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「ニシジマシンヤ」はスペシャル紳士
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ニシジマシンヤ…
目の前には、しゃがみこんで微笑み、手を差し出すニシジマの姿があった。
「大丈夫?派手に転んだね」
差し出された手は、ハヤミやアオイくんとは違う、少しゴツゴツとして大きく日焼けした手だった。
顔のタイプもハヤミやアオイくんとは違うが、雑誌やメディアで見るよりもイケメンで爽やか。
しかも、パーティー会場で、こんなド派手に転んだ私に手を差し伸べてくれるなんて…
周囲の視線にハッと気づくと、会場中の視線が集まっていることに気づいた。
それでも、ニシジマはまったく気にする様子なくレナを抱き起すと、
「びっくりしたよね。ちょっと、あっちで休もうか」
やさしい笑顔でそう声をかけてくれる。
うわ…なんてやさしい…
さっき、イヤーカフから聞こえてきた「バカか、お前は…思った以上に使えねぇ…」というハヤミの言葉と、つい比較してしまう。
やさしさが身にしみる…
ニシジマは、レナに肩を貸して寄り添いながら歩くと、BARの近くにある個室をノックした。
「あ…、変な心配しないで。ここ、寝室じゃないから。この個室、よく打ち合わせとかで使わせてもらってて」
やさしい笑みを浮かべながら個室のドアを開けると、BARと同じように夜景を一望できる天井から床までの大きな窓ガラスに、いくつかのテーブルとイス、ソファなどがセンスよく設置されていた。
ニシジマは、やわらかくて座り心地のいいソファにレナを座らせると、
「何か、飲みもの取ってくるね」
と出て行った。
少しして、
「ナイスっ、レナちゃーん!」
アオイくんの弾んだ声がイヤーカフから聞こえてきた。
「ナイスって…全然ナイスじゃないでしょ…あんなハデに転んでおいて」
「そんなことないよ。どういう展開にせよ、ニシジマに接触できたのは間違いないわけだし」
「…そりゃあ、そうだけど…」
「どうしたの?何か、さっぱりしない返事だね」
「…ううん、何でもない。アオイくん、ありがとね。今日はひとまず、連絡先が聞けたらラッキーっていう感じなんだよね?」
「うん、そこまでいかなくても、印象さえつけておけば、あとはどうにかなるよ。頑張って」
「うん…」
レナは複雑だった。
ニシジマは、きっと、あのモデルのように美人なミドリという女の人に酷いことをしたに違いない。
でも、レナの見たニシジマは、あんなに大勢の人たちが冷やかな目で見ている会場でも、臆することなく抱き起してやさしい言葉をかけてくれたのだ。
あの人は、スペシャル紳士だよ。
悪人なわけがない。
レナの良心とイメージは、激しく揺さぶられていた。
目の前には、しゃがみこんで微笑み、手を差し出すニシジマの姿があった。
「大丈夫?派手に転んだね」
差し出された手は、ハヤミやアオイくんとは違う、少しゴツゴツとして大きく日焼けした手だった。
顔のタイプもハヤミやアオイくんとは違うが、雑誌やメディアで見るよりもイケメンで爽やか。
しかも、パーティー会場で、こんなド派手に転んだ私に手を差し伸べてくれるなんて…
周囲の視線にハッと気づくと、会場中の視線が集まっていることに気づいた。
それでも、ニシジマはまったく気にする様子なくレナを抱き起すと、
「びっくりしたよね。ちょっと、あっちで休もうか」
やさしい笑顔でそう声をかけてくれる。
うわ…なんてやさしい…
さっき、イヤーカフから聞こえてきた「バカか、お前は…思った以上に使えねぇ…」というハヤミの言葉と、つい比較してしまう。
やさしさが身にしみる…
ニシジマは、レナに肩を貸して寄り添いながら歩くと、BARの近くにある個室をノックした。
「あ…、変な心配しないで。ここ、寝室じゃないから。この個室、よく打ち合わせとかで使わせてもらってて」
やさしい笑みを浮かべながら個室のドアを開けると、BARと同じように夜景を一望できる天井から床までの大きな窓ガラスに、いくつかのテーブルとイス、ソファなどがセンスよく設置されていた。
ニシジマは、やわらかくて座り心地のいいソファにレナを座らせると、
「何か、飲みもの取ってくるね」
と出て行った。
少しして、
「ナイスっ、レナちゃーん!」
アオイくんの弾んだ声がイヤーカフから聞こえてきた。
「ナイスって…全然ナイスじゃないでしょ…あんなハデに転んでおいて」
「そんなことないよ。どういう展開にせよ、ニシジマに接触できたのは間違いないわけだし」
「…そりゃあ、そうだけど…」
「どうしたの?何か、さっぱりしない返事だね」
「…ううん、何でもない。アオイくん、ありがとね。今日はひとまず、連絡先が聞けたらラッキーっていう感じなんだよね?」
「うん、そこまでいかなくても、印象さえつけておけば、あとはどうにかなるよ。頑張って」
「うん…」
レナは複雑だった。
ニシジマは、きっと、あのモデルのように美人なミドリという女の人に酷いことをしたに違いない。
でも、レナの見たニシジマは、あんなに大勢の人たちが冷やかな目で見ている会場でも、臆することなく抱き起してやさしい言葉をかけてくれたのだ。
あの人は、スペシャル紳士だよ。
悪人なわけがない。
レナの良心とイメージは、激しく揺さぶられていた。
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