美醜逆転獣世界

ノラ

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「見知らぬ子がいて、院の子供たちの頭を撫でる癖がついフィにも出ちゃったみたい。フィの伝言をきいて、逆に申し訳なかったって恐縮していたって。孤児院にいる子達は色々な事情の子もいるのを知っていながら、配慮が足りなかったって」


「悪くないの。僕が悪い」


 謝るのは僕で相手は悪くない。


「今ね、その人と院の子達がフィのレシピのお菓子作りを練習してて、日々、上達してるってー、お祭りが済んだら、販売頑張るって張り切ってる。その人がね、子供たちに仕事を与えてくれて¨ありがとうございます¨って」


 クーにぃが耳を撫でてくれながら、優しく言ってくれた。


「フィ、ごめんなさいも大事だけど、相手のありがとうも大切だよ」


 ヨシヨシと撫でられ慰められる。


「でも……やっぱり……ごめんなさいは言うの」


「次の視察は半年後かな、お祭りも済んで、上手くいってれば販売とお店をしている時期だねー。また一緒にいく?」


 コクリと頷く。開店お祝いに可愛いエプロンとカッコイイ制服を贈りたい。


 フリルエプロン、ドレスエプロン、ワンピースエプロン、カフェエプロン、ソムリエエプロン、ギャルソンエプロン、カジュアルエプロン。


  エプロンも頼んだ。ルーにぃは僕のお願いのために毎日忙しい。側にいてくれるクーにぃも書類と睨めっこ。


 五歳の僕は提案するだけで手伝えるのは試作品チェックだけ。部屋で絵本を読んでる。フッと懐かしくなって昔話や童話を書いてみた。文字の練習にもなる。


 父親が再婚して出来た義母と義姉に虐められる灰かぶりの獣人少女。


 優しい魔法使いが魔法で綺麗なドレス姿に変える。少女は王子様の婚約者を決める舞踏会に行く。12時になったら魔法が解けるために逃げだした少女。


 王子様は一目惚れした少女が残したガラスの靴を履けた者と結婚宣言。町中の年頃の娘が試すが誰も履けない。


 最後に訪れた家では意地悪な義母と義姉に部屋に閉じ込められた少女が手を痛めながら必死に窓を壊して脱出しようとしていた。


 お城の使いが帰るギリギリに間に合いガラスの靴を履けた少女は王子様と結婚して幸せになる。


 動物が喋るとかは省いた。魔法は通じるかな。地球人は魔法は使えなかったけどファンタジーとして理解されていた。


 義娘の美貌を妬んだ義母が毒林檎を食べさせたり、悪い魔女に害獣の姿にされた王子様が心優しい少女のキスで元の姿に戻ったりも書いた。

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