オタクな母娘が異世界転生しちゃいました

yanako

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160.帰りの馬車の中

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ジュールは、クッキーを運んできてくれた少年と何かを話して、それからボーヴォに帰ることにした。

馬車の中では、ジャンとアリシアがセットアップのデザインなどの打ち合わせをしていた。

また、イザックとリナもバター以外の乳製品の開発について、意見を出し合っていた。

「ねぇ、イザックさん。王都には、貴族の子息って沢山いるでしょ?後継ぎにならない人って、みんなどうしてるの?」

「後を継げない場合、婿にはいるか、騎士になるか、文官、教師か、あとは、自分で商会を起こしたり……かな」

「そうか……ボーヴォに力を貸してくれるような人がいないか、ライアンさんに聞いてみようかな?」

「ライアンに?」

「うん。朝言ってたガイドブックも作りたいの。そのためには、王都の流行に詳しい貴族の協力も必要だしさ。これから、南部地方をガンガンに盛り上げて行きたいし!そのために、お金も稼ぎたいし!今回の目的である、優秀なデザイナー件縫い子さんを見つけ次第、即契約してさ、ボーヴォ専属にしたいの。店舗は王都に持ったとしてもね。王都支店よ」

鼻息も荒くまくしたてるリナに、イザックは感心してから、笑った。


「リナは校長にそっくりなんだな」
「そう?よく言われるけど」

リナも笑った。


「どうして、そんなにまっすぐに頑張れるんだよ?この辺で、もういいかな?とか思わないの?」

イザックは訊いた。


「あーちゃんも、イザックさんも貴族でさ、王都のきらびやかな生活を知ってる人がさ、ボーヴォみたいな田舎に来て『のどかでこんな生活もいいかな~』って思ってくれているのかもだけど、ボーヴォで生まれて育ってる人たちにしてみればさ、のどかな生活しか知らないわけ。同じ人間なんだもん、色々な経験したいじゃん?毎日毎日、ただ働いているだけじゃなくてさ。楽しいって思える生活をしたいじゃない?そのために出来ることは、やってみたいわけ」

リナはイザックにそう言うと笑ってみせた。

「美味しいもの食べて、素敵な服着てさ、時には旅行もしたりしてさ。当たり前だけど、今まで手に入れることができなかったもの。それをね、なんとか手に入れられるように、頑張るわけ!分かった?」

「……分かった」

イザックはリナを眩しそうに見た。


「でも、嬉しい!イザックさんとあーちゃんがいて。凄く心強いし、頼りになるし!」

リナは鞄からメモを取り出すと、鼻歌を歌いながら、何かを書いていた。
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