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中2・吹奏楽部・結の秋
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グラウンド側の校舎の2階、放課後の1年5組の教室。少し傾いた陽を受けながら、私たちはサックスことサクソフォーンの練習をしている。
部活は元々楽しいけど、最近はこの時間がもっと楽しみになった。理由は、窓の向こうに気になる人がいるから。
そんな彼の名前は真宮慧。サッカーが目立って上手な訳じゃないけど、優しくて、何事にも一生懸命なのがかっこいい。今まであまり男子と話したことなんかないから、真宮と話したりはしないけど。
メトロノームを設定して、いつものパートから練習していく。この間の文化祭で先輩は引退して、アルト、テナー、バリトン合わせて5人しかいない。今はテナー、バリトンは別室で練習しているから、部屋には私と後輩の美香しかいない。
「結せんぱーい、何見てるんですか?」
「え、外だよ」
「そうじゃなくて!どの人ですかー?」
「なんの話?」
「もー、とぼけないでくださいよ!サッカーかテニスの方ですよね。ちょっと待ってくださいね、当てます!」
美香は顎に手を当てていかにも考えてますよってポーズをしている。憎めないやつだ。
「そういうのいいから~。ほら、練習しなきゃ、関東大会近いよ?」
「よし、サッカー部予想でいきます!誰か当てるので、当たってたら当たってるって言ってくださいね?」
私の話なんてまるで聞いてやしない。
「んー、わかった」
「あのキャプテンの人ですか!?」
「ちがーう」
「じゃあ、あっちの跳んでる人?」
「全然違うよー」
「じゃあゴールキーパーの人ですか!」
「違うよー内緒内緒!練習するよ!」
「もー先輩、嘘ついてるでしょう?」
「ついてない」
ぶつぶつと何かを言いながら美香が練習を始める。でも本当に当ててない。
そういう美香は気になる人とかいるのかな。人懐っこい性格だから、彼氏とかいるのかな。
秋の澄み切った風を感じながら、アルトサックスを吹いている。私も集中しなきゃな。
部活は元々楽しいけど、最近はこの時間がもっと楽しみになった。理由は、窓の向こうに気になる人がいるから。
そんな彼の名前は真宮慧。サッカーが目立って上手な訳じゃないけど、優しくて、何事にも一生懸命なのがかっこいい。今まであまり男子と話したことなんかないから、真宮と話したりはしないけど。
メトロノームを設定して、いつものパートから練習していく。この間の文化祭で先輩は引退して、アルト、テナー、バリトン合わせて5人しかいない。今はテナー、バリトンは別室で練習しているから、部屋には私と後輩の美香しかいない。
「結せんぱーい、何見てるんですか?」
「え、外だよ」
「そうじゃなくて!どの人ですかー?」
「なんの話?」
「もー、とぼけないでくださいよ!サッカーかテニスの方ですよね。ちょっと待ってくださいね、当てます!」
美香は顎に手を当てていかにも考えてますよってポーズをしている。憎めないやつだ。
「そういうのいいから~。ほら、練習しなきゃ、関東大会近いよ?」
「よし、サッカー部予想でいきます!誰か当てるので、当たってたら当たってるって言ってくださいね?」
私の話なんてまるで聞いてやしない。
「んー、わかった」
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「ちがーう」
「じゃあ、あっちの跳んでる人?」
「全然違うよー」
「じゃあゴールキーパーの人ですか!」
「違うよー内緒内緒!練習するよ!」
「もー先輩、嘘ついてるでしょう?」
「ついてない」
ぶつぶつと何かを言いながら美香が練習を始める。でも本当に当ててない。
そういう美香は気になる人とかいるのかな。人懐っこい性格だから、彼氏とかいるのかな。
秋の澄み切った風を感じながら、アルトサックスを吹いている。私も集中しなきゃな。
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