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第32話 文化祭編 演劇開始
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文化祭が始まった。まだ、9時ごろだと言うのに……
「めっちゃ人来てるな!!」
「……すごい人の数、まだ、店も開けたばかりなのに…」
「こりゃー、今回の劇、頑張らないとなー!!」
新崎がめっちゃ嬉しそうにしていた。まあ、そりゃそうだろう、委員長と一緒に劇を作ろうと頑張っていたから……
「よし!文化祭楽しむぞー!!玲もほら!テンション上げて!!」
「はいはい……やるぞーー!!」
「「おーーーー!!」」
舞台の裏側でみんなが忙しくしていた。
「このセットをあっちに持っていってー」
「この小道具はこっちでー」
「誰かーペンチ持ってないかー?」
また、役者の人たちも何人か来ていた。多分、舞台での立ち位置とかの確認だと思うが……
「ロミオ!貴様!何と言うことを!!」
「ジュリエット……それでも好きなのね?」
みんなそれぞれのセリフを言いながら動いていた。
「すげーなー」
その様子を見ていた。クオリティーが高そうだった。
「玲ー手伝ってくれー」
「はいよー」
クラスの連中に呼ばれたため、小道具やセットを運ぶのを手伝った。
「これはここでいいのか?」
「ああ、ってか、手伝ってもらってて悪いんだが、動いて大丈夫なのか?」
「ん?ああ…頭を少しぶつけただけだから、大したことないよ、元気元気!」
「そうか…なら、こき使ってもいいよな?」
「おい!何でそうなる!!」
「えーだって、人足らねぇし」
「全く……言い方ってもんがあるだろー」
「あはははは!!」
小道具を運びながら、男子と話していた。
「あーー終わったーー!!」
セットの設置や小道具の用意が終わり、みんなが疲れたーって言っていた。すると…
「よし!みんなー!」
新崎が大きな声で俺たちに呼びかけた。
「今日、本番だ!やってきたことを信じて、演劇を成功させるぞ!!」
「「おおーーー!!!」」
みんなもやる気を出していた。
「本番は昼13時からだ!それまでは自由だが、時間に遅れないように!!解散!!」
「「しゃあーーーー!!」」
みんながゾロゾロと友達同士で舞台から去っていった。俺も舞台から去って行こうとした。すると……
「玲!」
「ん?」
振り返ると新崎と国光、翔の3人がいた。
「俺たちと文化祭、回ろうぜー」
「いいのか?」
「おう!俺はいいぞーみんなもいいよな?」
「ああ」
「いいけど…」
「2人もオッケーだってよー」
「………じゃあ、お言葉に甘えて」
俺は4人で文化祭を回ることになった。
「いやー、人多いなー」
「だなー」
「ん?焼き鳥だ」
「どこだ?」
「ほら、あそこだって」
「あ、本当だ!食いたいから買うわ」
翔が走って焼き鳥の屋台に向かった。
「俺もー」
新崎も走っていってしまった。
「ありゃりゃ、あいつら飯に食いつきすぎだろ」
「まあまあ、いいんじゃね?」
「……俺らはゆっくり行くか」
「だねー」
国光と俺は新崎達の後をゆっくり追った。
「………なぁ、何がどうなったらこうなるんだ?」
「あははは……何と言うか、食べたいやつを買いまくったら………こうなった」
新崎と翔の2人はとんでもない量のご飯を買っていた。焼き鳥に綿飴、タン串に焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、たません、カリカリチーズ……などなど、いっぱい買っていて、いや、買いすぎて、持つことが出来ずにいた。
俺と国光は顔を見合わせて頷き合った。
「「買いすぎだ!!バカタレーーー!!!」」
「どうやって食うんだよこんだけも」
焼きそばもお好み焼きもすごい量だった。2人前ぐらいの量が4パックあった。
「何で4パック?」
「いやー、玲達が食べるかなー?って思ってさー」
「うん……あの、買ってくれたのは有難いけれど、自分で買うし、そんなに焦って買わなくてもいいし」
「なっ……!!」
新崎がびっくりした顔をしていた。
「え?何?」
「いや、祭りといえば焼きそばだろ?焼きそばが食えなかったら、死ぬだろ?だから……」
「「いや、死なねーし!!!」」
国光とツッコミが被った。
「えええーーー!!!」
新崎がありえないって顔をしていた。
「はぁ……ん?どうした?翔?」
ずっとぼーっとしている翔がいた。
翔の目の前で手を振ってみたり、飛んでみたりしたのだが、全く返事をしないし、微動だにしなかった。
「おいーー!!!かーけーるー!!」
「うぇ?な、何だよ?」
揺さぶるとやっと気づいたようにこっちを見た。目がとろんっとなっていて、幸せそうな顔をしていた。
翔が見ていた方を見ると……
「んーーーー……美味しい!!」
「あはは!!美味しそうに食べるね?桜はー」
「だってーーー」
クラスの女子の楽しそうに話している花宮さんがいた。
(あーなるほどねー)
俺は、翔をもう一度見た。さっきよりもへにゃーって顔で花宮さんを見ていた。
「おい!翔!」
「ふぇぇえ?京?」
新崎が翔を揺さぶって、翔を正気にさせようとしていた。
でも、まだふにゃふにゃしている翔。俺と国光はお互いに見合うと……
「「かーーけーーるーー?」」
「へ?」
「「女子に見惚れてへにゃへにゃするなー!!!」」
「いってーーー!!!」
翔の頭に手刀を与えた。
「全く……」
「ひどいぞ!!2人とも!」
「そんなことないよなー国光」
「ああ、全然ひどくなんかねぇ…俺たちほっといて花宮さんに見張れていたお前が悪い」
「なっ……!!み、見惚れてないし!!」
顔を真っ赤にさせて反論してきた翔。
「その顔で言われてもなー」
「そうそう!!」
俺と新崎と国光の3人でニヤニヤしながら翔を見た。
「あああああ……」
恥ずかしさのあまり顔を隠してうずくまる翔。
(ふっ……いじりがいがあるなー)
俺はそんなことを思いながら、新崎と国光と話をした。
「なぁ、新崎、国光」
「どうした?」
「ん?」
俺は2人にあることを聞こうと思った。
それは……
「翔っていつ告白すると思う?」
ずっと気になっていた。翔が花宮さんを思っていることは分かっていた。そこで、いつも翔と話す新崎と国光はどう思っているのか、それを聞くことにした。
因みに、今、翔はいない。俺たちの飲み物を買いに行ってもらっている。
「んーー翔ってさ、臆病っていうか、告白とか恋愛とかそういうのをズバッと決めれるやつじゃないからさ、ウダウダ悩みまくると思うんだよねー」
「あーー分かるー」
国光もうんうんと頷いていた。
「だから、もっと仲良くなってからとか、もう少し話せるようになってからとか、考えてると思うんだよなー、考えすぎて告白するタイミング逃すんじゃね?って思えて仕方ないんだけれどなー」
「なるほどな……」
「ま、俺たちがどうこう言ってもあいつが言うタイミングを考えるだろうし…どうなるか分からないけれど……」
国光も色々考えているのだと分かった。
「流石、翔の親友だな」
「それを言うなら、玲もだろ?」
「え?」
「そうそう!玲が俺たちよりも翔のこと分かってるじゃん!羨ましいぜ」
「そうか?」
「そうだよ…ま、翔を見守るよ」
「そうか……」
俺は翔が走っていった方を見た。
(翔がどうするのか見守るか……)
「さて、そろそろ行くか」
「だな、演劇大丈夫なのか?監督!!」
「監督って……それ、委員長だろうが!……まあ、大丈夫だと思うぞー」
「思うぞーって他人事かよ」
「あはははは!!」
俺たちは舞台に向かった。
舞台裏で役者のみんなが集まっていた。
緊張している人や楽しみだと言っている人それぞれいろんな思いを抱えているみたいだった。
裏方である俺たちも舞台に出ないのに緊張していた。
舞台の向こう側にはたくさんのお客さんが見にきていた。先生はもちろん、先輩達もいるみたいだった。
「みんな!!」
新崎がみんなに声をかけた。
「この時が来た!!自分たちがやってきたこと全て出し切ろう!!失敗したっていい!思う存分楽しもう!!」
「「おおおおーーーー!!!!!!」」
みんなが一丸となって成功させようと動き出した。
「それではこれより1-3による演劇『ロミオとジュリエット』を開演いたします。」
アナウンスと共にカーテンが開いた。
スポットライトが当たり、翔が登場した。
そして、花宮さんも登場した。
「これから始まる物語は、モンタスギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエット、2人の悲しい悲しい恋の物語……皆さんが心から感動するお話を今ここに……」
「あなたは?」
「ジュリエット…」
「ジュリエット!なんて綺麗で美しい名前だ!君にぴったりの名前だね?」
「そう言うあなたの名前は?」
「僕はロミオ!……やっと君の名前、知れた!」
『…………』
花宮さんと翔の言葉の掛け合いが続き、その雰囲気と演技にお客さんが静かに見ていた。そして、裏方にいる俺たちも見入ってしまった。
「ロミオ!!」
「ジュリエット!!」
「会いたかった!!ロミオ」
「ああ!僕もだ!!」
ロミオとジュリエットが追われる身になり、一度離れ離れになったが、また再開したシーン。2人とも演技とはいえしっかり抱きしめ合っていて、本当のロミオとジュリエットのような雰囲気が出ていた。
(あの2人すごいなー)
俺は感心していた。
「ああ!ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?あなたがモンタスギュー家の人でなければ、私たちの愛を邪魔するものなど何もないと言うのに……」
「ならば!これからはモンタスギュー家のロミオではなく、ただのロミオとなります。その代わり、ずっと僕と一緒にいてください!」
「ええ!もちろん!」
2人が手を取り合い、愛しい人を見るように見つめ合っていた。
お客さんがみんな息を呑むように見ていて、泣いている人もいた。
「すごいなー」
俺は思わず声に出してしまっていた。でも、それぐらい2人が、いや、役者のみんながすごかった。
「ジュリエット!!ああ!どうして!どうしてだ!!」
毒薬を飲んで倒れているジュリエットに駆け寄ったロミオ。迫真の演技をする翔。もう、これだけで泣けてしまう。
「ジュリエット……僕は君とずっと一緒だよ?」
ロミオはジュリエットが飲んだ毒薬を飲んだ。
数分後……
「ああ!!!ロミオ!!どうして!!私だけ消えれば……ううう……ああああああ!!!!」
泣き叫ぶジュリエット。愛していた人が毒を飲んでしまった。
ジュリエットは数分後に目覚めるように適量飲んだため目覚めたが、ロミオは適量以上の毒薬を飲んだため。亡くなってしまった。
「……ううう…ロミオ…」
ジュリエットがロミオの剣を手にし、自分の胸に当てた。
「待ってて、ロミオ……私たちは永久にずっと……一緒よ?」
ジュリエットが自分の胸に剣を突き刺した。バタリと倒れたジュリエット。
「こうして、愛し合う2人は永久に一緒にいられることになったのでした。」
「うぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
盛大な拍手が巻き起こった。
泣いてる人や笑顔の人、楽しかったと言ってくれた人、様々な声が聞こえてきた。
裏方にいた俺たちは舞台で挨拶している翔達を見て、ホッとした。
「何とか無事に終わったな!」
「ああ……」
俺もみんなも翔達を拍手した。
「お疲れー!!!」
「おおおおーーーー!!!!」
みんながワイワイ騒いだ。
「翔!!花宮さん!!お疲れ様ー!」
「お、おう!!」
「えへへ…お疲れ様です!!」
演劇を終えた俺たちは教室に集まっていた。
「マジで凄かったよー!!」
「体震えたもん!!」
「あはは…ありがとう」
照れているのか少し恥ずかしそうに笑う花宮さん。
翔も男子に囲まれて、揉みくちゃにされていた。
(本当に凄かったなー)
俺は心の中でそう思いながら、見守っていた。
すると……
「し、白鳥くん」
「ん?花宮さん?」
花宮さんが俺のそばに立っていた。
「あ、あの!ど、どうだった?私の演技…」
「あ、うん!凄かったよ!」
すると、パァって笑顔になって、
「ほ、本当?!」
食い気味に聞いてきた。
「ほ、本当だって…あんな演技出来ねぇもん、凄かったよ、お疲れ様」
「!!…えへへ」
照れくさそうにでも嬉しそうな顔をしていた。
「うん、ほんと、翔といい感じだったし、恋人に見えたよー」
「え?」
花宮さんが驚いた顔をしていた。
「もう、恋人と言ってもいいぐらいだね?お似合いだったよ?」
ビクッと花宮さんが震えた。
「どうかした?」
「あ……い、いや……」
目がキョドキョドしていて、落ち着きがなかった。
「わ、私が轟くんとお、お似合い……」
「うん!すごくいい感じだったよ?良かったね」
「!!!」
花宮さんがまた、ビクッとしていた。
そして、下を向いてしまった。
「ど、どうした?大丈夫?」
「……なんで」
「え?」
「白鳥くんのバカ!!」
バシッ!!
「いって!」
ほっぺたを叩かれてしまった。顔を上げて花見屋さんを見た。目が合った。
ダッ…!!
「あっ…」
花宮さんが走っていってしまった。
他のみんなが花宮さんの大声と走り去る姿を見て、どうしたんだ?と困惑しているようだった。
俺はほっぺたに触れた。叩かれたところがジンジン痛かった。
「桜ちゃん!!」
「桜!!」
若葉さんと神楽坂さんの2人が追いかけていった。
「何したんだ?玲」
「え?いや……」
新崎が俺に尋ねてきた。
俺は下を向いた。
(……これでいいんだよな?)
俺は心の中で自分に聞いていた。
すると……
ガッ!!
「ぶべぇ!!」
顔を殴られて、廊下に飛ばされた。
顔を上げると、翔がいた。
「お前!花宮さんに何したんだよ!!!!」
胸ぐらを掴んで俺にそう叫んできた。
「おい!やめろ!翔!!」
「うるせぇ!!離せ!こいつを殴らねぇといけねぇだろうが!!」
「やめろって!!」
新崎と国光が翔を止めようとしていた。
「うらぁ!!」
翔が新崎と国光を振り解いて、俺に殴りかかってきた。
ガッ!!
「……ちっ!」
俺が翔の拳を掴んだ。
そこへ、先生が来て、俺たちは止められた。
◾️桜 視点
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
私は無我夢中で走っていった。
(どうして…どうしてなの?……どうして……ううう……)
走っている最中に視界がぼやけていった。そして、ポロポロと目から涙がこぼれ落ちた。
こんな顔を見られたくなくて、屋上まで走っていった。
屋上は誰もいなかった。
「はぁ…はぁ…ううう……うぁぁぁぁあああああ!!!」
涙が止まることなく流れ続けた。
「何で……私……」
心がぐちゃぐちゃになってしまった。
すると……バン!!
「桜ちゃん!!」
「桜!!」
屋上の扉が開いて、風香と梓の2人がいた。
「うう……風香ちゃん、梓ちゃん…私…」
「どうしたの?何があったの?」
「どうしたのよ?」
「し、白鳥くんが……」
「「うん」」
「私と轟くんがお似合いだって……」
「「!!!」」
「これって……ふ、振られた、のかな?ううう………」
「桜ちゃん…」
「桜…」
2人が私を優しく抱きしめてくれた。私は2人の胸の中で泣き続けた。好きな人から他の男性とお似合いだと言われた。すごく辛かった。
だって……こんなことを言うってことは……
白鳥くんは……
私のことを恋愛対象として、見てくれていないと言うことになるから
「うぁぁぁああああああああ!!!!」
ずっと泣き続けた。
ああ、神様、どうかこの涙と共にこの苦しみを消してください。
※あとがき
文化祭始まったーー!!
翔くんと花宮さんの演劇…見事な出来栄えでしたーー
白鳥くん……もしかして……
これから、花宮さんと白鳥くんの関係がどうなるのか……そして、翔の恋は……
次回、文化祭編 喧嘩、すれ違い
お楽しみに!!
「めっちゃ人来てるな!!」
「……すごい人の数、まだ、店も開けたばかりなのに…」
「こりゃー、今回の劇、頑張らないとなー!!」
新崎がめっちゃ嬉しそうにしていた。まあ、そりゃそうだろう、委員長と一緒に劇を作ろうと頑張っていたから……
「よし!文化祭楽しむぞー!!玲もほら!テンション上げて!!」
「はいはい……やるぞーー!!」
「「おーーーー!!」」
舞台の裏側でみんなが忙しくしていた。
「このセットをあっちに持っていってー」
「この小道具はこっちでー」
「誰かーペンチ持ってないかー?」
また、役者の人たちも何人か来ていた。多分、舞台での立ち位置とかの確認だと思うが……
「ロミオ!貴様!何と言うことを!!」
「ジュリエット……それでも好きなのね?」
みんなそれぞれのセリフを言いながら動いていた。
「すげーなー」
その様子を見ていた。クオリティーが高そうだった。
「玲ー手伝ってくれー」
「はいよー」
クラスの連中に呼ばれたため、小道具やセットを運ぶのを手伝った。
「これはここでいいのか?」
「ああ、ってか、手伝ってもらってて悪いんだが、動いて大丈夫なのか?」
「ん?ああ…頭を少しぶつけただけだから、大したことないよ、元気元気!」
「そうか…なら、こき使ってもいいよな?」
「おい!何でそうなる!!」
「えーだって、人足らねぇし」
「全く……言い方ってもんがあるだろー」
「あはははは!!」
小道具を運びながら、男子と話していた。
「あーー終わったーー!!」
セットの設置や小道具の用意が終わり、みんなが疲れたーって言っていた。すると…
「よし!みんなー!」
新崎が大きな声で俺たちに呼びかけた。
「今日、本番だ!やってきたことを信じて、演劇を成功させるぞ!!」
「「おおーーー!!!」」
みんなもやる気を出していた。
「本番は昼13時からだ!それまでは自由だが、時間に遅れないように!!解散!!」
「「しゃあーーーー!!」」
みんながゾロゾロと友達同士で舞台から去っていった。俺も舞台から去って行こうとした。すると……
「玲!」
「ん?」
振り返ると新崎と国光、翔の3人がいた。
「俺たちと文化祭、回ろうぜー」
「いいのか?」
「おう!俺はいいぞーみんなもいいよな?」
「ああ」
「いいけど…」
「2人もオッケーだってよー」
「………じゃあ、お言葉に甘えて」
俺は4人で文化祭を回ることになった。
「いやー、人多いなー」
「だなー」
「ん?焼き鳥だ」
「どこだ?」
「ほら、あそこだって」
「あ、本当だ!食いたいから買うわ」
翔が走って焼き鳥の屋台に向かった。
「俺もー」
新崎も走っていってしまった。
「ありゃりゃ、あいつら飯に食いつきすぎだろ」
「まあまあ、いいんじゃね?」
「……俺らはゆっくり行くか」
「だねー」
国光と俺は新崎達の後をゆっくり追った。
「………なぁ、何がどうなったらこうなるんだ?」
「あははは……何と言うか、食べたいやつを買いまくったら………こうなった」
新崎と翔の2人はとんでもない量のご飯を買っていた。焼き鳥に綿飴、タン串に焼きそば、たこ焼き、お好み焼き、たません、カリカリチーズ……などなど、いっぱい買っていて、いや、買いすぎて、持つことが出来ずにいた。
俺と国光は顔を見合わせて頷き合った。
「「買いすぎだ!!バカタレーーー!!!」」
「どうやって食うんだよこんだけも」
焼きそばもお好み焼きもすごい量だった。2人前ぐらいの量が4パックあった。
「何で4パック?」
「いやー、玲達が食べるかなー?って思ってさー」
「うん……あの、買ってくれたのは有難いけれど、自分で買うし、そんなに焦って買わなくてもいいし」
「なっ……!!」
新崎がびっくりした顔をしていた。
「え?何?」
「いや、祭りといえば焼きそばだろ?焼きそばが食えなかったら、死ぬだろ?だから……」
「「いや、死なねーし!!!」」
国光とツッコミが被った。
「えええーーー!!!」
新崎がありえないって顔をしていた。
「はぁ……ん?どうした?翔?」
ずっとぼーっとしている翔がいた。
翔の目の前で手を振ってみたり、飛んでみたりしたのだが、全く返事をしないし、微動だにしなかった。
「おいーー!!!かーけーるー!!」
「うぇ?な、何だよ?」
揺さぶるとやっと気づいたようにこっちを見た。目がとろんっとなっていて、幸せそうな顔をしていた。
翔が見ていた方を見ると……
「んーーーー……美味しい!!」
「あはは!!美味しそうに食べるね?桜はー」
「だってーーー」
クラスの女子の楽しそうに話している花宮さんがいた。
(あーなるほどねー)
俺は、翔をもう一度見た。さっきよりもへにゃーって顔で花宮さんを見ていた。
「おい!翔!」
「ふぇぇえ?京?」
新崎が翔を揺さぶって、翔を正気にさせようとしていた。
でも、まだふにゃふにゃしている翔。俺と国光はお互いに見合うと……
「「かーーけーーるーー?」」
「へ?」
「「女子に見惚れてへにゃへにゃするなー!!!」」
「いってーーー!!!」
翔の頭に手刀を与えた。
「全く……」
「ひどいぞ!!2人とも!」
「そんなことないよなー国光」
「ああ、全然ひどくなんかねぇ…俺たちほっといて花宮さんに見張れていたお前が悪い」
「なっ……!!み、見惚れてないし!!」
顔を真っ赤にさせて反論してきた翔。
「その顔で言われてもなー」
「そうそう!!」
俺と新崎と国光の3人でニヤニヤしながら翔を見た。
「あああああ……」
恥ずかしさのあまり顔を隠してうずくまる翔。
(ふっ……いじりがいがあるなー)
俺はそんなことを思いながら、新崎と国光と話をした。
「なぁ、新崎、国光」
「どうした?」
「ん?」
俺は2人にあることを聞こうと思った。
それは……
「翔っていつ告白すると思う?」
ずっと気になっていた。翔が花宮さんを思っていることは分かっていた。そこで、いつも翔と話す新崎と国光はどう思っているのか、それを聞くことにした。
因みに、今、翔はいない。俺たちの飲み物を買いに行ってもらっている。
「んーー翔ってさ、臆病っていうか、告白とか恋愛とかそういうのをズバッと決めれるやつじゃないからさ、ウダウダ悩みまくると思うんだよねー」
「あーー分かるー」
国光もうんうんと頷いていた。
「だから、もっと仲良くなってからとか、もう少し話せるようになってからとか、考えてると思うんだよなー、考えすぎて告白するタイミング逃すんじゃね?って思えて仕方ないんだけれどなー」
「なるほどな……」
「ま、俺たちがどうこう言ってもあいつが言うタイミングを考えるだろうし…どうなるか分からないけれど……」
国光も色々考えているのだと分かった。
「流石、翔の親友だな」
「それを言うなら、玲もだろ?」
「え?」
「そうそう!玲が俺たちよりも翔のこと分かってるじゃん!羨ましいぜ」
「そうか?」
「そうだよ…ま、翔を見守るよ」
「そうか……」
俺は翔が走っていった方を見た。
(翔がどうするのか見守るか……)
「さて、そろそろ行くか」
「だな、演劇大丈夫なのか?監督!!」
「監督って……それ、委員長だろうが!……まあ、大丈夫だと思うぞー」
「思うぞーって他人事かよ」
「あはははは!!」
俺たちは舞台に向かった。
舞台裏で役者のみんなが集まっていた。
緊張している人や楽しみだと言っている人それぞれいろんな思いを抱えているみたいだった。
裏方である俺たちも舞台に出ないのに緊張していた。
舞台の向こう側にはたくさんのお客さんが見にきていた。先生はもちろん、先輩達もいるみたいだった。
「みんな!!」
新崎がみんなに声をかけた。
「この時が来た!!自分たちがやってきたこと全て出し切ろう!!失敗したっていい!思う存分楽しもう!!」
「「おおおおーーーー!!!!!!」」
みんなが一丸となって成功させようと動き出した。
「それではこれより1-3による演劇『ロミオとジュリエット』を開演いたします。」
アナウンスと共にカーテンが開いた。
スポットライトが当たり、翔が登場した。
そして、花宮さんも登場した。
「これから始まる物語は、モンタスギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエット、2人の悲しい悲しい恋の物語……皆さんが心から感動するお話を今ここに……」
「あなたは?」
「ジュリエット…」
「ジュリエット!なんて綺麗で美しい名前だ!君にぴったりの名前だね?」
「そう言うあなたの名前は?」
「僕はロミオ!……やっと君の名前、知れた!」
『…………』
花宮さんと翔の言葉の掛け合いが続き、その雰囲気と演技にお客さんが静かに見ていた。そして、裏方にいる俺たちも見入ってしまった。
「ロミオ!!」
「ジュリエット!!」
「会いたかった!!ロミオ」
「ああ!僕もだ!!」
ロミオとジュリエットが追われる身になり、一度離れ離れになったが、また再開したシーン。2人とも演技とはいえしっかり抱きしめ合っていて、本当のロミオとジュリエットのような雰囲気が出ていた。
(あの2人すごいなー)
俺は感心していた。
「ああ!ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?あなたがモンタスギュー家の人でなければ、私たちの愛を邪魔するものなど何もないと言うのに……」
「ならば!これからはモンタスギュー家のロミオではなく、ただのロミオとなります。その代わり、ずっと僕と一緒にいてください!」
「ええ!もちろん!」
2人が手を取り合い、愛しい人を見るように見つめ合っていた。
お客さんがみんな息を呑むように見ていて、泣いている人もいた。
「すごいなー」
俺は思わず声に出してしまっていた。でも、それぐらい2人が、いや、役者のみんながすごかった。
「ジュリエット!!ああ!どうして!どうしてだ!!」
毒薬を飲んで倒れているジュリエットに駆け寄ったロミオ。迫真の演技をする翔。もう、これだけで泣けてしまう。
「ジュリエット……僕は君とずっと一緒だよ?」
ロミオはジュリエットが飲んだ毒薬を飲んだ。
数分後……
「ああ!!!ロミオ!!どうして!!私だけ消えれば……ううう……ああああああ!!!!」
泣き叫ぶジュリエット。愛していた人が毒を飲んでしまった。
ジュリエットは数分後に目覚めるように適量飲んだため目覚めたが、ロミオは適量以上の毒薬を飲んだため。亡くなってしまった。
「……ううう…ロミオ…」
ジュリエットがロミオの剣を手にし、自分の胸に当てた。
「待ってて、ロミオ……私たちは永久にずっと……一緒よ?」
ジュリエットが自分の胸に剣を突き刺した。バタリと倒れたジュリエット。
「こうして、愛し合う2人は永久に一緒にいられることになったのでした。」
「うぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!
盛大な拍手が巻き起こった。
泣いてる人や笑顔の人、楽しかったと言ってくれた人、様々な声が聞こえてきた。
裏方にいた俺たちは舞台で挨拶している翔達を見て、ホッとした。
「何とか無事に終わったな!」
「ああ……」
俺もみんなも翔達を拍手した。
「お疲れー!!!」
「おおおおーーーー!!!!」
みんながワイワイ騒いだ。
「翔!!花宮さん!!お疲れ様ー!」
「お、おう!!」
「えへへ…お疲れ様です!!」
演劇を終えた俺たちは教室に集まっていた。
「マジで凄かったよー!!」
「体震えたもん!!」
「あはは…ありがとう」
照れているのか少し恥ずかしそうに笑う花宮さん。
翔も男子に囲まれて、揉みくちゃにされていた。
(本当に凄かったなー)
俺は心の中でそう思いながら、見守っていた。
すると……
「し、白鳥くん」
「ん?花宮さん?」
花宮さんが俺のそばに立っていた。
「あ、あの!ど、どうだった?私の演技…」
「あ、うん!凄かったよ!」
すると、パァって笑顔になって、
「ほ、本当?!」
食い気味に聞いてきた。
「ほ、本当だって…あんな演技出来ねぇもん、凄かったよ、お疲れ様」
「!!…えへへ」
照れくさそうにでも嬉しそうな顔をしていた。
「うん、ほんと、翔といい感じだったし、恋人に見えたよー」
「え?」
花宮さんが驚いた顔をしていた。
「もう、恋人と言ってもいいぐらいだね?お似合いだったよ?」
ビクッと花宮さんが震えた。
「どうかした?」
「あ……い、いや……」
目がキョドキョドしていて、落ち着きがなかった。
「わ、私が轟くんとお、お似合い……」
「うん!すごくいい感じだったよ?良かったね」
「!!!」
花宮さんがまた、ビクッとしていた。
そして、下を向いてしまった。
「ど、どうした?大丈夫?」
「……なんで」
「え?」
「白鳥くんのバカ!!」
バシッ!!
「いって!」
ほっぺたを叩かれてしまった。顔を上げて花見屋さんを見た。目が合った。
ダッ…!!
「あっ…」
花宮さんが走っていってしまった。
他のみんなが花宮さんの大声と走り去る姿を見て、どうしたんだ?と困惑しているようだった。
俺はほっぺたに触れた。叩かれたところがジンジン痛かった。
「桜ちゃん!!」
「桜!!」
若葉さんと神楽坂さんの2人が追いかけていった。
「何したんだ?玲」
「え?いや……」
新崎が俺に尋ねてきた。
俺は下を向いた。
(……これでいいんだよな?)
俺は心の中で自分に聞いていた。
すると……
ガッ!!
「ぶべぇ!!」
顔を殴られて、廊下に飛ばされた。
顔を上げると、翔がいた。
「お前!花宮さんに何したんだよ!!!!」
胸ぐらを掴んで俺にそう叫んできた。
「おい!やめろ!翔!!」
「うるせぇ!!離せ!こいつを殴らねぇといけねぇだろうが!!」
「やめろって!!」
新崎と国光が翔を止めようとしていた。
「うらぁ!!」
翔が新崎と国光を振り解いて、俺に殴りかかってきた。
ガッ!!
「……ちっ!」
俺が翔の拳を掴んだ。
そこへ、先生が来て、俺たちは止められた。
◾️桜 視点
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
私は無我夢中で走っていった。
(どうして…どうしてなの?……どうして……ううう……)
走っている最中に視界がぼやけていった。そして、ポロポロと目から涙がこぼれ落ちた。
こんな顔を見られたくなくて、屋上まで走っていった。
屋上は誰もいなかった。
「はぁ…はぁ…ううう……うぁぁぁぁあああああ!!!」
涙が止まることなく流れ続けた。
「何で……私……」
心がぐちゃぐちゃになってしまった。
すると……バン!!
「桜ちゃん!!」
「桜!!」
屋上の扉が開いて、風香と梓の2人がいた。
「うう……風香ちゃん、梓ちゃん…私…」
「どうしたの?何があったの?」
「どうしたのよ?」
「し、白鳥くんが……」
「「うん」」
「私と轟くんがお似合いだって……」
「「!!!」」
「これって……ふ、振られた、のかな?ううう………」
「桜ちゃん…」
「桜…」
2人が私を優しく抱きしめてくれた。私は2人の胸の中で泣き続けた。好きな人から他の男性とお似合いだと言われた。すごく辛かった。
だって……こんなことを言うってことは……
白鳥くんは……
私のことを恋愛対象として、見てくれていないと言うことになるから
「うぁぁぁああああああああ!!!!」
ずっと泣き続けた。
ああ、神様、どうかこの涙と共にこの苦しみを消してください。
※あとがき
文化祭始まったーー!!
翔くんと花宮さんの演劇…見事な出来栄えでしたーー
白鳥くん……もしかして……
これから、花宮さんと白鳥くんの関係がどうなるのか……そして、翔の恋は……
次回、文化祭編 喧嘩、すれ違い
お楽しみに!!
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