悪役令嬢?なら、トコトンやってあげましょう

七海のうえ

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ウチの天使達は可愛いらしい *三人視点

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【最近、アレン大変そうにしてるねぇ~多分アレ寝てないでしょ】

【そうですよ、あの人睡眠だってろくにとってませんし、ちゃんとご飯だって食べて欲しいんですけど、食べてくれないんですよ。】

「…確かに、最近は一緒に寝てない」

【本当にあのアリスさんに対する復讐心?みたいなモノはどこから湧いてくるのでしょうね、最近なんてアレン様の婚約者のマトリックス殿下がアリスさんと仲良くしてても逆に都合がいいって呟いてましたよ。】

【えぇ、それは俺っち怖い】

「それは、怖いね」

【アレン様が何をしたいのかよく分かりませんよ】

ある一室で三人の従者達は自分達の主について女子会のようなノリで話し合う。
しかし、この従者達はただの従者達では無い。



一人は全ての世界の母であり最恐の部下を持つ最強上司。

黒狼 ウルヴァン

一人はこの世界の表の管理者であり、最恐と恐れられた伝説の二人組の一人。現在はウルヴァンの部下をやってる。

光神獣 ライガン

一人はこの世界の裏を管理する神であり、こちらも最恐と謳われた伝説の二人組の一人でライガンと同じく現在はウルヴァンの部下。

闇幻獣 バルダ


まるで女子会のようにキャピキャピとはしゃぐ彼等の正体は神界で最強と謳われた上司と最恐と恐れられた部下達であった。


【本当に休んで欲しいものですねぇ】

【そうだねぇー】

「強引にやってみる?」

人間に完璧と謳われる神の中でもトップクラスの彼等の頭を悩ませる人物がたった一人だけ存在した。

そう、それは彼等の主。トランス=アレンである。
彼女はほかの世界からのお墨付きの転生者で中々にワイルドな少女である。
まぁ、その性格に惹かれて彼等が今こうして彼女に仕えているワケなんだが、その性格故に起こす問題というのも日々絶えない。

特に彼女は最近、アリスというヤンデレ気味な少女にお兄様を傷付けられたらしく彼女をざまぁする為の証拠とやらを集めている。
そのおかげでバルダは四六時中連れ回されてグロ映像やらなんやら見せられて真っ青な顔して帰ってくる事が多くなった。
で、そのバルダが毎回帰ってきて言う一言が

【自分の婚約者の浮気現場にダメ出しする人って存在するんですかねぇ】

である。一体何をされたんだ。

まぁ、それぐらいならまだ許せたのだが最近彼女は食事や睡眠を疎かにしてまで証拠集めに熱中しているのだ。

時計の針がぐるっと周り、日を跨いだ頃彼女は屋敷を抜け出して証拠集めに出掛ける事もある。
彼女が普通の少女ならどうにでもなったんだが、彼女は全ての魔術を扱える上に魔力が底なしというまさにチート野郎である。

流石の神である私たちでも彼女には勝てなくて、《アレンを休ませよう作戦》を相談中なのだ。

本当にガチであの子には適わない。
召喚獣の召喚の時まさか僕が召喚されるとは思ってなかった。

召喚の仕組みって実はだいたい召喚獣と召喚者の魔力の量や質が同等の者同士何だけども、アレンの場合はもう規格外。

正直に言うと、は化け物ただ。

絶対、バルダやライガン、僕が束になって本気で殺り合っても勝てないかも知れないねぇ。


【で、ウルヴァン先輩いつまでそのキャラ通す気ですか?あとそんな恐ろしい事考えやんで下さい。】

【確かに確かに、俺っちなんてそのまんまですで。あと、アレンはそんな事しない!】

「はいはい、ごめんごめん。キャラは最初僕が召喚された時、君達がふざけて使い魔とか言ったからだよ(怒)」

そうやってワイワイしながら僕達は作戦を練りに練り、やっといい案を見つけた。

まぁ、それが恥ずかしいもんで

《アレンと添い寝大作戦》

乙女ならきっと喜ぶであろう添い寝を顔の良い僕ら三人でしよう!という結果になった。因みにこれを考えたのはライガンだからな。

いきなり添い寝なんて怪しすぎるから神の権限で記憶をちょちょいといじってそんな感じの設定をライガンがアレンに植え付けてた。
その時、アレンの魔力がエグすぎてライガンが昇天しかけたのはちょっとした笑い話。

「本当に復讐心に呑まれないようにね」




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