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24.

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24.

「ううん。おいら、涙が出てるのは嫌な気持ちとかじゃないんだ。
 おいら、嬉しいんだ。
 リュート兄ちゃんは、魔王を倒す使命もあるのに、おいらの仇討ちを真剣に考えてくれてる。
 何かのついでとか、とりあえずとかじゃなくって、おいらのことを何も知らないのに、真剣に空飛ぶ大蛇を倒すことを考えてくれてる。
 兄ちゃん......ありがとう。」


君はリノの言葉に、罪悪感で心が押し潰され壊れそうになった。
なぜ、純粋なリノに嘘をついてしまったのか。
もっとリノのことを、自分のことを、この世界のことを、もっともっと知っていれば違う選択肢があったかも知れないのに...。
(もっと学ばなくっちゃ。
 俺は何も知らない、俺は何もできない。
 このままだとダメだ。)





君が導き出した答えは...。





「リノ、約束するよ。
 どんな方法を取ったとしても、
絶対にリノを裏切らないって。
 だから、これから先も一緒に冒険しような。」

(俺だって異世界から召喚されてきたんだ。例え六勇者の従者だったとしても、専用の武器がないとしても、どんな手を使ったとしても立派に戦ってみせる!

君はリノに任せろ!と態度で示し元気よく声を出す。

「よーし!
 リノ、どんどん敵を倒してレベルアップしちゃうぞー!」

「おおー!」

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