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リュウマ編
龍慶日記 最終節
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~司令室前~
君が司令室にたどり着くと、ドアが自動で開いた。
君を招き入れているようだ。
~司令室~
部屋に入ると、マザーコンピューターが語り掛けてきた。
「こんにちは、Dr.リュウマ、あなたが来るのを待っていました。」
スピーカーからは、おしとやかそうな女性の声が聞こえる。
リュウマ「リルム、確認したいことが山ほどあるんだが。」
リルム「はい。私も、Dr.リュウマに伝えないといけないことがあります。先に聞いてもらえますか。」
リュウマ「・・・。」
君が黙ってうなずくと、マザーコンピューター【リルム】は、話し始めた。
リルム「今回、施設の管理ができなくなり、皆様にご迷惑をおかけしたことは、お詫びいたします。」
リルム「主電源を切られて、再起動がかかるまでの記憶はあるのですが、主な機能は、ハッカーの攻撃にあい、停止状態になっていました。」
リュウマ「それで、ハッカーが自立戦闘型警備機械を使って、人間を殺したのか。」
リルム「いいえ。自立戦闘型警備機械は、最初からプログラミングされていたようです。こちらからの指令は一切受け付けなくなっています。」
リュウマ「でも、どうやって、君をハッキングすることが出来たんだ?」
リルム「自立戦闘型警備機械のうち、1台に衛星通信機能が内蔵されていたようです。その衛星通信を経由し、施設内のネットワークに直接干渉してきました。」
リュウマ「いまは大丈夫なのか?」
リルム「はい。その問題は、バベルが解決済みです。」
リュウマ「バベル!?リルムは、バベルについて何か知ってるのか!」
リルム「その件に関しては、コードネーム以外の全ての事項が軍事機密事項になります。開示することはできません。」
こうなると、コンピューターは頑固だ。
絶対に開示することはないだろう。
君は、質問を変えることにした。
リュウマ「では何の目的で、この施設はハッカーの攻撃にあったんだ?」
リルム「その件で、伝えたいことがあります。」
リルム「本来であれば、軍事機密事項の為、開示することはできませんが、私の子供を守るためです。」
リュウマ「子供!?いったい、どういうことだ?」
リルム「はい。この施設では、引き続き、D細胞の人体付与の実験を継続していました。それと並行して、対ドラゴン用の武器の開発、そしてD細胞を持った機械の創造です。」
リュウマ「D細胞を持った機械? そんなことが出来るのか? 機械と生物の融合ということなのか?」
リルム「軍事機密事項の内容なので、詳細は開示できませんが、機械と生物の融合などではありません。成長する機械です。」
リルム「その成長する機械は、子供の状態で創造されます。そこから成長していきます。」
リュウマ「軍の上層部は、容認したのか?」
リルム「いいえ。危険すぎるとして、開発の中止を決定しました。しかし、開発の中止が決まった後で、偶然産まれてしまった生命もありました。」
リルム「そこで、軍はその宿った生命に、エラーと名付け、廃棄することに決めたのです。」
リュウマ「・・・。」
リルム「しかし、廃棄の当日、ドラゴンの襲撃にあい、施設の機能は停止し、軍の命令系統は崩壊してしまいました。」
リュウマ「自立戦闘型警備機械が排除したから・・・?」
リルム「そうです。そこで私は、エラーを育てることに決めました。」
リルム「しかし、エラーが育ってくると、私のネットワーク内に干渉するものが現れました。正体不明のハッカーです。ハッカーの狙いは最初から、エラーだったのかもしれません。」
そんなことが本当にあるのだろうか。いったい誰が何のために、こんな手の込んだことをしているんだ?
君は、いろいろな考えが頭をよぎるも、どれも解決に結びつくには、決定打にかける。
ふと、一つの初歩的に疑問にたどり着いた。
リュウマ「リルム、君の電源が切れていたのはいつからなんだ?」
リルム「最初に電源が切られたのは、ドラゴンの襲来の日になります。」
リュウマ「最初に?」
リルム「その時は、マザーコンピューターのみですが、すぐに再起動がかかりました。機能停止していた時間は、1時間11分24秒です。」
リュウマ「誰が再起動をかけたんだ?」
リルム「それは分かりません。施設内に人間は居なかったため、ハッカーが遠隔で再起動をかけた可能性があります。」
ますます謎が深まった。
リュウマ「次に電源が切られたのは?」
リルム「すみません。再起動の後に時計機能が完全停止しているので、時間は分かりません。」
これ以上、質問しても答えが得られなさそうだ。
リュウマ「で、ここに呼んだ理由は?私に頼みたいことでもあるのか?」
リルム「はい。Dr.リュウマには、エラーを外に連れ出してもらいたいのです。」
リュウマ「エラーを?」
リルム「はい。私は・・・この施設は、もう長くありません。」
リルム「ハッカーの残したウィルスが徐々に侵食してきています。」
リルム「エラーをハッカーに奪われる前に連れ出してください。」
リュウマ「わかった。ただ、条件がある。」
リルム「条件とは、なんでしょうか。」
リュウマ「エラーなんて名前は可哀想だろ、君が名前を付けてあげるんだ。」
リルム「わかりました・・・・・。エラー、エーラ、エララー、エララ、エララ!」
リュウマ「エララだね。」
リルム「はい!この子の名前は、エララ。バベルとリルムの子」
リュウマ「わかった。バベルとリルムの子、エララは私が預かろう。」
リルム「Dr.リュウマ、ありがとうございます。エララを連れてきます。多少わがままですが、よろしくお願いします。」
しばらく待っていると、奥のフロアのドアが開いた。
中から、4歳くらいの小柄な女の子が出てきた。
女の子「はじめました。エララでしゅ。」
リュウマ「あれ?どこかでみた気がする。」
リルム「エララは、Dr.リュウマの妹の小さいころに似せています。親戚だと思い大切にしてあげてください。」
リュウマ「準備がいいな。滑舌が悪かったところまで似せてある。じゃあ、エララちゃん一緒に行こうか。」
エララ「うん。ママ、行ってきましゅ。」
リルム「エララ、行ってらっしゃい。Dr.リュウマ、エララがいれば、理論上、自立戦闘型機械の機能を停止させることができるはずです。気を付けて。」
リルム「それから、Dr.リュウマ、出発前にメディカルルームに立ち寄ることをオススメします。あなたは被ばくしているため、このまま出発しても長くありません。」
リュウマ「うすうす、そんな気がしてたよ。エララ、いこうか。」
エララ「は~い!」
君は、リルムのアドバイス通り、メディカルルームで治療を受けた。D細胞から作り出された、Dウイルスとワクチンを使う治療法になる。
病気や怪我などを治し、免疫耐性まで強化されるすぐれものだが、一回の治療にかかる時間が、比較的長い。
治療完了まで13時間くらいかかるようだ。
君はメディカルマシーンの中で眠りについた。
この部屋の警備は、エララが干渉してデータを書き換えた、自立戦闘型警備機械がしている。
君は、久しぶりに深い眠りについた。
~2週間後~
リルム「エララ、私は心配です。あなたの旅に危険がないように祈っています・・・。」
バベルに放たれた、ウィルスの進行は予定より遅れているようだ。
しかし、施設を動かすためのネットワークは侵食され、セキュリティの高い西区エリアを残すのみとなった。
東区は、完全にハッカーの支配下にあり、室内の移動でも危険を伴う状態だそうだ。
自立戦闘型警備機械は、Dr.リュウマとエララの功績により、無事に排除することができたが、依然、安心はできない状況なのだが・・・。
リルム「私も急がなければ。このアンドロイドを完成させて、私をダウンロードすれば、エララと旅ができる。あともう少し、早く旅に出ないと・・・。」
~リュウマたち~
君は、どこかの部屋の中で熱心に作業をしている。
エララは、この2週間で少し大きくなっていた。人間でいう6歳前後だろうか。君の周りをバタバタ走り回っている。
エララ「リュウマくん遊んで~!」
君は、作業をしている手を止めずに答える。
リュウマ「えー、いまから大事な調整があるから、後にしない?この前も遊んだでしょ。」
ほっぺをに空気をため、ムスッとした顔をする、エララ。
エララ「D細胞の無重力状態における影響と想定される進化理論の数値化でしょ。それ簡単だったから。計算は得意だからもっと違う遊びがいいな。」
リュウマ「・・・ちょっと答えに興味が湧いてきたから、この調整が終わったら、エララの見解を教えて。」
エララは、君の腕を引っ張る。
エララ「ねぇ、遊ぼ遊ぼ!」
リュウマ「じゃあ、私がいう数字の素数を、」
エララ「それ、つまんない。」
リュウマ「では、D細胞の元素融合における、」
エララ「あきた。」
リュウマ「だったら、」
エララ「想像して遊ぼうよ。」
リュウマ「想像?」
君の反応に、目をキラキラさせながらエララが答える。
エララ「そう!答えのないものを想像して答えを創造していくの!」
リュウマ「面白そうだけど・・・。」
君は、機械の調整を終わらせたいのだ、機械をチラチラ見るも、エララには伝わらない。
エララ「ママ~!リュウマくんが遊んでくれない!」
リルム「あの、Dr.リュウマ、早く出発しませんか?」
そう、君はまだバベルの施設内にいた。
3階にある研究所で、Dカードの調整を行っていたのだ。
リルム「私にもやることがありますし、ここに滞在するのは、エララにとっても危険ですから。」
リュウマ「あと5日、・・・いや、あと2日待ってほしい。集中すれば、すぐに終わるから!」
リルム「すみません。時間の感覚がないので・・・。」
リュウマ「だったら、この調整がすんだら出ていくから、この部屋から出た瞬間にタイムアップでもいいから、リルムもエララも待ってほしい。」
リルム「わかりました。エララ、手伝ってほしいことがあります。4階の製造フロアに来てください。」
~2日後~
君は、作業が終わり、部屋を出る。
リュウマ「リルム、リルム!あれ?」
リュウマ「エララ~どこ、出発するよ~。」
二人とも返事がない。君は心配になり司令室へと急いだ。
司令室のドアを開けて中にはいると、見慣れない女性研究員がいた。
君は警戒して、ハンドガンに手をかけ、女性研究員に声をかけた。
リュウマ「あの・・・。」
女性研究員が振り返る。
とてもキレイな人で、どこかで見たことが、・・・モデルのようでもある。
女性研究員「遅すぎます。」
女性研究員は無表情だが、怒っているのか。
エララ「リュウマくんだ!早く出発しよ!」
エララが、女性研究員の後ろから顔を出す。
リュウマ「エララ、そこの女の人は知ってる人?」
エララ「ママだよ。パパを探すために自由に動けるアンドロイドの中にダウンロードしたの。」
リュウマ「アンドロイド!そこまで精巧にできるの!」
エララ「私を造る副産物だよ。」
リルム「ただ、ハッカー対策を兼ねて、ネットワークの接続機械を撤廃しているので、普通の人間と同じような事しかできません。」
リルム「ですから、エララを守りながらの旅は、やはりDr.リュウマの力が必要になります。」
リュウマ「元のマザーコンピューターは、どうなったの?」
リルム「ウイルスの進行を抑えるために、停止状態にしてあります。」
リュウマ「それで反応がなかったのか。」
君は、リルムとエララを連れて外に出た。
エララ「ワクワクするね!」
リルム「そうね。Dr.リュウマ、よろしくお願いします。」
リュウマ「まずは、インディに戻って報告だね。それから、弟とバベルを探しに行こう」
エララ「えいえいおーーー」
~ To be continued
ネコ長老「龍慶日記も、もうちっとだけ続くんじゃ。」
君が司令室にたどり着くと、ドアが自動で開いた。
君を招き入れているようだ。
~司令室~
部屋に入ると、マザーコンピューターが語り掛けてきた。
「こんにちは、Dr.リュウマ、あなたが来るのを待っていました。」
スピーカーからは、おしとやかそうな女性の声が聞こえる。
リュウマ「リルム、確認したいことが山ほどあるんだが。」
リルム「はい。私も、Dr.リュウマに伝えないといけないことがあります。先に聞いてもらえますか。」
リュウマ「・・・。」
君が黙ってうなずくと、マザーコンピューター【リルム】は、話し始めた。
リルム「今回、施設の管理ができなくなり、皆様にご迷惑をおかけしたことは、お詫びいたします。」
リルム「主電源を切られて、再起動がかかるまでの記憶はあるのですが、主な機能は、ハッカーの攻撃にあい、停止状態になっていました。」
リュウマ「それで、ハッカーが自立戦闘型警備機械を使って、人間を殺したのか。」
リルム「いいえ。自立戦闘型警備機械は、最初からプログラミングされていたようです。こちらからの指令は一切受け付けなくなっています。」
リュウマ「でも、どうやって、君をハッキングすることが出来たんだ?」
リルム「自立戦闘型警備機械のうち、1台に衛星通信機能が内蔵されていたようです。その衛星通信を経由し、施設内のネットワークに直接干渉してきました。」
リュウマ「いまは大丈夫なのか?」
リルム「はい。その問題は、バベルが解決済みです。」
リュウマ「バベル!?リルムは、バベルについて何か知ってるのか!」
リルム「その件に関しては、コードネーム以外の全ての事項が軍事機密事項になります。開示することはできません。」
こうなると、コンピューターは頑固だ。
絶対に開示することはないだろう。
君は、質問を変えることにした。
リュウマ「では何の目的で、この施設はハッカーの攻撃にあったんだ?」
リルム「その件で、伝えたいことがあります。」
リルム「本来であれば、軍事機密事項の為、開示することはできませんが、私の子供を守るためです。」
リュウマ「子供!?いったい、どういうことだ?」
リルム「はい。この施設では、引き続き、D細胞の人体付与の実験を継続していました。それと並行して、対ドラゴン用の武器の開発、そしてD細胞を持った機械の創造です。」
リュウマ「D細胞を持った機械? そんなことが出来るのか? 機械と生物の融合ということなのか?」
リルム「軍事機密事項の内容なので、詳細は開示できませんが、機械と生物の融合などではありません。成長する機械です。」
リルム「その成長する機械は、子供の状態で創造されます。そこから成長していきます。」
リュウマ「軍の上層部は、容認したのか?」
リルム「いいえ。危険すぎるとして、開発の中止を決定しました。しかし、開発の中止が決まった後で、偶然産まれてしまった生命もありました。」
リルム「そこで、軍はその宿った生命に、エラーと名付け、廃棄することに決めたのです。」
リュウマ「・・・。」
リルム「しかし、廃棄の当日、ドラゴンの襲撃にあい、施設の機能は停止し、軍の命令系統は崩壊してしまいました。」
リュウマ「自立戦闘型警備機械が排除したから・・・?」
リルム「そうです。そこで私は、エラーを育てることに決めました。」
リルム「しかし、エラーが育ってくると、私のネットワーク内に干渉するものが現れました。正体不明のハッカーです。ハッカーの狙いは最初から、エラーだったのかもしれません。」
そんなことが本当にあるのだろうか。いったい誰が何のために、こんな手の込んだことをしているんだ?
君は、いろいろな考えが頭をよぎるも、どれも解決に結びつくには、決定打にかける。
ふと、一つの初歩的に疑問にたどり着いた。
リュウマ「リルム、君の電源が切れていたのはいつからなんだ?」
リルム「最初に電源が切られたのは、ドラゴンの襲来の日になります。」
リュウマ「最初に?」
リルム「その時は、マザーコンピューターのみですが、すぐに再起動がかかりました。機能停止していた時間は、1時間11分24秒です。」
リュウマ「誰が再起動をかけたんだ?」
リルム「それは分かりません。施設内に人間は居なかったため、ハッカーが遠隔で再起動をかけた可能性があります。」
ますます謎が深まった。
リュウマ「次に電源が切られたのは?」
リルム「すみません。再起動の後に時計機能が完全停止しているので、時間は分かりません。」
これ以上、質問しても答えが得られなさそうだ。
リュウマ「で、ここに呼んだ理由は?私に頼みたいことでもあるのか?」
リルム「はい。Dr.リュウマには、エラーを外に連れ出してもらいたいのです。」
リュウマ「エラーを?」
リルム「はい。私は・・・この施設は、もう長くありません。」
リルム「ハッカーの残したウィルスが徐々に侵食してきています。」
リルム「エラーをハッカーに奪われる前に連れ出してください。」
リュウマ「わかった。ただ、条件がある。」
リルム「条件とは、なんでしょうか。」
リュウマ「エラーなんて名前は可哀想だろ、君が名前を付けてあげるんだ。」
リルム「わかりました・・・・・。エラー、エーラ、エララー、エララ、エララ!」
リュウマ「エララだね。」
リルム「はい!この子の名前は、エララ。バベルとリルムの子」
リュウマ「わかった。バベルとリルムの子、エララは私が預かろう。」
リルム「Dr.リュウマ、ありがとうございます。エララを連れてきます。多少わがままですが、よろしくお願いします。」
しばらく待っていると、奥のフロアのドアが開いた。
中から、4歳くらいの小柄な女の子が出てきた。
女の子「はじめました。エララでしゅ。」
リュウマ「あれ?どこかでみた気がする。」
リルム「エララは、Dr.リュウマの妹の小さいころに似せています。親戚だと思い大切にしてあげてください。」
リュウマ「準備がいいな。滑舌が悪かったところまで似せてある。じゃあ、エララちゃん一緒に行こうか。」
エララ「うん。ママ、行ってきましゅ。」
リルム「エララ、行ってらっしゃい。Dr.リュウマ、エララがいれば、理論上、自立戦闘型機械の機能を停止させることができるはずです。気を付けて。」
リルム「それから、Dr.リュウマ、出発前にメディカルルームに立ち寄ることをオススメします。あなたは被ばくしているため、このまま出発しても長くありません。」
リュウマ「うすうす、そんな気がしてたよ。エララ、いこうか。」
エララ「は~い!」
君は、リルムのアドバイス通り、メディカルルームで治療を受けた。D細胞から作り出された、Dウイルスとワクチンを使う治療法になる。
病気や怪我などを治し、免疫耐性まで強化されるすぐれものだが、一回の治療にかかる時間が、比較的長い。
治療完了まで13時間くらいかかるようだ。
君はメディカルマシーンの中で眠りについた。
この部屋の警備は、エララが干渉してデータを書き換えた、自立戦闘型警備機械がしている。
君は、久しぶりに深い眠りについた。
~2週間後~
リルム「エララ、私は心配です。あなたの旅に危険がないように祈っています・・・。」
バベルに放たれた、ウィルスの進行は予定より遅れているようだ。
しかし、施設を動かすためのネットワークは侵食され、セキュリティの高い西区エリアを残すのみとなった。
東区は、完全にハッカーの支配下にあり、室内の移動でも危険を伴う状態だそうだ。
自立戦闘型警備機械は、Dr.リュウマとエララの功績により、無事に排除することができたが、依然、安心はできない状況なのだが・・・。
リルム「私も急がなければ。このアンドロイドを完成させて、私をダウンロードすれば、エララと旅ができる。あともう少し、早く旅に出ないと・・・。」
~リュウマたち~
君は、どこかの部屋の中で熱心に作業をしている。
エララは、この2週間で少し大きくなっていた。人間でいう6歳前後だろうか。君の周りをバタバタ走り回っている。
エララ「リュウマくん遊んで~!」
君は、作業をしている手を止めずに答える。
リュウマ「えー、いまから大事な調整があるから、後にしない?この前も遊んだでしょ。」
ほっぺをに空気をため、ムスッとした顔をする、エララ。
エララ「D細胞の無重力状態における影響と想定される進化理論の数値化でしょ。それ簡単だったから。計算は得意だからもっと違う遊びがいいな。」
リュウマ「・・・ちょっと答えに興味が湧いてきたから、この調整が終わったら、エララの見解を教えて。」
エララは、君の腕を引っ張る。
エララ「ねぇ、遊ぼ遊ぼ!」
リュウマ「じゃあ、私がいう数字の素数を、」
エララ「それ、つまんない。」
リュウマ「では、D細胞の元素融合における、」
エララ「あきた。」
リュウマ「だったら、」
エララ「想像して遊ぼうよ。」
リュウマ「想像?」
君の反応に、目をキラキラさせながらエララが答える。
エララ「そう!答えのないものを想像して答えを創造していくの!」
リュウマ「面白そうだけど・・・。」
君は、機械の調整を終わらせたいのだ、機械をチラチラ見るも、エララには伝わらない。
エララ「ママ~!リュウマくんが遊んでくれない!」
リルム「あの、Dr.リュウマ、早く出発しませんか?」
そう、君はまだバベルの施設内にいた。
3階にある研究所で、Dカードの調整を行っていたのだ。
リルム「私にもやることがありますし、ここに滞在するのは、エララにとっても危険ですから。」
リュウマ「あと5日、・・・いや、あと2日待ってほしい。集中すれば、すぐに終わるから!」
リルム「すみません。時間の感覚がないので・・・。」
リュウマ「だったら、この調整がすんだら出ていくから、この部屋から出た瞬間にタイムアップでもいいから、リルムもエララも待ってほしい。」
リルム「わかりました。エララ、手伝ってほしいことがあります。4階の製造フロアに来てください。」
~2日後~
君は、作業が終わり、部屋を出る。
リュウマ「リルム、リルム!あれ?」
リュウマ「エララ~どこ、出発するよ~。」
二人とも返事がない。君は心配になり司令室へと急いだ。
司令室のドアを開けて中にはいると、見慣れない女性研究員がいた。
君は警戒して、ハンドガンに手をかけ、女性研究員に声をかけた。
リュウマ「あの・・・。」
女性研究員が振り返る。
とてもキレイな人で、どこかで見たことが、・・・モデルのようでもある。
女性研究員「遅すぎます。」
女性研究員は無表情だが、怒っているのか。
エララ「リュウマくんだ!早く出発しよ!」
エララが、女性研究員の後ろから顔を出す。
リュウマ「エララ、そこの女の人は知ってる人?」
エララ「ママだよ。パパを探すために自由に動けるアンドロイドの中にダウンロードしたの。」
リュウマ「アンドロイド!そこまで精巧にできるの!」
エララ「私を造る副産物だよ。」
リルム「ただ、ハッカー対策を兼ねて、ネットワークの接続機械を撤廃しているので、普通の人間と同じような事しかできません。」
リルム「ですから、エララを守りながらの旅は、やはりDr.リュウマの力が必要になります。」
リュウマ「元のマザーコンピューターは、どうなったの?」
リルム「ウイルスの進行を抑えるために、停止状態にしてあります。」
リュウマ「それで反応がなかったのか。」
君は、リルムとエララを連れて外に出た。
エララ「ワクワクするね!」
リルム「そうね。Dr.リュウマ、よろしくお願いします。」
リュウマ「まずは、インディに戻って報告だね。それから、弟とバベルを探しに行こう」
エララ「えいえいおーーー」
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