私だけが知っている〜キモい主人公を彼氏にしたあとで、イケメンに改造しちゃいます〜

yanako

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マイロ変身中?(改)

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私にも魔法が使えることが分かったあの日。
マイロが私のために、魔法の杖を作ってくれた日。

私はあの感激の日のことを、一生絶対に忘れないと思う。


あれからマイロは増幅器の調整が必要だと言って、色々と考えているみたい。

詳しいことは分からないけれど、マイロが本当に頼もしく見える。
心なしか、顔のニキビも減ってスッキリしてきたみたい。
フェイスラインもシャープになってきたような?


「マイロ。なんかニキビ凄い減ってない?」
「そうだねぇ。ちゃんと洗顔してるからかな?」

「顔も小さくなった?」
「どうかな?野菜飲んでるからじゃない?」

「ん?野菜飲んでるの?」
「うん。寮でもスムージー飲んでる。そうだ!家族も飲んでるんだって」
「家族も?」
「この間会って、僕の変化を見た母が、何があったか聞きたがるから、スムージーを飲み始めた話と、洗顔方法を変えた話をしたの。そしたら、実家でもスムージーが食事前に出るようになったんだって」


私は改めてマイロを見る。
栗色の髪はサラサラになり、顔のブツブツもだいぶ減り、ひと回りスリムになったマイロ。
最近は、会話もスムーズにできるようになってきた。


小説の中のマイロは、容姿も素敵、頭も良いモテモテのエリートになるんだったわ。

最近は、すっかりそんな事忘れてた。
小説の中のマイロより、目の前のマイロの方がずっと魅力的で。


ん?魅力的?

私はまじまじとマイロを見た。
そうよ、そうなのよ。
マイロは魅力があるの。
小説の展開より少し早いけど、確実にいい男になってきている。

そのうち、みんなマイロの魅力に気づいちゃうかもな……

そんな事を考えながらマイロを見つめていると、私の視線に気づいたマイロがどうかした?と首を傾げた。

ヤバっ、可愛くない?


「魔法実習憂鬱だなと思ったの」
「あー、でも、本当はできるんだから、大丈夫って思えるじゃない?今回は間に合わないけど、休み明けの補習には間に合わせるから」
「そうだね。ありがとうマイロ」
「ど、どういたしまして」


私たちはお互いに、『どういたしまして』と素直に言うことにしている。

謙遜したりする必要はないから。
感謝されたら、それを受け取る。それだけ。
それだけだけど、すごく幸せな気持ちになれる。


「何話してんの?」
後ろから話しかけられて振り向くと、マリーだった。

「ここ、座ってもいい?」
そう言うと、マリーは私の隣にドカッと座った。




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