若葉の頃に

服部雷風

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若葉の頃に

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オレは今年、こっちに戻ってきた。四年生の時に自分の、いや、家族の憧れだった『東京』へ引っ越した。
家は、金的には豊かだった
ので、引っ越したのだ。もっと昔からそうしていればよかったのだか、父、母の生まれ育った故郷から、離れることは考えていなかったのだ。しかし、東京での暮らしは楽なものではなかった。

「今日から一緒に過ごしていく、遠野 日向君です。」
「よろしくお願いします!
」オレはとても緊張していた。東京の生徒たちは、キラキラしたものばかり持っていて、日向の知らない言葉をたくさん話していた。
日向は恐怖だった。憧れだった東京に来れて、幸せで嬉しいはずなのに…。「質問です!どこから引っ越してきたんですかぁ❓」日向はビクッとした。みんなが少しバカにしたようにクスクス笑った。(ばれてる⁉️
)「えっと…三重県熊野市です。」「は?」「どこだしぃ~~❓」その時はみんなと一緒に笑っていた。その時はまだ、その笑いの陰に何が隠されていたのか知らなかった。

転校二日目。日向が慣れない教室に入って行くと、何人かの男女が寄ってきた。
「なぁなぁ、お前、昨日三重県熊野市出身ってたよな
ぁ❓」「う、うん。」「うちさぁ、調べてきたんだけど、そのぉ、熊野市って、めっちゃくちゃド田舎らしいね。」オレは逃げ出したくなった。何で平気で人を傷つけるようなことを言えるんだろう。確かに東京の人にとっては田舎育ちの人の気持ちなんてわからないかもしれない。でも、それは東京とか田舎とか関係ない!「黙り込んだし。」「
あ…うん。そうなんだ。熊野市って本当に田舎なんだ
。コンビニ行くのに、山を越えていかないといけないんだ。2時間かかるんだよ
。」(あ、ヤバイ‼️なんか1人で話しすぎた。みんなそこまでき興味もってないよね?)「へぇー。」1人が冷ややかに言った。「何それ自慢❓」「いや自慢にならないっしょ。」オレは今すぐ自分の生まれ育った故郷に帰りたくなった。                        

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それからの毎日は、田田舎者ということをバカにされる毎日で、本当に辛かったのだが
、父の仕事もまだ慣れずに
、母も近所付き合いが大変で、自分だけじゃないということを考えると誰にも相談出来ずにいた。日向の性格は、本当に優しくて、誰かが我慢しなければいけない。誰かが我慢するくらいなら、自分が我慢すればそれで済む。そう考えていた
。だから、困ったことがあっても、そのせいで誰かに心配をかけるくらいなら、
誰にも言わないでいた方がいいと思っていた。

「あ❗️田舎モンがこっち見てるぞ。」「どーせ、羨ましいんでしょ。」「帰れ帰れ‼️」みんなの前では泣けなくて、家に帰っても、泣けなくて…。建物ばかりの東京でも、日向が心のよりどころにしている景色があった。日向はもともと景色を見るのが好きで、熊野では、そんな綺麗な景色か見れるのが『ふつう』だった。しかし、東京ではそうはいかないので、景色の見れるスポットを探していたのだ。やっと見つけたスポットは、そこまで行くのが大変だった。何故ならそこはビルの屋上。ことも1人で進入禁止の所へ行かなければならないのだ。 

🔖
ビルに入って、エレベーターで、最上階の展望台のような所へまず行く。そして大家族に紛れ込んで、移動して、非常階段を登って行けば、ビルの屋上に着く。その景色は熊野とは違う美しさだった。自然など全く感じられない。しかし、その代わりに美しい夜の街が見えた
。夜のはずなのにとてもにぎやかで、楽しそうで、 ネオンが輝いて見えて…。そして、日向の一番のお気に入りは、一番目立つ大きな看板に【TOKYO】と書いてあるものだった。いろんな色に変色して、チカチカ光り輝いていた。日向にとって珍しいもので、新鮮だった。(こんな綺麗な夜景…
ここに出会えたことが、東京に来て一番の幸せだ。夜景なら、熊野に負けるもしれない…ここになら、もう一度来たい…)昼間は東京になんて来なければよかったと思っていたのに、今は東京のこの景色を見て、幸せだと感じている。複雑だった。また明日学校に行けば、いじめられるのかもしれない。でも、いじめっ子達だって、この夜景を見れば心が和らぐだろう。見せてあげたい。いじめっ子達に。家族に。そして熊野の仲間に。学校生活は自慢できるものじゃないけど、この景色は胸を張って自慢できる。

🔖

なんだかんだ言って、引っ越してから一年が経とうとしていた。
遠野家の雰囲気はすっかり変わっていた。みんな疲れ切っていて、みんな自分のことで精一杯だった。ある日。家族揃って朝ごはんを食べていた日曜日。むしゃむしゃ。もぐもぐ。「もどろう。」「え?」母さんとオレは口をそろえて言った。「もどるんだ。もどるなら、今しかない。年度が変わる前に。」「…、何を言ってるのです?お父さん
。まだ越してきて1年ですよ?」「わかってるんだぞ
?母さん。お前が苦労して町会の役員をやっていたり
、近所で仲間外れにされていたり……」「……」「日向。お前も学校でいじめられているんだろう?田舎モン田舎モンって。」「……
」「父さんはまだ頑張れる
。でも、父さんだけの問題じゃない。だから…また、父さん達のふるさとに帰ろう。」「待って!父さん‼️
何言ってんだよ!オレ、何があっても、ここを、東京をいつかきっとふるさとだと思える日が来る信じてやっていこうと決めたのに………」「悔しいのか。日向。」日向は小さく頷いた。「いつか…いじめっ子達もわかる時が来るさ。お前は犠牲じゃない。お互いに学び合うんだ
。だから、日向にもあるはずだ。あいつらから学んだことが。今はわからなくても、いつかきっと、きずくさ。」父は日向を見つめた
。日向から、大粒の涙がこぼれ落ちた。今まで誰にも見せられなかった、涙が。
つられて、母も、父も、今までの分を全部出しきるかのように…。「いいよな?
日向。」日向は泣きながら
頷いた。「母さん。」母さんも頷く。「よし。みんな
、それぞれお世話になった人に挨拶をして、春休みになったら、引越しだ。」その時の日向には、父さんが家族を連れて逃げているように見えた。それでも、父さんの背中大きかった。

🔖

「去年東京に引っ越してきた遠野くんが、また、三重に戻ることになったそうです。」「今までありがとうございました。先生も、お世話になりました。」本当はぜんっ前そんなこと思っていなかった。ありがとうなんていう友達がいた覚えはないし、東京の子をひいきする先生になんて世話になったとは言えない!でも
、これがこいつらと交わす最後の言葉なんだ!と思うと、少し気が楽になった気がした。

「すみませーん。」「なによ!早めにしてちょうだい
。」「あの、引っ越すことになりました。短い間でしたが、お世話になりました
。」「は?」「それでは。
」   「すみませーん。」「
あら、遠野さん。町会の仕事は?」「あの、短い間でしたがお世話になりました
。引っ越すことになりました。」「へ?」「それでは
。」

「部長。1年間という短い間でしたが、本当にお世話になりました。」「ん?」
「引っ越すことになったので、退社します。」「なにを急に。」「急ですが、もう決まったことなので。」

遠野家の家族は、皆、堂々と別れを告げた。「準備…できたわね…。」「うん。
」「よし!明日だ。心配はないな?母さん。」「ええ
。」「思い残すことはないな?日向。」「ないよ。」
「なんか…これだけ苦労していたのに、いざ離れるとなると、なんだか寂しい気がするわ。」「そうだな。
よし、今夜は良く眠ることだ。」

🔖

日向は、飛行機に乗って東京をたった。何時間も日向は眠らず、変わる景色を静かに眺めていた。いつからか建物が少なくなってきて
、田んぼが見え始めた。空港からバスで熊野市まで行った。いつからか建物が全く見当たらなくなり、山や田んぼや畑しかみえなかった。日向は、遠野家は、その景色を見て、少しホッとしていた。「なんだこりぁ
…。」「あらあら。畑や田んぼがぐちゃぐちゃね。」
「また一からだ。でも、なんか良かった。」「そうね
。」遠野家はまた一から、気持ちも畑もやり直すと決め、日向の学校も、4月から転入という形で入ることが決まった。「明日。始業式よ。準備はできたの?」
「出来てるよ。」「莉子ちゃんなんかも元気かしら。
」「莉子のことだ

から…。
」「ふふ。そうね。」日向は、熊野の景色を見て、あのビルの屋上からの美しい夜景を思い出した。あの日は、家に帰ると、母にとても、叱られた。

「こんな時間まで外に行く子は、うちの子ではありません‼️」バタン❗️日向は家の前のサラサラ風で揺れる田んぼを見て、待っていると、父が家から出てきて、
「日向。反省したのか。」
「…、はい。」「入れ。」
「…、、。」

なんだか、あの夜景が、【TOKYO】というキラキラした看板が、懐かしくなってきた。(なんだかんだ言って、1年いたんだもんなぁ


🔖

「きょうは、転入生を紹介しよう。」「え⁉️この学校に転入してくる人がいるんですか❓」生徒の一人が言った。確かに、熊野小は、人数がとてもも少なく、今すぐにでも閉校しそうな学校だった。「そうだな。でも
、人数が増えることは、とても喜ばしいことだ。優しく出迎えてやんだぞ。それでは、入ってください。」
ガラガラ。先生がドアを開けた。「⁉️」「うそだろ⁉️
」「日向‼️」「遠野‼️」みんな口々に言った。「遠野日向です。よろしくお願いします。」「なに改まってんだよ!」「そうだよ!前みたいに話せよ❗️」みんな
、自分を受け入れてくれる
…自分の全てを。日向は嬉しかった。クラスの仲間。
なにも変わってない。「実
はもう一人転入生がいてな
。でも今日は欠席なので、
また明日だ。遠野君。そこへ座って。一人席だが構わんね?明日からは、転入生が来て、隣に座るから。」
「はい。」一人席でも2人席でもなんでもいい!このクラスに居れる。それが幸せ。小さな小さな始業式が終わると、みんな日向のところにあ集まってきた。一部の女子を除いて…。「日向‼️久しぶり。」「久しぶり。」「相変わらずだな。
」「康祐もな。」「本っとお前ってバカだよな。」「
東京に行ったことか?」「
あぁ。そうだよ。どうだった?」「何かこう…、馴染めなかった。田舎モン田舎モンって、…。」日向はそれ以上なにも言えなかった
。思い出すだけで、胸の奥が辛くなる。「悪い。思い出させちゃったかな。でも
、戻ってきてくれてよかった。日向はもともと人がいいし、東京なんか行ったら周りに押しつぶされそうだったから。」康祐の優しさに、日向は心から感動し、感謝した。その気持ちがこくぼれ落ちて、思わずニコッと微笑んだ。それを見て、康祐達も笑った。

🔖

次の日。昨日とは違うドキドキがあった。前までは、幼なじみで、家がすんごい近くもある莉子と一緒に登校していたのだが、これからも一緒に登校してくれるか心配だった。朝。日向はいつもよりもずっと早く起きてしまい、畑の様子を見に行った。すると、もうすでに畑仕事をしている父がいた。日向に気付いた父が
「おはよう。日向。」「おはよう。父さん。」「今日は早いな。」「何か…起きちゃって…。」「そうか。
」「今日。日向が学校に行っている間、牛田さん家に
挨拶をしに行ってくる。日向は帰ってきたら挨拶しに行きなさい。」「はい。」
そして…。莉子の家の前。日向はぼぉーっと立っていた。すると、家から莉子が出てきた。「行ってきまぁす!」「あ…。」日向は思わず声を出した。そして莉子も気ずく。「いたなら言ってよ~。」「ゴメン。」「久しぶり。」「うん。久しぶり。」…。莉子が立ち止まった。「え…。」「バーカ‼️」莉子は思いっきり言った。「…。」「ふざけんなって。日本一の田舎っ子が日本一の都市東京に行くなんて。」ふふん。日向はニヤッとした。「さみしかった?」「何言ってんの
。」莉子といると楽しい。でも、莉子はまたひとつ変なところが大人びてしまったような気がする。

「おはよ。日向。」「おう
。康祐!雄太もおはよ。」「おはよ。」フッと隣を見ると、さっきまで隣にいた莉子がいない。すでに、咲たちのところへ行っていた
。「朝の会はじめるぞぉ。
」みんな席に着いた。「今日は、昨日来れなかった転校生が来ます。入って。」
すると、色白い黒髪の少女が入ってきた。うつむき加減で下を向き、ランドセルに手をやっている。その子はマッシュルームカットがちょっと長くなったような髪をしていた。「伊勢垣 真歩美です。」白いワンピースは彼女にとてもよく似合っている。

「ねぇ、伊勢垣さんの服、可愛いね。」「ありがとう
。」「どこで買ったの。」
転校すると、あるあるの質問攻めにあっている。「えっと、東京。」⁉️東京…。日向は『東京』にひどく敏感になっていた。「え…もしかして、伊勢垣さんって
…。」「ええ!!東京?お前
、東京から来たの‼️」男子が思いっきりでかい声で言った。「うん…。」オレは
、ただ見てた。ただ過ぎてった。

🔖

次の日。「ええと、じゃあこの問題を桃山台、言ってみろ。」「えぇ。わかんない。」それを聞いた咲が、「問3ねぇ。東京人ならわかるんじゃない。」信じられない。うそだろ。隣では
、伊勢垣がうつむいている
。決意した。オレは自分のノートをさりげなくずらして伊勢垣に見せてやった。
その時伊勢垣は泣いていたのかもしれない。オレを見た伊勢垣の目が、いいの?
と聞いた。オレは頷く。伊勢垣はおそるおそる立った
。「26です…。」消えそうな声が聞こえる。お願い
❗️あってて❗️「正解。」良かった。けどもう、横目で隣を見れなかった。

次の日。下校中。みんなだいたい同じ方向に帰るから
、もちろん伊勢垣も同じ…のはず。なのに伊勢垣は独り体育館の方へ歩いていく
。「あ…。」「日向、じゃーな。」「うん。」「日向っ!帰ろ。」「莉子。ヤベエ。忘れ物した。」「なんだよぉ~。先帰るからネッ
。」スタスタスタスタ。よし。裏を通って体育館の裏に行くと…。伊勢垣が腰かけて泣いていた。「うっうっ。」「どうしたんだよ。
」すると真歩美は顔を上げた。初めてじっくり見る。
きれいだった。「てかお前
、ここは靴だぞ。」「靴、ないの。」「は?」「莉子ちゃん達が持ってった。」
…。「莉子が?」「うん。
立ち聞きしちゃったの。昨日あの問題に答えられたのは遠野君のおかげだって…
。」日向は唇を噛み締めてから、靴をぬいだ。靴下までぬいだ。はだしになって
、門までかけた。「それ履いて帰れ。明日、莉子に出させる。」「…。」真歩美は顔を赤らめた。「ありがとっ 真歩美って呼んで。」
「えっ、うん。オレは、日向で。」

🔖

朝は莉子と登校し、帰りは真歩美と帰る。そんな日々が続いた。「靴は返してもらったけど、もう何もない
?」「うん。ありがと、日向。」別に。オレ、東京でやられたこと、東京の人だからだと思ってた。けど、違った。

「最近さ、あの真歩美って子?調子乗ってない?」「
だって、ずっと楽しそうに遠野と喋ってんしゃん。」
「遠野は莉子と一番似合ってんのに❗️」「笑。確かにちょっと、調子乗ってるかもね。」ニヤ。「自分の立ち位置、分からせてあげよっか。」

翌日。真歩美は自分の机を見てビックリした。『死ね
アホ 東京人 バカ』などと
、落書きがされている。しかしその日は、日向は遅刻
だった。守ってくれる人がいない。……ぼっち……。
莉子達はそれを窓側の席から笑って見ていた。

日向が用事を済ませて学校へ来た。しかし、真歩美がいない。「莉子、真歩美は
?」「知らない…。」莉子はあっと言わんばかりに日向の後ろ姿を見ていた。走っていく日向の後ろ姿を…

体育館裏。「真歩美っ‼️」
「うっうっ。東京に…帰りたい…。」…。「フンッ…
。」真歩美は走って行った


🔖

次の日から真歩美は学校に来なくなっていた。日向の隣の席は何日も空いている
。その日は雨だった。今日も日向は一人で帰る。帰り道。下を向いて歩いていると、気配を感じた。まっすぐ前を見ると、真歩美が立っていた。「真歩美…。」

ザーザー。二人は大きな木下の、大きな石に腰掛けた
。すっかり夕暮れ時。「私ね、東京にいた時、お父さんが社長だったの。社長といっても、たいした事ないんだけどね…。それで、お父さんもお母さんも毎日忙しくて…。私、いつも独りだった。だから、毎日つまんなくて。そんな私はね、小さい頃からずっと、夜になると、お父さんの会社のビルの屋上で、夜の東京を
みていたの。こことは比べものにならないけど、それでもキラキラしていてステキなの。何より励まされてのは、【TOKYO】という大きな看板なの。いろんな色に変わって、とっても派手なネオンなの。」それを聞いた日向はハッと顔を上げた。それでもお構いなく真歩美は続ける。「その看板を見ると、その、【TOKYO
】という文字を見ると、私の故郷東京。私の自慢の東京。ここは私の故郷。って
、誇らしくなるの。」日向
は真歩美を微笑ましく、そして眉を潜めてみた
。「オレも……そう思ったよ……。」真歩美はそんな日向ことばなどそんなに気にしていなかった。

🔖

次の日。真歩美は学校に来た。相変わらず真歩美はひとりだったけど、授業中に
クラスの男子がふざけると
、みんなと一緒に笑っていた。日向は嬉しくてしょうがなかった。そして、安心した。しかし……。休み時間。水筒を飲もうとしても
、まだ人食いも飲んでいないのに空っぽだった。真歩美は唇を噛み締めた。そして業間が終わると。真歩美の筆箱の中身が無かった。
中身は、ゴミ箱とトイレに捨ててあった。そして、給食中。「伊勢垣さん目ちっちゃ!」「ちょーブサイク~~。」「んふ。」真歩美はごまかし笑いを浮かべた。すると、「キッモ~。
ちょ、やだぁー!近づくなよっ。」日向は止めに入ろうとしたが、そんな勇気ない。でも、幼なじみの莉子になら言える。「莉子達!
さすがにヒドイよ。」「は
何いいこぶっちゃってんの
~~!」「もしかしてマジメ?うっわぁー。マジメ嫌いだわぁ。」咲、小春、志乃が言った。莉子は日向に言われると弱い。「莉子。
こいつ、前からウザくね?
なんか言ってやんなよ。幼なじみなんでしょ?」「そうだよ。いい加減黙らせようよ。」莉子はそれでも何も言わなかった。真歩美は
涙を必死に我慢していた。

🔖

5時間目は水泳。授業が終わるとみんな更衣室で着替えて各自教室へもどる。6時間目。日向は隣がいないことに、1番に気が付いた
。「先生。真歩美がいません。」「本当だ。知ってる人は。」みんな莉子達を見た。「なに?」「いや、うちらなわけないじゃん。」まさかーーー。日向の頭に嫌な何かが横切った。日向は授業中にも関わらず、音を立ててバンっと立ち上がり、教室飛び出ていった。
日向が向かったのはプールだった。女子更衣室。うしろめたいとか思ってらんない。誰もいないはずだから
。日向はいきおいよくどあをあけた。‼️「やめろっ‼️
」真歩美は首を釣ろうとしてた。日向は真歩美に飛びついた。「バカ。」日向は
、真歩美がこれほど追い詰められていたなんて知らなかった。死ぬなんて、そんなことするはずない。勝手にそう決めつけていた。いや、無意識にそう、信じていただけなのかもしれない


🔖

2人がプールだったから出ると、入り口のところに先生や、一部のクラスメイトがいた。「伊勢垣❗️」「どうした?」「いや、無くし物です。な?」「う、うん
…。」「そうか。」「先生か誰かに言ってから探しなさい。」みんななーんだと歩いていった。「真歩美。
お前は冗談のつもりでも、
本気で心配したんだぞ。」
「冗談じゃない。結局そんなゆうきはなかったけど、死にたいって……思った。
」日向は真歩美を真っ直ぐ見つめた。

🔖

帰り。2人の集合場所。体育館裏に、2人か集まると
…。丁度少し離れたところに、莉子達がいた。真歩美
はもう帰ろうと言う。大丈夫と言うように日向は少し前に出て進んだ。近づくと
、見えた。莉子が向こう側に立って、こちら側には咲
、小春、志乃が立っている
。対立するようにして。「
うちね、ずっとリーダー狙ってたの。でも、前までは莉子が絶対リーダーだった
。…、最近さ、結構負けてんじゃん。なら、もっと強いうちがリーダーになるべきじゃない?」「志乃もそう思う。」「小春も。」「
ま、莉子がやだっていうなら、うちは3人でグループつくっちゃってもいいけど
。」日向も真歩美も驚いていた。莉子が黙り込んでいる。「そしたら、莉子、ぼっちじゃん!」「ぼっちと言えば、あの東京人。あいつと仲良しになれば?笑笑
。」「笑笑笑。」日向は向かって行こうとした。しかし、真歩美はとめた。その腕を振り払って、日向は向かっていった。みんな驚いた。「え…いつから…。」
「オレ…去年から、1年間
。東京での1年間。学校の
みんなにいじめられてたんだ。田舎モン田舎モンって
。毎日辛くて…ふるさとに帰りたいって思った。きっと熊野のみんなは、他のとっから転校生が来たら、優しく仲良くしてあげるんだろうなぁって。ここは東京
。東京だから、こんなことされるんだって。でも、違った。真歩美に莉子達があんなことをした時、ショックだった。けど、オレだって、東京にいた時、東京の人だからって東京の人が悪い人みたいに…。でも、東京の人も、熊野の人も、みんな自分のふるさとが大好きだから…守りたいから…
ちょっと違う地方の人が来ると、警戒しちゃうのかなって。けど、本当に大好きなら、もっといろんな人に
見て欲しいって思うんじゃないかなって。オレ、熊野の景色も、東京の夜の街も
、本当は誰かに…家族に…
いじめっ子に…熊野のみんなに…見て欲しいって心から思った。だから、これからは、自分の、自分たちの自慢できる、誇れるふるさとに、誰かが新しく入ることを受け入れて、もっといろんな人に見てもらおうよ
……。」莉子は唇を噛み締めていた。咲達も下を向いていた。ただ、真歩美と日向は真っ直ぐ前を向いていた……。

🔖

「ここは東京。私の故郷東京。私の自慢の東京。ここは私の故郷。フフ。」「確かにキレーッ❗️」「つーか
、東京にこんな景色あったんだ。」「住んでんのにしらなかったよねー。」周りには、日向、真歩美、莉子
、咲、小春、志乃、東京の
いじめっ子達がいる。みんなの目に【TOKYO】が映っていた。
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