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悪魔召喚士

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翌日、千紘はエイルに手を引かれ、町の広場を目指す。
エイルは千紘との買い物が楽しいのだろうか、いつも以上に笑顔を振りまいている。

「さっき朝ご飯を食べたばっかりだよ。
 そんなに急いでも何も食べれないって。」

「知ってるよ。
 だけど、約束してる時間に遅れそうだから、急がなくっちゃ。」

「約束している・・・。
 ねえ、君は誰と何を約束してるの?」


エイルの一言が気になったのか、千紘が怪訝そうな顔でエイルに質問する。
エイルは、いつもどおり気にもしていない表情で千紘の質問に答える。


「王様と食事の約束だよ。」

「ふーん。そっか王様か。
 ・
 ・
 ・
 お、王様!?
 なんで王様と町で食事する約束なんかしてるの!?」

「王様に知ってもらいたい店があるからね。」


笑顔のエイルの向かう先は、異様な光景となっていた。
その光景を見た千紘は、言葉を失った。


「ま、まさか・・・。
 王様を連れていきたい店って?」


エイルに腕を引かれる千紘の目の前に広がる光景とは、
お忍びのつもりだろうが、明らかにオーラを纏って目立っている国王。
その護衛である、私服に剣を帯刀した近衛騎士団が数名。
そして・・・。





「「「エイル様ー♪」」」




・・・薄いドレスを纏った女性たちだった。


(君ってバカなんじゃないの?
 なんで、王様や私を、如何わしいお店へ誘うのよ。
 近衛騎士団の人たちも、困った顔をしてるじゃない。)




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