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第22話 海水浴2
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「「ヒャッホーーーーーーイ!!」」
龍牙と潮崎が海に飛び込んで行った。
「おい!準備運動しろよー!」
俺が2人に呼びかけたんだが、全く聞こえてないのか、それとも、聞こえてるけれど無視なのか(後ろの答えなら殴る!!)分からないが、スイスイと泳いで行きやがった。
「ったく…無邪気な子供だな、あいつらは」
「いや、れい兄もでしょ?」
「誰が子供だ!俺はあいつらに合わせてやってんのー」
「いやいや、嘘でしょ?合わせてるとか…いつも、同じような行動してるじゃん!」
「いや、合わせてるんだってー」
「ぜーーーったい嘘だ!」
「俺、信用されてなくね?!」
「当たり前でしょ?!どこに信用するところあるのよ?!」
「あ、あるだろ!!なんか、こう、えっと…こうさぁ!!」
「ないんだね?っていうか、自分が1番分かってんじゃん」
「そ、そんなこと、な、ないよー」
「ちゃんと私の目を見て言えよ」
俺と日向が漫才をしている間、他のみんなはと言うと……
「日焼け止め塗ってー、背中届かなくてさー」
「いいよー……それじゃあ、行くよー」
「……ひゃあ!つ、つめたー!!」
「あ、ごめん」
七瀬さんと小鳥遊さんが日焼け止めの塗り合いっこしていて、
「あんたは泳がないの?」
「……日に当たりたくないので……」
「そう…なら、私もおろっかな?」
「……お気になさらず…遊んできてください」
「いやー、遊びたいんだけれどさー男子はバカだし、日向は兄貴と遊んでるしー、千結は七瀬さんと遊んでるし、私も疲れたし、だから、休憩しようかなって」
「……そうですか」
なんか桜花里さんと凍野さんの2人が話していた。
(ふむふむ、みんな楽しそうだな)
俺は日向と漫才をしながらそんなことを思っていた。
海にはまだ人がいて、賑わっていた。
「よし!泳ぐか!」
俺は海に向かって走った。
「ヒャッホーーーーーーイ!!」
ドボンッ!!
海は冷たくて、気持ちよかった。
「れいちゃーん!あっち泳ごうぜー」
「はいはい、行くよーそっち」
俺は泳いで龍牙のところへ向かった。
「いやー泳いだ泳いだ、疲れたー」
「お年寄りみたい」
「うっせ!龍牙に泳がされまくったんだよ!」
「ドンマイ」
「ひどくない?!もう少し労いの言葉をくれよー」
「はいはい」
日向に塩対応された俺は、しょんぼりしながら、砂の上に寝転がった。
「平穏だねー、こんなに多くの人が海で遊んでるよー、昔は…」
「そうだな……こんなことできる時なんてなかった。そこら中にクラムが出現していて、人の死体が大量にあって、道路や砂が血で染まっていたんだ…あの頃に比べたら、平穏に決まってる」
「……だよね」
日向も俺も昔のことを思い出していた。クソみたいに戦い続けたあの頃を……
「きゃああああああ!!!!!」
突然、女性の叫び声が聞こえてきた。
「何だ!!あれ!逃げろーー!!」
人々が海から逃げていった。
「あれは!!」
俺は起き上がって確認すると、クラムが海から出現してきた。
「やばそう!れい兄!行こう!」
「ああ!龍牙!潮崎!悠真!準備!」
「「「「了解!!!!」」」」
龍牙達と能力解放の準備に取り掛かった。
ぐがぁぁぁぁあああああ!!!
クラムが声を上げながら海で暴れていた。
「やばくね?あの大きさ」
「まさか……レベル4か?」
「それだと、人が逃げ遅れるはずだから、そこまでではないと思う……」
「れいちゃん!とりあえず、みんな避難したっぽい、どうする?」
「そうだな、とりあえず、俺たち男子はあのクラムの動きを抑える、その間に女子の中で回復系が使えるものは、怪我している人たちの治療を!他の女子は俺たちを援護してくれ!」
「それだと!男子の負担多くない?!」
桜花里さんが俺たちの心配をしてきた。
「大丈夫よーん!俺とれいちゃんがいたら、悠真と夏樹を支えながら戦えるし、俺ら強いから!」
龍牙が桜花里さんを説得していた。
「そ、そう…分かった」
「心配してくれてサンキューな、あ!女子で1人魁斗を……」
龍牙が魁斗を呼んできてほしいと言おうとした時……
「呼びに行く必要はない。もういるからな」
「魁斗!!」
龍牙のそばに魁斗がもういた。
「早いな!相変わらず」
「当然だ、クラムの気配がしたから飛んできた。」
「よし!全員揃ったか!それなら、行くぞ!」
「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」
みんながそれぞれの役目を行いにいった。
「来い!陽炎!」
「荒れろ!烈電槍(れつでんそう)!」
「唸れ!水沫(みなわ)!」
「来いよ!炎禍!!」
「弾けろ!灼弾!」
俺たちは各々の武器を呼び出した。龍牙は雷の力を宿した槍、烈電槍を呼び出した。
魁斗は海を操る力がある大剣、水沫を呼び出した。
現れているクラムを倒すのに最適の武器だった。
「舞え!桜霞(おうか)!」
「砕けろ!嵐手(らんしゅ)!」
「吹雪いて!蒼氷(そうひょう)!」
女子3人も各々の武器を呼び出した。桜花里さんはピンク色の剣で桜の花びらが常に舞い散っていた。七瀬さんは両手に殴る用のグローブを装着していて、手から風を生み出していた。凍野さんは杖型で、歩くたびに足元から凍っていった。
「よし!さっき言った通り、俺たちでぶっ叩く!女子はその援護でよろしく!」
「「「了解!!!」」」
「よし!行くぞ龍牙!」
「おうよ!」
俺たちはいっせいにクラムに襲いかかった。
「はぁぁぁぁぁあああああ!!!」
ガガガガガガッ、ズガーン!ズバッ!ドスッ!
ぐぎゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!
陽炎の炎がクラムの体を燃やした。クラムが海の上で暴れ出した。
「はい!よいしょーーーーーー!!!」
「はぁぁぁぁあああああ!!!」
グサッグサグサグサグサグサグサグサ!!
ヒュン!グサッ、ズバズバ
龍牙と魁斗が俺に続いて切り掛かった。
「やっぱりすごいな!あの3人」
「ああ、俺らも負けてられねぇ!!」
「ああ!行くぞ!夏樹!」
「おうよ!」
「真紅業火(しんくごうか)!!!」
「橙弾乱舞(だいだんらんぶ)!!!」
ゴォぉぉぉぉぉおおおお!!ズダダダダッ!バンバン!!
悠真と潮崎も攻撃してきた。
「女子!頼む!」
「「「了解!!!」」」
「はぁぁぁぁああああ!!!」
「やぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「桜華連突(おうかれんとつ)!!!」
「舞空連撃(ぶくうれんげき)!!!」
「『凍てつく風よ、氷の槍となれ!アイシクル・フリーズ』!!!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカッ
ドガーン!カチカチッパキ
桜花里さんと七瀬さんがクラムに強烈な技を叩き込んでいて、凍野さんがクラムの足や腕を凍らしていた。
「やった?これで終わり?」
「いけたんじゃない?!やった!!」
「…頑張りました」
3人が各々喜んでいた。だが…
がぁぁぁぁぁああああああ!!!!
クラムが起き上がり、クラムとは思えないほどのスピードで女子3人に襲いかかった。
「危ねぇ!!!」
俺はそれにいち早く気づき、3人の元へ向かった。
「キャア!!」
3人の元へ来た俺は3人を守るように立った。そして…
キーンッ!ガガガガガッ、ズバズバ!
「くっ………」
「如月くん!!」
クラムが思いっきり俺に武器を振り下ろしてきたが、俺は防ぐことができた。しかし、連続で振り下ろされ、捌ききれず体に切り傷をつけられた。
「だ、大丈夫だ、これぐらいかすり傷だわ」
「…待って、傷…治す」
「いや、今はいらない、それよりも、あいつを倒すことに専念してくれ」
「………分かった」
凍野さんは頷くと立ち上がり、クラムを見上げた。少し怒っているように見えた。
「なぁ、れいちゃん、俺の目がおかしいのかな?」
「ん?なんで?」
「いや、なんか、クラムさ…再生してね?」
「え?」
龍牙に言われて、クラムをまじまじと見てみた。
さっきから魁斗と悠真が切り掛かっているんだが、確かに傷がついても治っていっているのが見えた。
「うわぁ……最悪じゃん」
「やっぱり再生してるのか…」
「うん、確定だな…はぁ…もしかして、あれ使わないと無理系?」
「多分…」
「はぁ…マジかよ」
俺と龍牙は肩を落とした。
「みんなー!このクラム、再生しているらしい、一気に蹴りをつけないと勝つことできないわ」
「そうなの?!」
「ああ、だから、俺と龍牙でクラムを倒す、だから、ちょっとだけ援護を頼む!」
「分かった!!」
「どうすればいいの?」
「それは……」
「フィールドを作ればいいよね?」
「え?」
振り返ると、日向と小鳥遊さんが立っていた。
「日向!」
「お客さんたちの治療が終わったからねー」
「私も頑張ります!」
「了解!なら、日向…分かるよな?」
「はぁ…誰に聞いてんのよ…いけるに決まってるでしょ!」
日向がにっこり笑いながらそう言った。
「よし!みんな!日向の指示で頼む!」
「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」
「始めようか!龍牙!」
「はいよ!れいちゃん!」
俺たちは両足を広げ、自分の手を合わせた。
「『紫の炎よ、空を舞い、地を駆けよ。九つの尾を持つ精霊よ、我が声に応え、この地に顕現せよ。我が敵を討て!』」
「『大地揺るがせ、海を唸らせ、天よ渦巻け。天と地、全てを覆せ。我が望み、我が願い、叶えよ!駆け抜けろ!』」
「紫紺(しこん)!!」
「ストロームハウル!!!」
ふぉぉぉぉぉおおおおおん!!!
がぁぁぁぁぁぁあああああ!!!
2頭の獣が現れた。
1頭は紫色の狐で、体が紫の炎に包まれている。
もう1頭は、水色の狼で、体が水でできている。
2頭がクラムと向き合っていた。
「さあ!大暴れしようか!!」
※あとがき
バケモノ!!!!ってなんだ、獣達か
びっくりしたーもう、大きすぎるんだよ!
あ、どうも!日向です。
なんか、れい兄達が獣を召喚しましたよー
この子達は一体……
次回、海水浴3 獣vsクラム
お楽しみにー
龍牙と潮崎が海に飛び込んで行った。
「おい!準備運動しろよー!」
俺が2人に呼びかけたんだが、全く聞こえてないのか、それとも、聞こえてるけれど無視なのか(後ろの答えなら殴る!!)分からないが、スイスイと泳いで行きやがった。
「ったく…無邪気な子供だな、あいつらは」
「いや、れい兄もでしょ?」
「誰が子供だ!俺はあいつらに合わせてやってんのー」
「いやいや、嘘でしょ?合わせてるとか…いつも、同じような行動してるじゃん!」
「いや、合わせてるんだってー」
「ぜーーーったい嘘だ!」
「俺、信用されてなくね?!」
「当たり前でしょ?!どこに信用するところあるのよ?!」
「あ、あるだろ!!なんか、こう、えっと…こうさぁ!!」
「ないんだね?っていうか、自分が1番分かってんじゃん」
「そ、そんなこと、な、ないよー」
「ちゃんと私の目を見て言えよ」
俺と日向が漫才をしている間、他のみんなはと言うと……
「日焼け止め塗ってー、背中届かなくてさー」
「いいよー……それじゃあ、行くよー」
「……ひゃあ!つ、つめたー!!」
「あ、ごめん」
七瀬さんと小鳥遊さんが日焼け止めの塗り合いっこしていて、
「あんたは泳がないの?」
「……日に当たりたくないので……」
「そう…なら、私もおろっかな?」
「……お気になさらず…遊んできてください」
「いやー、遊びたいんだけれどさー男子はバカだし、日向は兄貴と遊んでるしー、千結は七瀬さんと遊んでるし、私も疲れたし、だから、休憩しようかなって」
「……そうですか」
なんか桜花里さんと凍野さんの2人が話していた。
(ふむふむ、みんな楽しそうだな)
俺は日向と漫才をしながらそんなことを思っていた。
海にはまだ人がいて、賑わっていた。
「よし!泳ぐか!」
俺は海に向かって走った。
「ヒャッホーーーーーーイ!!」
ドボンッ!!
海は冷たくて、気持ちよかった。
「れいちゃーん!あっち泳ごうぜー」
「はいはい、行くよーそっち」
俺は泳いで龍牙のところへ向かった。
「いやー泳いだ泳いだ、疲れたー」
「お年寄りみたい」
「うっせ!龍牙に泳がされまくったんだよ!」
「ドンマイ」
「ひどくない?!もう少し労いの言葉をくれよー」
「はいはい」
日向に塩対応された俺は、しょんぼりしながら、砂の上に寝転がった。
「平穏だねー、こんなに多くの人が海で遊んでるよー、昔は…」
「そうだな……こんなことできる時なんてなかった。そこら中にクラムが出現していて、人の死体が大量にあって、道路や砂が血で染まっていたんだ…あの頃に比べたら、平穏に決まってる」
「……だよね」
日向も俺も昔のことを思い出していた。クソみたいに戦い続けたあの頃を……
「きゃああああああ!!!!!」
突然、女性の叫び声が聞こえてきた。
「何だ!!あれ!逃げろーー!!」
人々が海から逃げていった。
「あれは!!」
俺は起き上がって確認すると、クラムが海から出現してきた。
「やばそう!れい兄!行こう!」
「ああ!龍牙!潮崎!悠真!準備!」
「「「「了解!!!!」」」」
龍牙達と能力解放の準備に取り掛かった。
ぐがぁぁぁぁあああああ!!!
クラムが声を上げながら海で暴れていた。
「やばくね?あの大きさ」
「まさか……レベル4か?」
「それだと、人が逃げ遅れるはずだから、そこまでではないと思う……」
「れいちゃん!とりあえず、みんな避難したっぽい、どうする?」
「そうだな、とりあえず、俺たち男子はあのクラムの動きを抑える、その間に女子の中で回復系が使えるものは、怪我している人たちの治療を!他の女子は俺たちを援護してくれ!」
「それだと!男子の負担多くない?!」
桜花里さんが俺たちの心配をしてきた。
「大丈夫よーん!俺とれいちゃんがいたら、悠真と夏樹を支えながら戦えるし、俺ら強いから!」
龍牙が桜花里さんを説得していた。
「そ、そう…分かった」
「心配してくれてサンキューな、あ!女子で1人魁斗を……」
龍牙が魁斗を呼んできてほしいと言おうとした時……
「呼びに行く必要はない。もういるからな」
「魁斗!!」
龍牙のそばに魁斗がもういた。
「早いな!相変わらず」
「当然だ、クラムの気配がしたから飛んできた。」
「よし!全員揃ったか!それなら、行くぞ!」
「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」
みんながそれぞれの役目を行いにいった。
「来い!陽炎!」
「荒れろ!烈電槍(れつでんそう)!」
「唸れ!水沫(みなわ)!」
「来いよ!炎禍!!」
「弾けろ!灼弾!」
俺たちは各々の武器を呼び出した。龍牙は雷の力を宿した槍、烈電槍を呼び出した。
魁斗は海を操る力がある大剣、水沫を呼び出した。
現れているクラムを倒すのに最適の武器だった。
「舞え!桜霞(おうか)!」
「砕けろ!嵐手(らんしゅ)!」
「吹雪いて!蒼氷(そうひょう)!」
女子3人も各々の武器を呼び出した。桜花里さんはピンク色の剣で桜の花びらが常に舞い散っていた。七瀬さんは両手に殴る用のグローブを装着していて、手から風を生み出していた。凍野さんは杖型で、歩くたびに足元から凍っていった。
「よし!さっき言った通り、俺たちでぶっ叩く!女子はその援護でよろしく!」
「「「了解!!!」」」
「よし!行くぞ龍牙!」
「おうよ!」
俺たちはいっせいにクラムに襲いかかった。
「はぁぁぁぁぁあああああ!!!」
ガガガガガガッ、ズガーン!ズバッ!ドスッ!
ぐぎゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!
陽炎の炎がクラムの体を燃やした。クラムが海の上で暴れ出した。
「はい!よいしょーーーーーー!!!」
「はぁぁぁぁあああああ!!!」
グサッグサグサグサグサグサグサグサ!!
ヒュン!グサッ、ズバズバ
龍牙と魁斗が俺に続いて切り掛かった。
「やっぱりすごいな!あの3人」
「ああ、俺らも負けてられねぇ!!」
「ああ!行くぞ!夏樹!」
「おうよ!」
「真紅業火(しんくごうか)!!!」
「橙弾乱舞(だいだんらんぶ)!!!」
ゴォぉぉぉぉぉおおおお!!ズダダダダッ!バンバン!!
悠真と潮崎も攻撃してきた。
「女子!頼む!」
「「「了解!!!」」」
「はぁぁぁぁああああ!!!」
「やぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「桜華連突(おうかれんとつ)!!!」
「舞空連撃(ぶくうれんげき)!!!」
「『凍てつく風よ、氷の槍となれ!アイシクル・フリーズ』!!!」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカッ
ドガーン!カチカチッパキ
桜花里さんと七瀬さんがクラムに強烈な技を叩き込んでいて、凍野さんがクラムの足や腕を凍らしていた。
「やった?これで終わり?」
「いけたんじゃない?!やった!!」
「…頑張りました」
3人が各々喜んでいた。だが…
がぁぁぁぁぁああああああ!!!!
クラムが起き上がり、クラムとは思えないほどのスピードで女子3人に襲いかかった。
「危ねぇ!!!」
俺はそれにいち早く気づき、3人の元へ向かった。
「キャア!!」
3人の元へ来た俺は3人を守るように立った。そして…
キーンッ!ガガガガガッ、ズバズバ!
「くっ………」
「如月くん!!」
クラムが思いっきり俺に武器を振り下ろしてきたが、俺は防ぐことができた。しかし、連続で振り下ろされ、捌ききれず体に切り傷をつけられた。
「だ、大丈夫だ、これぐらいかすり傷だわ」
「…待って、傷…治す」
「いや、今はいらない、それよりも、あいつを倒すことに専念してくれ」
「………分かった」
凍野さんは頷くと立ち上がり、クラムを見上げた。少し怒っているように見えた。
「なぁ、れいちゃん、俺の目がおかしいのかな?」
「ん?なんで?」
「いや、なんか、クラムさ…再生してね?」
「え?」
龍牙に言われて、クラムをまじまじと見てみた。
さっきから魁斗と悠真が切り掛かっているんだが、確かに傷がついても治っていっているのが見えた。
「うわぁ……最悪じゃん」
「やっぱり再生してるのか…」
「うん、確定だな…はぁ…もしかして、あれ使わないと無理系?」
「多分…」
「はぁ…マジかよ」
俺と龍牙は肩を落とした。
「みんなー!このクラム、再生しているらしい、一気に蹴りをつけないと勝つことできないわ」
「そうなの?!」
「ああ、だから、俺と龍牙でクラムを倒す、だから、ちょっとだけ援護を頼む!」
「分かった!!」
「どうすればいいの?」
「それは……」
「フィールドを作ればいいよね?」
「え?」
振り返ると、日向と小鳥遊さんが立っていた。
「日向!」
「お客さんたちの治療が終わったからねー」
「私も頑張ります!」
「了解!なら、日向…分かるよな?」
「はぁ…誰に聞いてんのよ…いけるに決まってるでしょ!」
日向がにっこり笑いながらそう言った。
「よし!みんな!日向の指示で頼む!」
「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」
「始めようか!龍牙!」
「はいよ!れいちゃん!」
俺たちは両足を広げ、自分の手を合わせた。
「『紫の炎よ、空を舞い、地を駆けよ。九つの尾を持つ精霊よ、我が声に応え、この地に顕現せよ。我が敵を討て!』」
「『大地揺るがせ、海を唸らせ、天よ渦巻け。天と地、全てを覆せ。我が望み、我が願い、叶えよ!駆け抜けろ!』」
「紫紺(しこん)!!」
「ストロームハウル!!!」
ふぉぉぉぉぉおおおおおん!!!
がぁぁぁぁぁぁあああああ!!!
2頭の獣が現れた。
1頭は紫色の狐で、体が紫の炎に包まれている。
もう1頭は、水色の狼で、体が水でできている。
2頭がクラムと向き合っていた。
「さあ!大暴れしようか!!」
※あとがき
バケモノ!!!!ってなんだ、獣達か
びっくりしたーもう、大きすぎるんだよ!
あ、どうも!日向です。
なんか、れい兄達が獣を召喚しましたよー
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