婚式の準備がほとんど出来上がって、植木鉢の花々が並んだ村の中央広場に人だかりができていた。
一段高く台が置かれた新郎新婦が座る予定の場所に、ゼノスさんは上がると、抱きかかえていた私を降ろし隣に立たせた。
「勇者様どういうことだい、ココちゃんと結婚しないと言ったのは本当か?」
村人たちが怒ったように投げた質問に、彼は大きく頷いた。
「皆さん聞いていただきたい。私達のために準備をしてくださり感謝します。しかし私は彼女と結婚するつもりはありません」
ゼノスさんは迷いのない大きな声で言い放った。
その後はゼノスさんを責める村人たちの声で、広場は騒然となった。
「ココちゃんはずっと待っていたんだぞ!」
「かわいそうじゃないか、約束しておいて裏切るのか?」
「王様に願った結婚だというのは嘘なのか?」
「ココちゃんを幸せにしてやっておくれよ」
「偽物聖女にほだされたのか!」
「この軽薄男!」「浮気者!」「最低野郎!」「ふざけんな、許さない!」
ゼノスさんを罵る言葉はどんどん過激になっていく。男性陣よりもむしろ女性達の方の怒りがすごい。
わあわあ、ぎゃんぎゃん怒鳴り声は鳴りやまない。
勘違いした私が悪いのに、誰一人私を責めないことが辛かった。怒りはゼノスさんだけに向けられている。
「みんなちょっと待て! ゼノスの言い分を聞こう」
ナッソスさんが、式台の上に飛び乗ってきて、大きな声で叫んだ。
「馬車が着くなり走って消えたからびっくりしたぞ。おいゼノス、おまえの大事なココを傷つけてんじゃねえぞ。何ここまできて結婚に怖気づいてんだよ」
ナッソスさんは、どうして結婚できないのか皆に説明しろと怒鳴ると、村人達もゼノスさんが何を言うか待つ顔で、静かになった。
「俺は……」
ゼノスさんは、胸元を片手で握ると苦し気に目を伏せた。
「俺は……結婚する資格が無い。ココと結婚しても……彼女を幸せにできない」
「どうしてそんなこと無いよ」
優し気な口調でナッソスさんのお母さんが言うと、ゼノスさんは顔を上げて悲しそうに首を振った。
「無理なんです。俺は……ココの側にいられない。俺は……死ぬんです」
今、すぐ隣に大好きな彼が立っている。ついさっきまで結婚できないことが悲しくて泣いていた。でもそんなことどうでもよくなった。ゼノスさんは「死ぬ」と言った。体の内側から恐ろしさに凍っていくようだ。死ぬなんて嘘だと言って。
ゼノスさんが優しく微笑んで私を見る。私の力が足りなくて、傷を癒してあげられずに待たせているとき、あなたはいつもこの笑顔を見せた「大丈夫だよ、悲しまないで」と私を安心させようとする。
「ココごめんよ、俺は死ぬんだ。だから結婚できない」
裸足のままひたすら走って……息を荒く継いで、もうこれ以上は動けない限界まで走り続けてとうとう道は行き止まりになった。
目の前には大きな湖があった。
深い青い水はゼノスさんの瞳を思わせた。
彼はどれだけ驚いただろうか、結婚するつもりのない女が、ウエディングドレスを着て待っているなんて。
彼は私に思わせぶりな事を言ったこともない。好きだとか、一緒にいたいとか……
結婚して欲しいとか……
ゼノスさんと私の間に何の約束も無かった。
初めから分かっていたことなのに、私が村人の言葉に流されて、自分の都合のいいように思いこんだだけ。ゼノスさんは私との結婚なんて望んでなかった。
恥ずかしい……消えてしまいたい。
湖に近づいていくと、水際は泥でぬかるんでいた、そのまま足を進めて浅瀬に入って行く。
なんという馬鹿者なのだろう私は……
「ココ!」
叫び声が聞こえて振り向くと、ゼノスさんが走って近づいてくるのが見えた。
取り乱した様子で何度も私の名前を叫んでいる。あっという間に側までくると、私の腕を力強くつかんだ。
「何をするつもりだココ!」
何をする?
足首が水に浸かっている。自分が今どこにいるのだろうかと考えた。あれ? 私は湖に入ろうとしている。
ゼノスさんが心配そうに顔を覗き込んでくる。大きな固い手が伸びてきて、私の頬をぬぐった。旅の間、傷つくあなたが心配で何度も泣いた、その度にこうしてあなたの手が私の涙を……
私今泣いている? 駄目だ泣いたりしたらゼノスさんを困らせる。
湖から出ようとして、足に水を含んだドレスの裾がからまって上手く歩けなかった。裾を持ち上げようとして、泥を吸って茶色く汚れたスカートに気付いた。
「どうしよう! ドレスが汚れてしまった。これはナッソスさんのお母さんの大切なドレスなのに。皆さんが一つずつ花を付けてくれた特別なドレスなのに、ああ、どうしよう、どうしよう……こんなに泥だらけになって……結婚式ができなくなってしまう……違うそうじゃない、初めからドレスなんて着てはいけなかったのに、こんなにも綺麗なドレスを……ああ、どうしよう、私はなんて馬鹿なことを……」
歩こうとして足が動かず、転びそうになってゼノスさんにしがみついた。抱き止められて、爆発するような情けなさに襲われた。
ゼノスさんに謝らなきゃいけないのに、私は抱き付いてる。早く離れなきゃ、触ってはいけない人なのに、どうしよう。
もうどうしていいか分からない。村中の人が楽しみにしていたのに、あんなに一生懸命に準備してくれたのに、全部無駄にしてしまった。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ゼノスさんは私と結婚したいなんて1度も言ったことは無いのに、私が勝手に勘違いしたの」
涙が止まらない、泣きたくないのに、ゼノスさんをこれ以上困らせたくないのに。
泣きながら「ごめんなさい」と叫び続けた。
ゼノスさんから離れようともがくのに、ドレスが重くて動けない。増々強く抱きしめられてしまう。
「ごめんなさいゼノスさん。間違えてしまったの、私が馬鹿だから、どうしようもない馬鹿で、なんて間違いを……ごめんなさい、ごめんなさい、皆さんになんて迷惑を……」
「ココごめん」
彼の胸に顔を押し付けられて、動くこともできずしゃくりあげて泣いていた。駄目だと思うのに、両腕を彼の背に回して、抱き付いてしまった。会いたかった、何度も諦めようと思ったけれど、ずっと会いたくて、そして結婚できると夢見てしまった。
「ココに会いたくて、走っていったら花嫁姿だったからびっくりしたんだ。何が起きているのか分からなくて、思いつくのはナッソスと結婚することだけだった。ごめんよココ、まさか俺との結婚式の準備ができているなんて想像もしていなくて……だから、俺を待っていてくれたココに酷いことを言った」
彼の腕が緩められて、体を少し離して見上げた。目が赤くなっていて驚きに彼の瞳を見つめた。ゼノスさんも泣いていたのだと知った。
「ゼノスさん、アナタシア様と結婚するの?」
彼の目が細められて、困ったように微笑んだ。
「する訳ないだろう? ココを傷つけてきた彼女を俺は憎んでいる、結婚なんて絶対にしない」
胸にずしんと居座っていた重い石がようやく取れた気がした。ほうと息を吐いた。
ぐちゃぐちゃに乱れていた気持ちが少しずつ落ち着いてくる。
「ゼノスさんは私に会いに来てくれたの?」
うんと頷く彼の目はとても優しかった。もう一度彼に抱きつきたかった。彼の腕の中にいて、それはとても簡単なことに思えたけれど、確かめなければならないことがあった。
「私をゼノスさんのお家に連れて行ってくれますか?」
「うん、連れて行くよ。俺の家に住んで欲しい」
「ゼノスさんも一緒に暮らすの?」
彼は寂し気に首を左右に振った。答えはあの時と同じだ。
「俺は……ココと一緒には暮らさない」
目をぎゅっと閉じて泣くのを耐えた。もうゼノスさんを困らせたくない。
持ち上げるよと声が掛けられて、私はゼノスさんに抱きかかえられた。お姫様のように抱っこされて、来た道を戻った。自分でもびっくりするくらいの距離を走ってきたようだ。ドレスから水が滴り落ちて、道に跡をつける。降ろしてくださいと何度もお願いしたけれど彼は聞いてくれなかった。
待ちわびた大好きな人にウエディングドレスで抱かれて運ばれて……まるで幸せな花嫁のようだった。けれど私のウエディングドレスは泥だらけ、花婿のいない、一人ぼっちの花嫁になってしまった。
これから村の皆さんに、私達は結婚しないと告げなければならないのだと覚悟した。
◇◇◇ ◇◇◇
結婚式の準備がほとんど出来上がって、植木鉢の花々が並んだ村の中央広場に人だかりができていた。
一段高く台が置かれた新郎新婦が座る予定の場所に、ゼノスさんは上がると、抱きかかえていた私を降ろし隣に立たせた。
「勇者様どういうことだい、ココちゃんと結婚しないと言ったのは本当か?」
村人たちが怒ったように投げた質問に、彼は大きく頷いた。
「皆さん聞いていただきたい。私達のために準備をしてくださり感謝します。しかし私は彼女と結婚するつもりはありません」
ゼノスさんは迷いのない大きな声で言い放った。
その後はゼノスさんを責める村人たちの声で、広場は騒然となった。
「ココちゃんはずっと待っていたんだぞ!」
「かわいそうじゃないか、約束しておいて裏切るのか?」
「王様に願った結婚だというのは嘘なのか?」
「ココちゃんを幸せにしてやっておくれよ」
「偽物聖女にほだされたのか!」
「この軽薄男!」「浮気者!」「最低野郎!」「ふざけんな、許さない!」
ゼノスさんを罵る言葉はどんどん過激になっていく。男性陣よりもむしろ女性達の方の怒りがすごい。
わあわあ、ぎゃんぎゃん怒鳴り声は鳴りやまない。
勘違いした私が悪いのに、誰一人私を責めないことが辛かった。怒りはゼノスさんだけに向けられている。
「みんなちょっと待て! ゼノスの言い分を聞こう」
ナッソスさんが、式台の上に飛び乗ってきて、大きな声で叫んだ。
「馬車が着くなり走って消えたからびっくりしたぞ。おいゼノス、おまえの大事なココを傷つけてんじゃねえぞ。何ここまできて結婚に怖気づいてんだよ」
ナッソスさんは、どうして結婚できないのか皆に説明しろと怒鳴ると、村人達もゼノスさんが何を言うか待つ顔で、静かになった。
「俺は……」
ゼノスさんは、胸元を片手で握ると苦し気に目を伏せた。
「俺は……結婚する資格が無い。ココと結婚しても……彼女を幸せにできない」
「どうしてそんなこと無いよ」
優し気な口調でナッソスさんのお母さんが言うと、ゼノスさんは顔を上げて悲しそうに首を振った。
「無理なんです。俺は……ココの側にいられない。俺は……死ぬんです」
今、すぐ隣に大好きな彼が立っている。ついさっきまで結婚できないことが悲しくて泣いていた。でもそんなことどうでもよくなった。ゼノスさんは「死ぬ」と言った。体の内側から恐ろしさに凍っていくようだ。死ぬなんて嘘だと言って。
ゼノスさんが優しく微笑んで私を見る。私の力が足りなくて、傷を癒してあげられずに待たせているとき、あなたはいつもこの笑顔を見せた「大丈夫だよ、悲しまないで」と私を安心させようとする。
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