異世界に召喚され悪魔召喚士として期待されるも、イケメン 最弱ダメニートを召喚してしまった件!

黒山羊

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天使と呼ばれた悪魔

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いつものように起床ラッパで目を覚ます 千紘。
いつもと変わらない朝なのだろうが、その日は、少し雰囲気が違っていた。

「ねえ、エイル。
 起きてよ。何だか様子が変だよ。」

千紘のすぐ横で寝ていたエイルの肩を揺さぶりエイルを起こす。
エイルも目が覚めて気付いたのか、すぐに炎を召喚し、状況の確認を始めた。



「千紘、もうすぐ戦争が始まるみたいだ。
 魔王軍が 森の先に集結している。
 ここから2~3時間の距離みたいだね。」


エイルの言葉を聞き終えるタイミングで、外で兵士が大声をあげて起床を告げて回る。

「起床!起床!
 魔王軍が攻めてきた!
 総員、至急、戦闘準備!」



「エイル、君は私が守るからね。」

「千紘、俺は君を・・・。
 君の笑顔を守るから。約束するよ。」


2人は 見つめあい、そして同時に笑い出す。

「千紘、まずは朝食を食べに行こうよ。」

「・・・それもそうね。
 お腹が空いて戦えませんでしたって、笑えないもんね。」




千紘とエイルは、自然と手を繋ぎ食堂へと移動する。
食堂では朝食の準備が終えており、食堂のおばちゃんたちも避難しているようだった。

「ねぇ、なんだか人が少なくない?」

「そうだな。何人か起きてきてないようだな。
 きっと準備が忙しいんだろ。」

「そう・・・だよね。
 だって、魔王軍が攻めてきてるんなら、最後の戦いになるかもしれないもんね。」


そんな会話をしながら、朝食をとっている2人に、美弥香が声をかけてきた。

「千紘ちゃん、おはよう。」

「美弥香ちゃん、おはよ。
 それと、メロリアスだっけ?
 今日も素敵な蔦だよね。」

美弥香の悪魔メロリアスは、自慢の蔦を褒められて嬉しそうに体をゆすっている。

「千紘ちゃんたちは、私たちが守ってあげるからね。
 一緒に日本に帰ろうね。」

「うん。
 ところで、樹希ちゃんは?」

「樹希は、悪魔が戦いたくないって部屋から出てこないから、一生懸命、説得してるみたいだよ。
 まったく、残念な悪魔を召喚しちゃったって、嘆いてたよ。」

「そうなんだ・・・。」


千紘は エイルの方をみて、エイルに声をかけようとするが、やめておいた。
そのまま、美弥香の方を向き直して、美弥香に声をかける。

「ねぇ、せっかくだから、4人で乾杯しないかな。
 魔王軍と戦うんだし、今日くらいは大丈夫だよね。」

「ふふふ、それもそうね。
 ってか、わたしコレでも22だから、問題ないんだけどな。」

「あ、ごめん、同じくらいの年だと思ってた。
 その、制服着てるし・・・。」

「ふふふ、これは仕事で来てるコスプレよ。
 年齢不詳のアイドルだから、日本に帰っても秘密にしててよ。」

「アイドルなんだ、日本に帰ったら 美弥香ちゃんを応援しようかな。」



そんな会話をしながら、4人は乾杯をする。
千紘は、一口だけ口に含んで、いつものようにエイルに葡萄酒を渡す。

「ごめん、ちょっと飲めそうにない味だった。」

エイルは、手渡された 千紘の分の葡萄酒を一気に飲み干した。






「あ、あれ、あれ?
 千紘、コレ・・・?」




「エイルは 戦わなくっていいんだよ。
 無理して戦う必要はないんだから。
 エイル、戦いが終わったら エイルの世界で一緒に暮らそ。
 私、エイルとなら幸せになれるから。」


「ち、ひ、ろ・・・。」


「もし、私が倒れてしまっても悲しまないで、神官長の話では 日本に帰されるだけだから。
 その時は エイルは 元の世界に戻って 私のことを忘れて幸せになってね。」


「だ・・・。」



エイルは、そのまま その場に倒れてしまった。



「千紘ちゃん、何をしたの?」

美弥香の問いかけに、近くにいたレバノンが答える。

「睡眠薬じゃよ。
 悪魔にも聞くほどの強力な薬じゃ。
 おそらく、エイルは2~3日は目覚めないじゃろう。」

千紘は 倒れているエイルを抱きしめ、優しくキスをする。


「いままで、ありがとう。
 エイルのこと、大好きだよ。
 ・
 ・
 ・
 レバノンさん、エイルのことを宜しく頼みます。」



千紘たちは、準備を終わらせ、魔王軍を迎え撃つために集合場所へと向かっていった。





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