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リノは 君の声が聞こえなかったのだろうか、君の質問を無視しながら出発前の準備を始める。
ある程度、準備に目処が立ったのか、ボーっと待つ君に笑顔で声をかけてきた。

「だって先は長いんだぜ、また今夜にでも続きを話すからさ、楽しみに待っててよ。
 ところでリュート兄ちゃん。
 お願いがあるんだけど...。」

「お願い?」

「そう。この火種をリュート兄ちゃんの鞄に入れて持ち運んでもらいたいんだよ。
 それ、魔法の保存紙が入ってるんだろ?
 ソレを持ってるなら、有効活用してもらいたくってさ。」

(魔法の保存紙?
 そうか、リノは俺が六勇者だと思ってるから...。
 リノが言う 魔法の保存紙とは、召喚士が言っていた、似たような性能の道具の事だろうな。)

君は少し考えた後、リノに自分が六勇者の従者だとバレないように返事をする。

「いいけど、この道具の使い方がよく分からないんだよな。いままで直接手に持って荷物を入れた事しかなくってさ。
 リノは知ってる?」

「おいらが?
 知ってるわけないじゃんか。
 でも...。」
「でも?」
「使ってる人を見たことあるけど、荷物に手をかざして握るような仕草をしてたかな...?
 ってか、お城の兵士も兵士だよな。使い方も教えないで道具だけ渡しても使えないよね。」

「そ、そうだな...。」

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