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悪魔召喚士
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「王様が長年 追い求めていたものですか?」
ふと疑問に思ったのか、千紘が国王に質問する。
国王は、嫌な顔一つせずに、ニコニコとした表情で千紘とエイルに答える。
「わしが幼き頃より伝わる物語で、国の勇者が倒れ、人々が絶望の淵に追いやられたとき、空から舞い降りた天使が世界を救うという物語だ。
天使の活躍で人々は生きる力を取り戻していく。
今の状況が、まさに物語と酷似しておる。
悪魔よ、そなたは神の使いではないのか、神に仕える悪魔がおっても可笑しくはないだろ。」
国王の失言に、法衣を来た男が口を開く。
「陛下、悪魔の言葉に惑わされてはなりませぬぞ。」
「・・・す、すまぬ。」
悲しそうに下を向く国王に、エイルが声をかける。
「陛下、私は神に仕えていた訳では ありませんが、神と共に暮らしておりました。
私と共に暮らしていた神は、愛と真実の女神と呼ばれていたと記憶しております。」
「おお!
そうか、やはり!」
「陛下!
悪魔の言葉に耳を貸してはいけませぬ。
それに、先ほど入手した 他の悪魔召喚士からの情報によれば、この悪魔エイルは最弱の悪魔。
毒舌のスカルを倒したなど、到底考えられないとのことです。
そもそも、一度 放たれた炎の魔法を操るなど、到底無理な話です。
この下賤な輩が嘘を言い、主である悪魔召喚士をだまし、我々を陥れようとしているのです。」
法衣の男は、国王に進言する。
千紘は、法衣の男の言葉が気に入らなかったのだろうか、ムキになり反論する。
「自分の知識にないことを嘘だなんて、言わないでください。
あなたが知らないだけでしょ!
エイルは 悪魔だけど嘘をつきません。」
「ほほう、では、それを証明してもらおうか。
陛下、謁見の間で魔法を使うことをお許し願いたい。
陛下を陥れようとした悪魔に、我が正義の炎で神罰を下してみせましょう。」
「う、うむ。
お主の好きなようにいたせ。」
「御意。
悪魔め、覚悟せよ!」
千紘は、エイルの方を見つめる。
エイルは、ニコッと笑って見せると、千紘を庇うように千紘の前に立つ。
法衣の男は、両手を祈るように組み 詠唱をはじめた。
「竜神の父にして竜神の王ヴォラティエよ、その力の一片を、只一時、我に貸し与えたまえ。
全てを生みだす破壊の炎、いま一度、人の手に。
燃えよ小宇宙
・・・ファイアーストーム!!!」
しかし、魔法は発動しない。
「な、なぜだ!」
「竜神の父にして竜神の王ヴォラティエよ、その力の一片を、只一時、我に貸し与えたまえ。
全てを生みだす破壊の炎、いま一度、人の手に。
燃えよ小宇宙
・・・ファイアーストーム!!!」
「なぜ魔法が発動しないのだ!」
焦る法衣の男を見て、大笑いするエイル。
その様子に周囲からもクスクスといった笑い声が聞こえ始める。
「なぜって、魔力が足りないんじゃないのか?
千紘の放つ、ファイヤーボールの方が威力が高いぞ。
なっ、千紘。」
「えっ、私に無茶ぶりしないでよ。」
「いいじゃん、俺に向かってファイヤーボールを放ってよ。
俺が炎を操れるところを見せてやろうぜ。」
千紘は、渋々した表情で、エイルにファイヤーボールを放つ。
エイルは 千紘が放った火の玉を手の中に収め、その炎を自由に操る。
その様子に、周囲の貴族からは大きな拍手があがった。
国王もエイルの炎を見て、王座のひじ掛けを叩きながら喜んでいる。
暫く炎を操っていたエイルが、その手の中に炎を握りこみ消し去り、深く礼をすると、国王や周囲の貴族たちから大歓声が上がった。
その様子を見て国王は立ちあがり宣言する。
「素晴らしい!
いまの炎を操る術、まさに英雄譚の通りであった。
悪魔召喚士 千紘、並びに 悪魔 エイルは、この国の英雄と認めよう!」
こうして謁見を無事に終えた2人は、国王や他の貴族たちと共に、別の広間に準備してある会食の場へと移動していく。
そこではすでに、他の悪魔召喚士や神官たちが待っていた。
国王は改めて、国の英雄である2人を紹介し、会食の開会を宣言した。
楽しそうに食事をするエイルの周囲には自然と人だかりができ、千紘が声をかけようにも近づくことができない。
そんな千紘に気付いたエイルは、周囲の人だかりをかき分け、千紘の横に来る。
「やっぱり千紘の横が一番 落ち着くな。」
「そんなこと言っても何もでないよ。
それに、朝や昼間の事件のこと、帰ったら説明してもらうからね。」
「昼間の事件?」
「・
・
・
な、なんでもない!」
(やだな。なんで私、嫉妬してるんだろう。
もしかして、君のこと・・・。)
ふと疑問に思ったのか、千紘が国王に質問する。
国王は、嫌な顔一つせずに、ニコニコとした表情で千紘とエイルに答える。
「わしが幼き頃より伝わる物語で、国の勇者が倒れ、人々が絶望の淵に追いやられたとき、空から舞い降りた天使が世界を救うという物語だ。
天使の活躍で人々は生きる力を取り戻していく。
今の状況が、まさに物語と酷似しておる。
悪魔よ、そなたは神の使いではないのか、神に仕える悪魔がおっても可笑しくはないだろ。」
国王の失言に、法衣を来た男が口を開く。
「陛下、悪魔の言葉に惑わされてはなりませぬぞ。」
「・・・す、すまぬ。」
悲しそうに下を向く国王に、エイルが声をかける。
「陛下、私は神に仕えていた訳では ありませんが、神と共に暮らしておりました。
私と共に暮らしていた神は、愛と真実の女神と呼ばれていたと記憶しております。」
「おお!
そうか、やはり!」
「陛下!
悪魔の言葉に耳を貸してはいけませぬ。
それに、先ほど入手した 他の悪魔召喚士からの情報によれば、この悪魔エイルは最弱の悪魔。
毒舌のスカルを倒したなど、到底考えられないとのことです。
そもそも、一度 放たれた炎の魔法を操るなど、到底無理な話です。
この下賤な輩が嘘を言い、主である悪魔召喚士をだまし、我々を陥れようとしているのです。」
法衣の男は、国王に進言する。
千紘は、法衣の男の言葉が気に入らなかったのだろうか、ムキになり反論する。
「自分の知識にないことを嘘だなんて、言わないでください。
あなたが知らないだけでしょ!
エイルは 悪魔だけど嘘をつきません。」
「ほほう、では、それを証明してもらおうか。
陛下、謁見の間で魔法を使うことをお許し願いたい。
陛下を陥れようとした悪魔に、我が正義の炎で神罰を下してみせましょう。」
「う、うむ。
お主の好きなようにいたせ。」
「御意。
悪魔め、覚悟せよ!」
千紘は、エイルの方を見つめる。
エイルは、ニコッと笑って見せると、千紘を庇うように千紘の前に立つ。
法衣の男は、両手を祈るように組み 詠唱をはじめた。
「竜神の父にして竜神の王ヴォラティエよ、その力の一片を、只一時、我に貸し与えたまえ。
全てを生みだす破壊の炎、いま一度、人の手に。
燃えよ小宇宙
・・・ファイアーストーム!!!」
しかし、魔法は発動しない。
「な、なぜだ!」
「竜神の父にして竜神の王ヴォラティエよ、その力の一片を、只一時、我に貸し与えたまえ。
全てを生みだす破壊の炎、いま一度、人の手に。
燃えよ小宇宙
・・・ファイアーストーム!!!」
「なぜ魔法が発動しないのだ!」
焦る法衣の男を見て、大笑いするエイル。
その様子に周囲からもクスクスといった笑い声が聞こえ始める。
「なぜって、魔力が足りないんじゃないのか?
千紘の放つ、ファイヤーボールの方が威力が高いぞ。
なっ、千紘。」
「えっ、私に無茶ぶりしないでよ。」
「いいじゃん、俺に向かってファイヤーボールを放ってよ。
俺が炎を操れるところを見せてやろうぜ。」
千紘は、渋々した表情で、エイルにファイヤーボールを放つ。
エイルは 千紘が放った火の玉を手の中に収め、その炎を自由に操る。
その様子に、周囲の貴族からは大きな拍手があがった。
国王もエイルの炎を見て、王座のひじ掛けを叩きながら喜んでいる。
暫く炎を操っていたエイルが、その手の中に炎を握りこみ消し去り、深く礼をすると、国王や周囲の貴族たちから大歓声が上がった。
その様子を見て国王は立ちあがり宣言する。
「素晴らしい!
いまの炎を操る術、まさに英雄譚の通りであった。
悪魔召喚士 千紘、並びに 悪魔 エイルは、この国の英雄と認めよう!」
こうして謁見を無事に終えた2人は、国王や他の貴族たちと共に、別の広間に準備してある会食の場へと移動していく。
そこではすでに、他の悪魔召喚士や神官たちが待っていた。
国王は改めて、国の英雄である2人を紹介し、会食の開会を宣言した。
楽しそうに食事をするエイルの周囲には自然と人だかりができ、千紘が声をかけようにも近づくことができない。
そんな千紘に気付いたエイルは、周囲の人だかりをかき分け、千紘の横に来る。
「やっぱり千紘の横が一番 落ち着くな。」
「そんなこと言っても何もでないよ。
それに、朝や昼間の事件のこと、帰ったら説明してもらうからね。」
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「・
・
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