伝説の六勇者(従者リュートの物語)

72.

72.

話を聞いていた宿屋の主人は、行方不明になったリノを探し出すため、街の衛兵や自警団に協力を要請した。

君たちも手分けしてリノの捜索を始める。

（リノ、何処にいるんだ...。）


どれくらいの時間、探しただろうか。君たちは街の大通りから狭い路地裏まで、街中の道という道を探し、聞き込みして回ったのだが、リノの手がかりが何もない。

途中 有力そうな話もあったのだが、調べてみると 君と分かれる前の情報でしかなかった。
捜索本部として提供された宿屋のエントランスには、完全に八方塞がりの状況に、肩を落とす 街の衛兵や自警団の姿が見える。

「ダメだ。神隠しと同じ状況だ。」
「くそ！いったい何人の子供が行方不明になったんだよ。
　俺たちが何かしたのかよ！」
「おい、家族の前で取り乱すな。一番つらいのは.....。」

衛兵や自警団員たちは、そう話すと君の方に視線を向け、申し訳なさそうに頭を下げた。


（本当に何も打つ手がないのか...。
　リノを探し出す手がかり。
　よく考えるんだ。
　リノは、何か言っていたか？
　リノは、何を見ていたのか？
　リノは.....。
　そうか、見つけることが出来るかもしれない。）


君は何か思い出したかのように、周囲を見渡せる通りの中央に移動し、フカワの力を開放した。