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この世界に来てから10日たった。



ゴブリンのゴリさんとかなり

仲良くなり、食事を一日二食用意

してくれるようになった。

スープの味は変わらないけどね。



それに、色々なことを教えてくれる。

例えばここは魔王城で

この世界の人間と魔族が

戦っている最中だということや

私は攫われて人間に対する

人質にされていることなどだ。





ただ、普通は知ってることを

私が次々に質問するから

ゴリさんが私を奇妙なものを

見る目でみてきた。



だから、ゴリさんには

私が転生者であると明かし

てしまった。



三日目くらいにポロッと。


この感じなら召喚より

転生の可能性が高いし

隠す必要もないかなって

思ったからね!





すると彼は


「ガハハッ。そうだったか!」



とは言っていたがその後も

普通に接してくれた。




良かった。


やっぱり変に隠してしまうより

打ち明けていた方が気が楽だ。


それに、そこまで驚いていない

から私みたいなのは案外多いのかも

しれない。



機会があったら元の世界に

ついて語り合いたいね。


その人たちと。





二日前にようやく綺麗に

できたベッドの上で

のほほんと考えていると、


外から




カツ カツ




と、足音が聞こえてきた。


んっ?

こんなこと初めてだ。




ゴリさんが言うには

この部屋の周りには

他の部屋がないらしいから、

この足音はここに向かって

来ている可能性が高い。




それに、ゴリさんは素足の

ためこんなヒールをはいた

ような音はしない。



…………誰?



警戒心が高まってくる。


足も手も拘束されているため

襲われたらなにもできない。





そうだ。


よく考えたらここは魔王城。



突然殺されてもおかしくは

ないかもしれない。



ゴリさんがいい人すぎて

忘れていた事実を思い出した。



……怖い魔物がきたらどうしよう。




とりあえずベッドから

おりてみた私は部屋を

グルグル歩く。




それでも良い考えは

思い浮かばず、

その間に

足音はここにたどり着いて

しまった。



そして、部屋の鍵が

ギイッと開けられた。



あぁ、私ここで死ぬかも。



恐る恐る扉の方向を見る。




そこには絶世の美男子が

たたずんでいた。



んっ?

どういうこと?


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