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またまた私はミスってしまったらしい
しおりを挟む「あら、御機嫌ようお兄様、アリス様」
「……」
「あっ、えぇ御機嫌ようです。アレン様」
ふっ、やっぱりでしたわね。やはりヒロインは逆ハーレムルートを狙っていらしたわ。
まぁ、普通なら現れるはずのない私が現れたことで何か不具合が出てもおかしくないですけど。
で、出てきたのはいいけどどうしましょう。第1イベントって基本的に何にもないのよね。目的は果たせたからもう帰りましょうか?それとも、何かしてから帰りましょうか。
てか、私もう立派な悪役令嬢ですわね。
ほほほほ
で、戻ろうか
うん。戻ろう
でも、どうやって戻ろう。私が二人に声をかけた事でヒロインは固まってるし、笑顔で挨拶したからお兄様も固まってるしねぇ。さて、どうしたものか
「アレン……笑顔……珍しい……」
あら?お兄様が珍しく声をあげましたわ。確かに記憶が戻るまでほぼ無表情でしたから珍しいですよね。でも、そこまで驚きます?お兄様、酷いですわ。
「そうですか?私はお兄様の方が珍しいと思いますが。」
「……そう?」
お兄様が首をカクンッと傾ける。クッソ、可愛いなお兄様。色気がっ!エロスがっ!!
てか、横でヒロインがめっさ睨んできてる。ざまぁだよヒロイン君(ドヤァ)
「あぁ、私この後予定があるんですわ。それでは失礼します。フランお兄様、アリス様」
「僕も……アレンと帰る…」
おや。これは予想外だけど。
ヒロインざまぁー(全力のドヤァ)
どうだ?羨ましいだろ?ハッ!ざまぁーだぜ。ファー!!
で、お兄様は何なのかしら?アレンとフランお兄様って仲が悪いんですよね?ヒロインとのイベント蹴ってまで来るって何なのかしら?なんかありそうで怖いわぁー
「アレン……今までゴメン……」
「あら?お兄様どうしたんですの?謝る事なんて何もありませんわ」
アレンとフランお兄様は仲が悪いけどどっちもただ単に交流が無かっただけで何も無いんだけどね
「今まで避けてきた…事…」
「そうですか?私はそんな事一切思っていませんわよ。だってお兄様、私の事悪く言った事無いじゃないですか」
「……」
「さぁ、この話は終わり。寮に帰りましょう」
「…うん」
これで一応、お兄様と仲直りですかね?
にしてもお兄様可愛いな。何だ?この可愛いお兄様は。いやぁ、このお兄様だけはヒロインには渡せないわ。無理。絶対ヒロインにはやらん。
計画変更ー!!悪役令嬢やりながらお兄様をヒロインから守るに変更!!
他の攻略キャラはじゃんじゃん持ってって。その代わりお兄様はやらん。
「あら、御機嫌よう。フランお兄様、アリス様」
アレンが笑ってる……何で?
あれ?アレンって今までずっと無表情だったよね?挨拶すらしてくれなかったのに突然、どうしたんだろう?
でも、アレンの笑顔久しぶりに見たなぁー。
アレンがまだ小さい時はずっと笑顔で可愛かったからなぁー
貴族として振る舞うようになってから笑顔を見せる事無くなったから……
可愛いなぁ
「アレン……笑顔……珍しい」
あぁ、懐かしいアレンだ。
僕の妹。
僕の妹?
そうだ、僕の妹だ。でも、僕はアレンのお兄様なのかな?
お兄ちゃんをしてたのか?
いや、してない。
ずっと避けてきた。
なんで?
そうだ。アレンが笑わなくなったから
それだけで?
僕はアレンが笑わなくなってからずっとアレンから避け続けた。その時、アレンはまだ五つにもなってなくてまだ幼いのに突然、僕はアレンを見放した。
アレンが笑わなくなったからだ。
貴族として振る舞う事がどれだけ難しくて、その為の勉強がどれだけ辛いのも僕は知っている。僕はそんな時お父様やお母様そして、アレンが居たからこそ乗り越えてやってこれた。
アレンは僕のことを支えてくれたのに、僕は一方的にただ見放した。
それから僕が見放した事でお父様とお母様もアレンと接する事は少なくなった。
それは、僕がお父様とお母様をそう進めたからだ……
アレンはあの教育をたった一人で乗り越えてきたのだろうか?
そもそも、アレンが笑わなくなったのは何でだ?
あれ?
もしかして、寂しかったから?
でも、アレンはいつから笑わなくなった?
あれ?おかしいな?
僕のせい?
僕のせい。
僕のせいなのか
そうだ……アレンがお父様とお母様に可愛がられていたから嫉妬したんだ……
アレンが笑わなくなったのはそれで嫉妬した僕がお父様とお母様をアレンから離してからだ。
全部。僕のせいだ
僕はなんて酷い事をしてしまったんだろう
なのに、アレンは僕を謝らせてくれない。
僕は嫉妬からアレンの事を悪く言った事が沢山ある。
アレンもその事を知っている筈なんだ。絶対、知っている。なのにっ!
なんでアレンは僕に謝らせてくれないの?僕はそんな綺麗なお兄ちゃんじゃない。
僕はお兄ちゃんをしていいのかな?
僕の可愛い可愛い妹。アレン
ごめんね。こんなお兄ちゃんで
これからは絶対僕が守ってあげる
絶対に手放さない。
ずっと、ずぅーーと、僕の大切な大切な妹
その可愛い可愛いカラダも声も顔もそのココロもその笑顔も僕のモノにしたい
ゼーンブ、僕が守ってあげる
もう、君を傷つけたりしない
もう手放してあげない
誰にもあげない
僕のたった一人の妹
だから、僕とお兄ちゃんとずぅーーと一緒にいてね
僕の愛しい愛しい妹
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