目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

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一章・成長日記

15歳

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いつもの二人の部屋に、4人が勢ぞろいしている。

結局、美人の女神様を見る機会は、最後まで なかったようだ。



「さて、お前たちも、15歳になった。ここからは、自分の考えで行動するように。エイトは、意思は変わらないかな?」

主父あるじは、エイトを見つめる。


エイトは立派な青年になりつつあった。容姿の見た目もよく、身なりを整えれば、貴族として通用する立ち振る舞いも身に着けている。



「はい。主父あるじ様、僕は地獄の門の先に、行きます。」

「そうか、魂の解放が叶うといいな。」





主父あるじは、レヴィアに問う。

「レヴィアは、どうする。このままドラゴンに戻してやってもいいぞ。」



少し考えるレヴィア。

「うん。まだ人間として叶えてない望みも多いからね。しばらくは人間を楽しむことにしようかな。」

レヴィアの態度は、年々大きくなっている。大きさは、あまり成長していないようだが。




二人の答えを待って、主父あるじが話し始める。


「女神から、二人に贈り物があるそうだ。」

そういって、ルシファーに合図を送る。




ルシファーは、エイトには指輪を、レヴィアには一冊の本を渡した。

「その指輪は、隠密の指輪で。君に触れる仲間も一緒に気配を断つことができるそうです。」

「ありがとうございます。女神様にもお礼を伝えて下さい。」



「その本は、レヴィアなら喜ぶものだそうだ。中身は聞いてない。」

「本を読むのは好きなんだけど、好みがあるからねー。冒険の荷物はねー。」

そういって、本を開いた。中身を確認して、本を返そうと思っているようだ。



レヴィアは、本をすぐ閉じる。

「これは、私にとって有益な書物のようだね。」

レヴィアの口元が緩んでいる。






「二人とも喜んでいたと、伝えておきます。」

「それから、私からもスペシャルな贈り物を持ってきてます。」




ルシファーは、30cm四方の肩掛け革袋を手渡した。肩掛け革袋は、空袋のようだが・・・。

「その道具袋の中には、私が作ってきた数々の薬(試作品含む)が入ってます。」


二人は、空袋を開くと、中には、袋の容量を超える薬が大量に入っている。

「す、すごいよ!」

「たしかに、ものすごく便利だよね!」

ルシファーは、二人の反応に大満足しているようだ。





レヴィアが笑顔で質問する。

「ねえ、ルシファーさん、これ、中身捨てて行っていい?燃えないゴミかな?」


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