魔界沼の怪魚

瀬能アキラ

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廃墟になった観光ホテル

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              廃墟になった観光ホテル

 この年の夏も異常な暑さであった。連日、猛暑日が続き、うだるような日々である。毎年、日中の最高気温が上昇し、五年連続であった。
 温暖化による異状気象。温暖化現象は、私達の暮らす日本列島のあちこちで報告されている。
 「毎日、お仕事ご苦労さん、今日も外は暑かったでしょう。私も家の中では、エアコンはづっとつけっぱなしよ」
 私は一日の仕事を終え、帰宅してシャワーを浴びた後、夕食時に妻が言った。
 私の仕事は建設業で、現場で主に管理業務行なっている。現場監督や作業指揮者といったところであった。日中の屋外での作業は連日の猛暑で熱中症の危険があり、直接作業を行なう作業員らは大変な苦労である。
 「もう暑いという言葉も耳にしたくない。テレビでもつけるか」
 私は妻から視線をそらし、リモコンチャンネルのスイッチを入れた。
 「東京都内の各地では昨日に続き、ゲリラ豪雨が発生し・・・ 雨の降り方が熱帯化しています・・・ 地球温暖化によって気温が上昇しているからでしょう・・・」
 テレビ画面からは東京からの全国ニュースが流れており、気象庁の解説者がゲリラ豪雨について語っている。ゲリラ豪雨は東京だけではなく、自分らの住む高知など全国あちこちで最近は発生している。
 「雨は涼しくていいけどね」
 妻は、ニュースを見ながら言った。
 「今日は高知でも猛暑日を記録しました・・・」
 テレビは全国ニュースから、いつの間にか高知のニュース番組となっていた。内容は天気コーナーの解説で、ここでも列島の温暖化について喋っている。
 「・・・日本列島の温暖化は確実に進んでいるようであり・・・ 九州や四国を北限とするナガサキアゲハが関東地方にも出現して・・・ 大阪湾には熱帯産の魚が多く確認され・・・ 北海道の高山植物の減少が・・・」
 「もうたくさんだ! この暑い時に温暖化の話などききたくない!」
 私はうんざりとした気分となり、テレビのチャンネルを替えた。
 「あら! 私、見てるのに」
 妻は不満そうに口にする。テレビ画面は、バラエティー番組となった。
 「もういいよ、暑い話題は」
 「地球の気温が上昇する温暖化って、何が原因だと思う?」
 「そんなこと知らないよ」
 妻が急に真面目な口調で言ったが、私は相手にしなかった。
 「日々の生活で冷暖房や自動車を使う時に排出する二酸化炭素のせいで、地球気温が上昇するっていっていたわよ。一人ひとりが節約すれば、温暖化は防げると思うわ」
 「馬鹿をいうなよ。このクソ暑い時にエアコンなしか! 車を使わずに歩いて仕事に行けというのか!」
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