サキュバスクラブ~最高ランクの精気を持つボクは無数の淫魔に狙われ貪られる~

ウケのショウタ

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7章

7章64話 詩織のヒミツ1

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「ふーん、そんなことになってたのね。大変だったわね清太」

 帰宅後、僕はシャリアーデさんにその日クラブで起こったことを話した。

「随分帰ってくるのが早いと思ったけど、そういうことなら納得ね」
「もっと時間がかかる予定だったんですか?」
「クラブの子全員を相手にするくらいの話になると思ってたから、朝まで帰れないと思ってたわ」
「ええ……」

 今日一晩でも何十回絞られたか分からないくらいで、もう疲労困憊なのに……。
 ここから更に朝までめちゃくちゃにされる予定だったなんて……改めてあのクラブの危険性を再認識させられた気分だった。

「でもよかったじゃない。その詩織っていう子のことが分かったんでしょ?」
「サリナさんは知ってたんですか? 詩織先輩のこと」
「うーん、なんか言われたらそんな子がいたような気もしなくもない……くらいかしら。顔が可愛いとか胸が大きいとかって、私たちの間では特徴の内に入らないから印象ないわね」

 僕はソファに座りながら静かに今後について考えていた。
 今日一日でいろんなことがあって……それをゆっくりと整理したかった。

「その……もし、僕が……詩織先輩を買ったら……」

 そんな話をサリナさんにするのがなんだかとても失礼というか、最低な男のすることに感じて気が引けたけど……どうしても聞いておく必要があった。

「この家に連れてくればいいんじゃない? 三人で住みましょ」
「い、いいんですか?」

 まさにそのことを相談しようと思っていたけど、サリナさんは拍子抜けするくらいあっさりと受け入れてくれた。

「いいわよ別に。元々一人で住むには広すぎる家だったし。それに、もうここはあなたの家なんだから好きに使っていいのよ」
「……ありがとうございます」

 今でもこの家やサリナさんが僕のものだなんて実感は持てないけど……でもサリナさんが許可してくれるならすごく嬉しい。

「それで、買うの? その詩織って子」
「……まだ分かりません」

 詩織先輩を買って、この家に連れてきて一緒に住んで……。
 それで……エッチもできる。僕のものなんだから、好き放題に詩織先輩とセックスできるんだ。

 ……したい。したいよ。
 学校の廊下でばったり出くわしたあの時に一目惚れして、それからずっと……一年間思い続けた憧れの女性。

 何度も詩織先輩で……いやらしいことも妄想した。
 たまらなくなって告白して、フラれて……辛かったけど、でも……それを挽回できるかもしれない。
 詩織先輩を今度こそ、僕のものにできるかもしれない……!

「……でも、それが正しいことなのか分からないんです。詩織先輩の気持ちを無視して、自分の……欲望のために……」
「まだそんなこと言ってるのね清太」

 僕の真剣な悩みを、サリナさんは可笑しいような呆れたような複雑な表情で笑い飛ばした。

「サキュバスなんでしょその子? なら清太のこと悪く思ってるわけないじゃない。さっさと買ってヤッちゃいなさいよ」
「……」
「まあそのためにはもう一度クラブに行かなきゃいけないけど」

 そう茶化して笑うサリナさん。

「とりあえず明日、その子と話してみたら?」
「……そうですね」

 ここで何を考えても仕方がない。直接話さないと何も進まない。
 ……それは分かってるんだけど……でも……



「……話すって、何を話せばいいんだろう」

 翌日、登校した僕は授業を受けながらずっとそればかり考えていた。
 ノートを取る素振りだけ見せながら、実際は一教科たりとも授業の内容は頭に入っていなかった。

 僕は放課後までの半日、ただひたすら詩織先輩と何を話せばいいのかばかり考えていた。

「……詩織先輩、サキュバスなんですよね?」

 うん。そうだよ、清太君。

「……そうなんですね」

 ……………………だめだ、そこから何も続かない。
 それがなに? とか言われたらもう話が終わっちゃうよ。

「……そうじゃないんだ。僕が本当にしたいことは、そうじゃない」

 ユメノさんも、サリナさんも……相手がサキュバスなんだから買ってエッチすればいいて言ってた。
 それはきっと、僕が望めば叶うんだろう。
 それがとても魅力的な誘惑だから、ずっと迷っちゃうんだ。

 でも僕は……やっぱり詩織先輩のことが好きなんだ。
 ずっと憧れてたんだ。
 そんな人の気持ちを無視して、自分の都合を押し付けたくない。そんなことをして嫌われたくない。

「……よし、やっぱり詩織先輩に聞こう」

 僕のことを本当はどう思ってたのか。
 今、全てを知った上でもう一度詩織先輩に思いを伝えたい。
 その上で先輩がもう一度僕を拒むなら……僕はサキュバスとかクラブポイントとか、そういうものを全部無視して、今度こそ本当に心から詩織先輩を諦めようと思った。

「でももし受け入れてくれるなら……」

 その時は正式に、詩織先輩とお付き合いがしたい。
 サリナさんとの関係がどうなるかは分からない。でもとにかく、詩織先輩にはっきりと、正面から思いをぶつけようと思った。



「こんばんは清太君。来てくれたんだね」

 そうして放課後。僕は詩織先輩の待つ図書室へ足を運んだ。

 昨日、ユメノさんの夢の中で何度も詩織先輩の痴態を目にしたけど、こうして現実の詩織先輩を見ると、あれはやっぱり別物だったんだと実感する。
 現実の詩織先輩はやっぱり凄く可愛くて、優しい声で……一年間変わらず、僕を暖かく迎えてくれた。

「……すみません。最近……寄れてなくて」
「ううん、気にしないで。図書委員の仕事なんてほとんどないの、知ってるでしょ?」

 そう言って優しく笑う詩織先輩に、僕はゆっくりと歩み寄る。
 そして……

「――詩織先輩、サキュバスだったんですね」

 一日中、どうやって伝えようかずっと悩んでいた言葉は、放ってみるとごく自然な世間話のように僕の口から発せられていた。

「うん。そうだよ、清太君」

 あっさりとそう口にする詩織先輩。

「……」

 ぽかん、と口を開く僕。

「どうしたの? 面白い顔して」
「……まさか、そんなにあっさり認められるとは思わなくて」

 もしそんな風に返されたらどうしようとさっき考えたところだけど、まさか実際にそう返されるとは。

「クラブからも連絡があったから。私のプロフィールがクラブポイントで購入されたって」
「……すみません、勝手に個人情報を……」
「あ、ううん。気にしないで気にしないで。それは全然……それより、怒ってないの? 私のこと……」
「……?」

 怒る?
 何の話だろう。詩織先輩が僕に怒るっていうなら分かるけど、僕が詩織先輩の何に怒ればいいんだろう?

「えっと、それはどういう……」
「あれ、もしかして気づいてない? 私がサキュバスだって分かったなら、アレもバレちゃったんだと思ってたけど……」

 そう言って詩織先輩はバツが悪そうに頬を指でポリポリとかいて言った。


「――あの日、君に会員証を拾わせてクラブに誘導したの、私なの」

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