オタクな母娘が異世界転生しちゃいました

yanako

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153.アリシア・ヴァロワ元候爵令嬢

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「アリシア・ヴァロワ……」
男は呟いた。

「なん……で、アリシア・ヴァロワが……」

「ごきげんよう。ディエゴ。ここはあなたのご実家だったわね」
アリシアは男を見て、ニッコリと笑った。


「なんで、ここでイザックやマルタン商会と一緒にいるんだよ……アリシア」

「それは、あなたが知る必要の無いことよ?」


リナはジャンの背中の陰から、アリシアを見た。
フォレールにいるアリシアとは違う、高位貴族の令嬢であるというオーラが感じられる。

「これが、高位貴族の令嬢……」
リナは呟いた。



「王都では、ヴァロワ家がお前を捨てたと言われているぞ」
ディエゴと呼ばれた男はアリシアに言った。

「それは、ヴァロワ家の問題であって、他の人たちには関係の無いことですわ。そうでしょ?」

「お、お前がもう、候爵家の人間じゃないのなら、俺にこんな口をきいたことを、後悔するぞ」

「あら。それはあなたも同じことではなくて?あなたのお兄様が爵位を継いだら、あなたはどうなるのかしらね?」


ディエゴはググと唸った。


「あなたには分からないかも知れないけれど、ここにジラール商会と、マルタン商会の息子がいて、ヴァロワ家の娘がいて、不思議だなぁと思わないの?何をしているのか、何が動いているのか?そんな事も考えられないようならば、あなたこそ、ベルトランで牛の世話でもしたほうがいいわよ?」

「う、牛?」


「えぇ。昔の誼で、ヒントをあげるわ。感謝することね」

「俺に、牛の世話をしろだなんて言って!何が感謝だ!」

「覚えておいた方がいいわよ。ヒントはあげたわ」

アリシアは、ディエゴをみて、鼻で笑った。


「な、な、なんなんだよっ。お前ら揃って何をしているんだよっ。お、おい!マルタン商会!」

ディエゴはジャンに矛先を向けた。
ジャンは貴族ではない。だから、ジャンなら口を割るはずだ……


「無理よ?ジャンはルフェーブル候爵家の曾孫よ?知らなかったの?」

「ルフェーブル候爵家……」
ディエゴは唇を噛んだ。

「分かったなら、そこを退いて」
アリシアはそう言うと、胸を張ってディエゴの前を通り過ぎた。

「も、もう貴族じゃないくせにっ!」

アリシアは、優雅に振り返ると
「表面だけを見れば、そうなのかもね?表面しか見なければ」
と言って、ニッコリと笑った。

アリシアをイザックが追い、ジャンはリナと手を繋いだまま、ディエゴに会釈をした。


「なんなんだ……何が行われようとしているんだよ……ルフェーブル家のとヴァロワ家の2候爵家が関わる事って……なんなんだ?」
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